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ミライロ社長 垣内俊哉氏

ミライロ社長 垣内俊哉氏 

障害者手帳アプリサービスなどを展開するミライロ(大阪市)。社長の垣内俊哉さんは遺伝性の骨形成不全症により幼少期から車いす生活を強いられた。目や耳に障害がある社員などダイバーシティー(多様性)に富んだ社内で、弱みを強みに変えようと意気込む。障害者関連の世界市場も視野に入れる。

(上)障害は価値に変えられる バイト先で起業精神を学ぶ

――リーダーとしての強みは何ですか。

「やはり一番の強みは自分でできないことが多いことです。そもそも歩けません。助けてあげよう、手伝ってあげようと、いろいろな人がサポートしてくれるわけです。じゃあ、任せようと。私は障害者なので、比較的早く気づきましたが、会社がある程度の規模になれば、任せる経営は必要になると思います」

――ベンチャー企業の経営者は部下に細かく指示する「マイクロマネジメント」に陥り、失敗するケースもあります。

「まさに創業当初はマイクロマネジメントになっていました。もともと車いす生活ですから、視点は地上106センチメートル。地面の1~2センチメートルの段差にも注意して生活しているので、細かなところによく気づくのです。臆病なわけです。例えば、遠足の前の晩、普通の人はワクワクするでしょうが、私の場合、目的地のトイレは使いやすいのか、エレベーターはどうなっているのかなどが気になり、不安で眠れない。そこで常に最善の準備をする癖がついたわけです。障害者の視点で気づくことが多いし、営業に行く場合も、お客様のあらゆる質問に応じるために分厚い資料も作成するわけです。部下にもあれこれ細かな指示をしていました。これが私の強みだと思っていました」

部下への細かい指示に落とし穴

「そこに落とし穴がありました。会社が10人から30人、そして50人規模と大きくなるのに伴い、マイクロマネジメントでは組織がうまく機能しなくなったのです。痛感したのは2013年と16年にそれぞれ長期入院を強いられた時です。13年は手術後に一時心肺停止に陥り、周りに大変な心配をかけました」

「13年の入院時は業績がガタンと下がりましたが、16年には増収増益になったのです。この時、自分が全てを指揮するのではなく、皆に任せた方がいいと言うことが分かりました。16年の時は入院中の私を不安にさせないようにと、社員の皆が協力し、奮闘してくれました」

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