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スープが透き通った淡麗ラーメン 首都圏の推奨2店

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NIKKEI STYLE

新型コロナウイルスの脅威が今なお続く。首都圏のラーメン界も当然、コロナ禍とは無縁ではいられない。「コロナ禍が終息した暁に出店したい」と、オープンのタイミングを虎視眈々(たんたん)とうかがう作り手がいる一方、「こんなご時世だからこそ、世の中を元気づけたい」と開業に踏み切る作り手も少なからず存在する。

作り手が百人いれば、百通りの考え方があり、皆それぞれ人生をかけている。そんな様々な思惑が入り乱れる中、今シーズンも例年よりは少なめとはいえ、首都圏には有力な新店が出そろいつつある。そこで今回はスープが透き通った「淡麗ラーメン」で、私が自信をもってお薦めできる最旬の2つの新店をご紹介しよう。

◆麺屋YAMATO(東京・三鷹台)

 ~実力店『中華そば向日葵』の2号店。洗練とノスタルジーが同居するネオ・クラシックのお手本!~

2016年5月、三鷹市下連雀の地で産声を上げた「中華そば向日葵」。都内屈指のラーメン激戦区・三鷹においても、素材が持つ等身大の魅力を生かした淡麗ラーメンを提供する店として、支持者を増やしてきた実力店だ。

そんな『中華そば向日葵』が今年1月、満を持してオープンさせた2号店が、今回ご紹介する『麺屋YAMATO』だ。

店を構えたのは同じ三鷹市内で京王井の頭線の三鷹台駅近く。駅の改札を抜けると、居心地の良い風景の中を、心躍らせながら3分ほど歩を進めると、道の左手に見えてくるのが『麺屋YAMATO』である。遠い昔からそこにあるかのように違和感なく溶け込んでいる気がするのは、店の空気感が三鷹台の地になじんでいるからに違いない。

オープンからまださほど月日が経過していないのに、店の前には行列が。1号店(『中華そば向日葵』)で地道に育んできた地元での信頼が、2号店に対する熱い支持という形で結実しているようだ。来店する客層は、老若男女を問わず実に幅広い。

同店が現在提供しているラーメンは、3種類のレギュラーメニュー(「醤油らぁ麺」「塩らぁ麺」「担々麺」)と、限定メニュー(限定らぁ麺)。中でも看板商品は券売機の筆頭に鎮座する「醤油らぁ麺」だ。

スープの根幹を成すだしは、コク深いうま味が印象的な鳥取県産大山鶏を中心に、北海道の羅臼昆布と4種類(カツオ・サケ・マグロ・サバ)の節をバランス良く掛け合わせたもの。寸胴の状態を常にチェックしながら丁寧に炊き上げて作るスープは、丼が卓上に置かれた瞬間から、芳醇(ほうじゅん)な風味が鼻腔(びくう)を心地良くくすぐる会心の出来栄えといっていい。

宙を舞う香りに酔いしれながら、レンゲでスープをすすると、3種類のしょう油を合わせて作ったカエシ(しょう油ダレ)の滋味と、複数の素材が一体化して生まれた分厚いうま味が、せめぎ合いながら味蕾(みらい)を伝い、味覚中枢に浸透する。

スープをすすれば、すするほど節の和風味が明確に像を結び、輻輳(ふくそう)する味わい。鶏と節が、昆布からのグルタミン酸を媒介に、しっかりと手を握り、まさに盤石のひと言。作り手の研さんの跡が、目に見えるようで、完成度が高い。

注文を受ける度、丹念に手もみを施す自家製麺も「このスープにしてこの麺あり」の傑作だ。箸で持ち上げる度に国産小麦の華やかな香りがそよぎ、多幸感に包まれる。無我夢中で食べ進めるうち、いつの間にか丼は空っぽになっていた。

アクセスの良さも考えれば、このレベルの店を訪問せずに放置しておくわけにはいかない。ぜひ時間を見つけて、足を運んでいただきたい。

◆Rachette(ラシェット)(千葉・北柏)

~熟練のフレンチ職人が技の限りを尽くした1杯。「コンソメ」の魅力をとくと堪能あれ!~

続いてご紹介するのは昨年12月、千葉県柏市内にオープンした『Rachette(ラシェット)』。同店の最寄り駅であるJR常磐線北柏駅から徒歩10分強と、立地は必ずしも至便とはいえない。

にもかかわらず、今回ご紹介することにしたのは、現在の日本のラーメン界においてエポックメイキング的意味合いを有する店と確信するからに他ならない。具体的に言えば、この店は「フレンチとラーメンの融合」という試みに挑戦し、見事に成功した稀有(けう)1軒だからである。

店主の山本悠希氏は同店のシェフで父親の山本祐司氏と二人三脚で、同店を開業した(悠希氏は店舗のデザイン等を担当)。シェフの祐司氏は、この店を開業する前、約30年にわたり名古屋市や富山市の有名ホテルでフレンチのシェフを歴任した経歴の持ち主。「本物のコンソメスープが持つ魅力を、ラーメンという食べ物を通じて、数多くの人たちに伝えたい」。そんな思いを抱き、独学でラーメン職人の世界へ飛び込んだ。

現在、同店が提供するのは「コンソメしょうゆ」と「ホンビノス貝らーめん」の2種類。「鍋が少し変われば、全く味が変わる」と言われるほど、調理に高い技量を要するコンソメスープを、これまでの知識を総動員しながら、ラーメン用にカスタマイズ。

「フレンチのコンソメスープは通常、牛骨を多用しますが、ゼラチン質が出過ぎてしまうので、代わりに肉の分量を増やしています。また、煮干し等の魚介を加え、味に重層感を付与しています」。毎日午前3時~4時に起床し、鍋に向き合っているという。想像を絶する手間暇のかけように、食べ手としては、ただただ脱帽するほかない。

1杯の味わいは「素晴らしい!」のひと言に尽きる。定番メニュー「コンソメしょうゆ」には、メインのラーメンに加え、マー油、ライム等のアイテムが添えられるが、それらの助力を一切借りずとも、一滴残らずスープを飲み干せてしまうほどのけん引力を誇る。

トッピングのローストポークもまた、作り手の超絶的な技量の高さを見せつける。「低温調理」の技法はラーメン界では数年前から普及し始めたが、フレンチの世界では数十年前から存在していた。そんなフレンチの技法を駆使して作られたローストポークは、肉のうま味を余すところなく封じ込めた絶品中の絶品。素材も、うま味豊かな三元豚を厳選するこだわりよう。端的に申し上げて「次元が違う」としか言いようがない。

ここまで内容が充実した1杯が900円で食べられるとは、まさに奇跡と言うしかない。こちらもぜひ、召し上がっていただきたい一杯である。

新店のタマ数がそろってくれば、ラーメン界の「今」を特徴付けるトレンドも見えてくる。淡麗ラーメンは数年前にピークを迎え、近年は徐々に落ち着きを見せ、代わって濃厚系やガッツリ系ラーメンを出す店の新規開業が最近は目立つ。そのトレンドは当面まだ続きそうだが、淡麗タイプのラーメン人気も依然、健在なのは間違いない。

(ラーメン官僚 田中一明)

田中一明
1972年11月生まれ。高校在学中に初めてラーメン専門店を訪れ、ラーメンに魅せられる。大学在学中の1995年から、本格的な食べ歩きを開始。現在までに食べたラーメンの杯数は1万4000を超える。全国各地のラーメン事情に精通。ライフワークは隠れた名店の発掘。中央官庁に勤務している。

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