女性は年収よりつながり コロナ禍での幸せキャリアは人生100年時代のキャリアとワークスタイル

2021/4/26
コロナ禍でも人生の満足度・幸福感を高めながら働くコツとは?(写真はイメージ=PIXTA)
コロナ禍でも人生の満足度・幸福感を高めながら働くコツとは?(写真はイメージ=PIXTA)

新型コロナウイルス感染症の収束が見えず、先行き不透明な中で、漠然とした不安を感じている人は多いことでしょう。では、人生の満足度・幸福感を高めながら働くコツは、どこにあるのでしょうか。

労働に関する総合的な調査研究を行っている独立行政法人の労働政策研究・研修機構が2021年3月に発表した「就業者のライフキャリア意識調査―仕事、学習、生活に対する意識」では、コロナ禍での職業生活に変化があった人ほど、あるいはコロナ禍での職業生活について不安を感じている人ほど、幸福感が下がっているという結果が明らかになりました。

コロナ禍前後の幸福感の変化(労働政策研究・研修機構が2021年3月に発表した「就業者のライフキャリア意識調査―仕事、学習、生活に対する意識」より)。職業生活の変化が大きかった人ほど不安も大きいという結果になった
【調査概要】
「就業者のライフキャリア意識調査―仕事、学習、生活に対する意識」の調査はコロナ禍前の2019年11月に「2018年度労働力調査」(基本集計)の比率に応じて割り当てた6000人を対象に実施。1年後に同じ対象者に追加調査を実施し、うち4670人の回答を得た。

新型コロナウイルスのまん延防止のために、休業を余儀なくされたり、残業減・ボーナスカットなどで収入が減ったりした人は決して少なくありません。総務省が21年2月に発表した労働力調査では、女性の非正規労働者は前年同月比89万人減となっています。仕事を失った人も、特に非正規雇用の女性に大勢いる状況が続いています。経済的な問題は、私たちの生活に大きな影響を与えます。しかし、もし仕事で高収入を得られるとしたら、幸福度は収入に伴いアップするのでしょうか。

経済的な豊かさと幸福度の関係

上述の就業者のライフキャリア意識調査で個人年収と幸福度の関係について調べた結果、実は男女に差がありました。男性は年収増加に伴い幸福度が有意に上昇し、600~700万円未満以降は横ばいとなる傾向が示されました。これは、高収入ほど仕事のプレッシャーが強く、また労働時間も長くなるために、経済的に豊かではあっても喜びが減少するためと考えられます。

一方、女性は100~200万円未満から500~600万円未満まで、年収増加に伴い幸福度が緩やかに上昇します。しかし、幸福度と個人年収の関連は比較的弱く、低収入であっても男性よりはるかに幸福度が高いことがわかったのです。いったい、なぜでしょう。

男女別の幸福度と個人年収(労働政策研究・研修機構が21年3月に発表した「就業者のライフキャリア意識調査―仕事、学習、生活に対する意識」より)。幸福度は「とても不幸」を0点、「とても幸せ」を10点とする11件法で回答を求めた。女性の800万円以上はデータ数が少ないことが幸福度の変動に影響していると考えられる

幸福感には、「経済的豊かさ」「雇用状況(組織コミットメント)」「人と社会のつながり」「将来展望」「性格特性(不安傾向が低いこと)」などが影響を与えています。

女性の場合、収入のほか、上司や同僚との人間関係や社会とのつながり感、適切な労働負荷、職場にうまくなじむことなどで幸福度を高めていたのです。このため、コロナ禍による人的ネットワークの影響は幸福度の減少をもたらすことにつながっているといえます。一緒に食事をしたり、遊んだり、困ったときに相談したりできる人がもともと多くいる人が、コロナ禍によって交友関係を制限されることは、想像以上にインパクトがあるものだと考えられます。

次のページ
キャリアと生活の将来展望を持つことがカギに