どちらがよいかは言うまでもありません。逆算思考で進めないと、最適な資源配分ができない上に、進捗の管理ができません。今やっていることが未来にどうつながるかも見えません。結果的に、期待する地点に到達できなくなる恐れが出てきてしまいます。

おそらく、ビジネスパーソンともなれば、大きな仕事を積み上げ思考でやる人はいないと思います。ところが、本当に身についているかといえば、怪しいものがあります。

たとえば、打ち合わせを始めるに際して、「今から30分で〇〇をつめましょう」とゴールを決めてから議論していますか。大量のメールを処理するのに、「1時間で50件」と目標を決めて取りかかっていますか。自分の意見を述べるのに、先に結論を述べてから中身を説明していますか。

これらはすべて逆算思考の応用です。それができていないとしたら、まだ頭の中に逆算思考の“わだち”ができていないのかもしれません。

あと少しなら頑張れる

逆算思考のポイントが2つあります。ひとつは、明快な目標を定めることです。

目標があいまいだと何をしてよいか分からなくなります。事後に到達度合いを振り返ることもできません。ゴールの姿がイメージできるよう、できるだけ具体的に表すようにしましょう。

そのために活用したいのが「SMARTゴール」です。背伸びをした(Stretch)、測定可能である(Measurable)、達成可能である(Achievable)、現実的である(Realistic)、期限がある(Time-related)、の英語の頭文字をとったものです。

なかでも難しいのは、一番目の「背伸び(ストレッチ)をした」です。あまりに高いレベルだと、負荷に押しつぶされてしまいます。かといって、楽勝の目標では、持てる力が十分に引き出せません。一般的には、実力の20~30%増しくらいがちょうどよい頃合いだと言われています。

ポイントの2つ目は、それを小さな目標に分割し、今何をすべきかを明らかにしておくことです。大きな目標のままでは、つい後回しにして、見果てぬ夢になってしまう恐れがあるからです。

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未来は現在の延長線にない
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