SSDの転送速度も向上、高まる14型ノートの存在感
さらに3番目のポイントとして、内蔵SSDの転送速度もPCIe 4.0対応により、従来よりも2倍近く高速化した製品が増えている(図6、図7)。
図6 搭載するSSDは対応する接続規格で転送速度が変わる。最新モデルではPCIe接続がほとんどで、中にはPCIe 4.0の高速ストレージを採用する機種も登場した
図7 PCI e4.0のSSDの転送速度を実測(テスト機材は「VAIO Z」)。PCI e3.0はリードが最大3500メガ(100万)バイト/秒ほどだったが、PCIe 4.0は約6800メガバイト/秒と高速化した4つめのポイントは、ホームモバイルと位置付けられる14型ノートの存在感が高まっていること(図8)。
図8 在宅ワーク需要で14型ノートの存在感が増した。15.6型より小型で持ち運びしやすいうえに、画面サイズは一般的なモバイルノートより大きくて作業性が確保されているのがその理由だ縦の表示領域が広がる
5つめは同じくディスプレーのトピック。縦横比が16対10や3対2など、縦の表示領域が広めのモデルが海外メーカーを中心に増加しているのも特徴だろう(図9、図10)。
図9 画面の縦横比は、長らく薄型テレビと同じ16対9が主流だった。だが昨年後半から、16対10や3対2を採用する機種が増加。縦方向の表示領域が広がったことで、ウェブ閲覧などがしやすくなっている
図10 左はビジネスノートの定番、レノボ・ジャパンの「ThinkPad X1 Carbon」。最新の第9世代で16対10に変更した。右はデルの「XPS 13」。同社では個人向けを中心に16対10のモデルを増やしている「Wi-Fi6」が標準に
Wi-Fiも高速化している。「Wi-Fi6」と呼ばれる最新規格がパソコン側で標準になったのが6番目のポイントだ(図11)。
図11 無線LAN(Wi-Fi)は、「Wi-Fi 6」と呼ばれる最新規格がほぼ標準になった。最大通信速度は9.6Gbps(8ストリームの場合)だが、パソコン内蔵のアンテナが2本のため、実際の最大通信速度は2.4Gbpsとなる
軽量化目指し、素材にカーボンも
最後は軽量化。注目は本体に使われている素材で、これまで軽量マシンにはマグネシウムリチウム合金などを採用していたが、さらなる軽量化を目指し、カーボン素材に目を付けた製品が出始めている(図12、図13)。
図12 軽量で高強度のカーボン素材。最近ではパソコンでの採用が増えている。写真は富士通の「ライフブックUH」シリーズ。こちらは天板にカーボンを使い、最軽量クラスを達成した
図13 今春の最注目モデルの1台になるバイオの「バイオZ」。こちらは、ボディーの一部ではなく、カーボンを立体成型することで、パソコンでは初めてフルカーボンボディーを実現した[日経PC21 2021年6月号掲載記事を再構成]