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理系人材が期待される場面は一段と広がってきた(写真はイメージ) =PIXTA

理系人材が期待される場面は一段と広がってきた(写真はイメージ) =PIXTA

「理系人材」といえば、これまでは研究室などにこもって専門の研究や要素技術開発・製品開発に黙々と取り組み、その分野を極めていくというイメージが持たれていました。しかし、昨今、理系人材のキャリアの方向性が多様化しつつあります。

技術者たちが「マーケティング」「経営」の知識習得へ動く

メーカーで研究開発などを経験してきた技術者がビジネスクールなどに通ってマーケティングや経営を学び、事業開発などビジネス寄りのポジションへ転職していくケースが増えているのです。研究開発職に限らず、理系学部を卒業してメーカーに就職し、セールスやフィールドサービスなどの部門で働いてきた人なども同様です。

その背景にあるのが、今、大きな波が来ているデジタルトランスフォーメーション(DX)です。今や、あらゆる業種の事業会社がDX推進に取り組んでおり、専門部署を立ち上げたり増強したりする動きが活発。また、事業会社の活動を支援するSIer(エスアイヤー=システムインテグレーター)やコンサルティングファーム、さらにはDXに関連するプロダクトやサービスを持つテックベンチャーなどが入り乱れ、理系人材の獲得に動いています。

DX人材と聞くと、データサイエンティストや人工知能(AI)エンジニアといったIT(情報技術)系スペシャリストをイメージする人が多いのではないでしょうか。しかし、実際には、IT以外の機械、電機、化学といった領域の人たちも「理系のバックグラウンド」に期待が寄せられ、採用に至っているのです。

そもそも、データの分析やAIの導入ができればDXが実現するわけではありません。自動車業界が「モノ作り」から「サービス産業」、すなわち次世代移動サービス「MaaS(マース=モビリティー・アズ・ア・サービス)」へのシフトを進めているように、今、産業構造そのものが大きな転換期を迎えています。

これまでコンサバティブ(保守的)だった業界すら、事業モデルの見直しに乗り出す中、データ分析以前に、事業のあり方を考え、戦略を練る必要があります。そして、事業やサービスのプランを「技術」と掛け合わせていくことになります。

そのフェーズにおいては、デジタルの専門知識は必ずしも必要ではなく、物事を構造的・多面的に捉える力、「数字」への強さ、課題の発見・分析力が求められます。それらを備えている人材として「理系人材」が求められているというわけです。

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