順撮りで役を生きた『彼女』

予算やスケジュールの都合上、日本映画ではロケ地が近いシーンなどをまとめて撮ることが多い。そのためオープニングとラストカットを同日に撮るようなことも起こるが、『彼女』は、脚本の流れに沿って撮っていく“順撮り”で撮影されている。それによってリアルに変化していく2人の空気感と、身も心もさらけ出すクライマックスが見どころだ。

「順撮りできたことがすごく大きかったですし、撮影期間中は誰とも連絡を取らなかったので、自分というか、七恵の中で、レイの存在がどんどん大きくなっていきました。そんな気持ちの変化が、画面にそのまま出てるんじゃないかと思います。クライマックスの撮影は、ストーリーの終わりに向かって全力で走っている感じだったんです。だから、あのとき起きた出来事に対して以外、何も考えられなかったというか。緊張とか、恥ずかしいとか、そんなことも考えられないくらい、役に入り込んでいました。

『彼女』で篠田七恵役を演じるさとうさんと、永澤レイ役に扮(ふん)した水原希子さん

今回、一番大変だったのは運転です。車のシーンは全部、自分で運転しているんですよ。例えばBMWの赤いオープンカーでレイを迎えに行くシーンも、夜の高速道路をギリギリまで飛ばしている。どんなふうに映るのか想像できなかったんですけど、映像を見たらキレイなシーンに仕上がっていて、うれしかったです。完成した作品は、このキャスト、スタッフのチームでないと成し得なかった、心に響くものになったと思っています」

そして『彼女』のクランクアップとともに購入したのが、トカゲ形のブレスレットとなる。

「自分へのご褒美として何かを買うのは、これが初めて。手にしたときは本当にうれしかったですね。着け心地ですか? うーん、カワイイです。本当にカワイイ(笑)。大切なので普段使いはなかなかできなくて、着けるときを選んでます。……と言いつつ、今、カバンに戻すときに投げちゃったんですけど(笑)」

「『彼女』は、音楽もカッコイイんです。細野(晴臣)さんのテーマ曲も素晴らしいし、劇伴を担当された(バンド)『odol』の森山公稀さんの表現方法も素晴らしいと思いました」
「劇中の音楽で、特に好きなのは、七恵とレイがバイクで走るシーン。ギターのような上物を入れず、ドラムとベースのリズム隊だけで躍動感を出しているところが新しいなと思いました」
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