グッチが席巻したグラミー賞 アカデミー賞は?

――また、毎年話題になるものといえば俳優陣のファッションですが、注目されている方はいらっしゃいますか?

カビラ:男性は、基本的にみなさんタキシードでブラックタイですが、どのブランドが多いのかは個人的に気になっています。というのも、グラミー賞ではグッチが席巻していましたからね。女性の場合は、ジュエリーだけでなく、マスクとどういうふうにコーディネートするかをスタイリストやブランドの方々とセッションされているところだと思います。

宇垣:今年は華やかな場があまりなかったこともあり、期待がより高まっている部分はあります。もともと女優さんたちのドレス姿を見るのが好きなので、とても楽しみです。特に、今回は国際色も豊かなので、いままで以上に幅広い装いを見ることができるのではないかなと思っています。

カビラ:宇垣さんに近い世代だと、『The United States vs. Billie Holiday(原題)』のアンドラ・デイや『プロミシング・ヤング・ウーマン』のキャリー・マリガンあたりですよね。

『プロミシング・ヤング・ウーマン』配給:パルコ 7月16日(金)、TOHO シネマズ 日比谷&シネクイントほか全国公開!(C)Universal Pictures

宇垣:そうですね。あとは、『ミナリ』のユン・ヨジョンと『ヒルビリー・エレジー -郷愁の哀歌-』のグレン・クローズといったベテラン勢がいったいどんなドレスを着るのかが楽しみです。個人的には、コメディアンでもある俳優、サシャ・バロン・コーエンがどういうふうに来るのかも気になっています。

カビラ:確かに! 半分『シカゴ7裁判』で、半分『続・ボラット 栄光ナル国家だったカザフスタンのためのアメリカ貢ぎ物計画』とか(笑)。でも、そんな常識はずれなことをやりかねないおもしろい男ですからね。

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注目の『ノマドランド』 アジア人女性監督が初受賞なるか

――いろんな意味でファッションにも期待がかかりますね。では、作品賞についておうかがいしますが、どのように予想されていますか?

宇垣:どれもいい作品ばかりなので難しいのですが、予想と言われたら『ノマドランド』でしょうか。

『ノマドランド』配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開中 (C)2020 20th Century Studios. All rights reserved.

カビラ:そうですね。ただ、予想サイトとかを見ていると、『シカゴ7裁判』と『ミナリ』との三つどもえとも言われています。

あとは、ノミネートの部門数の多さから見ると『Mank/マンク』もありますし、『サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~』も音像の作り方や役者の演技が光っているなと思いました。本当にわからないですね。

『ミナリ』配給:ギャガ TOHOシネマズシャンテほか全国公開中 (C)2020 A24 DISTRIBUTION, LLC All Rights Reserved.
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――監督賞は、昨年の女性監督ゼロから一気に2人の女性監督がノミネートされて話題となっています。

カビラ:しかも、『ノマドランド』のクロエ・ジャオはアジア人女性として初ですから。

宇垣:監督賞に関しては、クロエが堅いと言っている方が多いですよね。やはりこれは、ある程度これまでの流れを受けて女性監督のノミネートが増えた部分が背景にあると思います。そこにきちんと目を向けた結果が出ているのはすごくうれしいことです。

カビラ:確かに、時代の要望に応えた形になっていると思います。もしクロエが受賞すれば、歴史に残る出来事になることは間違いないですから。そして、それは映画製作に携わっている女性やアジア系をはじめとするアメリカ出身以外の方々にとっては、強烈な励みになると思います。そうすると、今後は相乗効果でさらに質の高い作品が生まれるかもしれないですね。

宇垣:大きな影響を与えることになるでしょうね。

――その一方で、ノミネートが有力視されていた黒人女性監督のレジーナ・キングが外れてしまいました。

カビラ:僕は『あの夜、マイアミで』は作品としても大好きだったので、残念でした。でも、ノミネートの次点クラスの方はいっぱいいますから。その議論を始めると、大変なことになりますよ(笑)。

宇垣:確かに、「あの人もよかった」「この人もよかった」とたくさんいらっしゃいますからね。

カビラ:アメリカのメディアでもノミネートが発表された瞬間、「なんでレジーナ・キングが素通り?」みたいな報道がすごくて。ノミネートより、逆にそっちが盛り上がっていました。

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