――飲食店でのキャリアは試してみたら違ったということですね。

仕事はとても楽しかったし、いい思い出です。でも、僕が本当につくりたいのは「料理」でも「店」でもなく、「人が喜んでくれる仕組みやサービス」なのだと気付いた瞬間がありました。

進むべきキャリアの輪郭を明確に

というのも、飲食店は毎晩閉店すると、何がどれだけ売れたかを集計し、場合によっては本部に報告しなければならない。作業が面倒だった僕は独学で身に付けた簡単なプログラミング技術を使い、自動化ツールを作った。アルバイトの立場で、誰に頼まれたわけでもないのにです。このとき、自分は新しい仕組みを作り出すことに喜びを感じる人間なんだとはっきり分かりました。

進むべきキャリアの輪郭が明確になれば、独学や副業、転職の方向性も戦略的に考えていくことができるようになります。僕は転職時に年収を基準にした交渉はしないので、入社時は前職よりやや下がった局面もありますが、基調としては右肩上がり。バイト時代と比べれば、言うまでもないです。

――年収が右肩上がりのキャリアを目指すにはどんなことを心掛けるべきですか。

「AなのにB」を意識していくといいですよ。「A」には自分が今、勤め先で与えられている役割や職域を当てはめてみてください。「B」には同じ役割や職域にいる他の人たちがあまりやろうとは思わないこと、苦手だとされていることを入れてみてください。

自分が得意になる価値があることを探す

例えば、「エンジニアなのに採用が得意」。これは僕です。リクルートで人事や営業を頑張った経験がエンジニア転身後に役立ちました。「経理なのにプログラミングができる」とか「国内向けの営業職なのに語学に強い」とか何でも構わない。「Aの自分」しかないと、その限られた領域の専門スキルで競争することになるので、レッドオーシャンです。でも「Bの自分」と掛け合わせられれば、レアリティ(希少性)の高い人材になれる。社内の評価も自分の市場価値も上がります。

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