日経クロスウーマン

2021/4/23

給与明細はここを見る

給与明細の「控除」の各項目をよく見て!それぞれの控除が、「基本給」や「支給額合計」と比べてどれくらいかをチェック!(数字は一例です。給料が同じ人でも、個人の控除額は条件によりやや異なります)

【チェックポイント1】基本給

基本給は「同一労働同一賃金」を考える上で、何よりも重要です。基本給が少なくて、各種手当や賞与が多い会社も存在します。基本給は賞与など各種計算の基礎にもなりますし、トータルが同じであれば、基本給の割合が高い会社はホワイト度数が高いです。企業が基本給を下げるなんて、先述の労働条件の不利益変更にほぼ引っかかってしまうため、なかなかできるものではありません。基本給は、労働基準法だけでなく最低賃金法など各法律に守られていますし、最も強い自分の権利ともいえるのです。

【チェックポイント2】厚生年金・健康保険

主に老後の年金につながる厚生年金は給与の9%以上と、天引き率が最も高いです。でも、老後の年金や、もしもの際の障害年金などにもつながるので納得感はありますね。

次に天引き率が高いのは健康保険です。約5%ですが、日ごろから病気やケガの際に大活躍。長く働けない場合の生活保障の役割を果たす「傷病手当金」も魅力です。

この2つは、非正規雇用労働者であっても、週に30時間も働けば対象になる可能性が高いです。

【チェックポイント3】住民税・所得税

住民税は、住民票のある都道府県・市区町村に納める税金です。天引き率はおおよそ3.5~7.5%で、あくまで前年の所得を基準として、その年の6月から納付が始まります。扶養親族、ふるさと納税、確定拠出年金(iDeCo・マッチング拠出)などの状況により個人差が大きく、賞与からは差し引かれないのも特徴です。

所得税は、国に納める税金です。給与と扶養親族の人数で決まり、天引き額はおおよそ2%弱です。天引きされるものの、その年の年末調整により再計算され、大概の場合は税金がやや還付されます。iDeCoや、住宅ローン控除などがある人は還付額が大きくなることもあります。

【チェックポイント4】雇用保険

いわゆる「失業保険」(正式には失業等給付の基本手当)につながるもので、0.3%と比較的少ない金額です。

非正規雇用労働者であっても、週に20時間も働けば対象になる可能性が高いです。

同一労働同一賃金の目指すところ

同一労働同一賃金と給与明細の基本を解説しましたが、いかがでしたか?

法律により本格的に職場内での不合理な待遇差が解消されれば、移り変わる自分の人生にフィットした働き方を自由に選び直すこともでき、さまざまな立場の人がそれぞれ納得感を持って働けるようになるはずです。

これらの知識は、そんなこれからの働き方を考え、そして「選択」する上で知っておくべき常識だと筆者は考えています。

川部紀子
ファイナンシャルプランナー(1級FP技能士、CFP認定者)、社会保険労務士。FP・社労士事務所 川部商店 代表。1973年北海道生まれ。生命保険会社に8年間勤務し約1000人の相談・ライフプランニングに携わる。その後30歳で起業。相談業務の他、講演・セミナーの依頼も年間約200件。執筆、TV、ラジオ等のメディア出演も多数。近著は『まだ間に合う 老後資金4000万円をつくる! お金の貯め方・増やし方』 (明日香出版社)。

(文 川部紀子)

[日経xwoman 2021年4月9日付の掲載記事を基に再構成]

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