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男子校なので女性役も全員男性(学校提供)

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聖光学院中学校・高等学校には勉強、部活に次ぐ第3の活動がある。部活よりゆるい団体活動だ。聖光学院は塾に行かなくていいため、その時間を第3の活動に振り向けられる。教育ジャーナリストのおおたとしまさ氏が活動の実態を探った。

(上)宗教から科学掘り下げ 聖光学院が問う「正しさ」の先

(中)NASAも採用、レゴ教育 聖光学院の正解なき探究学習

マジック、クイズ、漫才、eスポーツ……

聖光学院には「公認団体」という制度がある。部活よりも認可ハードルが低い有志の活動団体だ。学校に公認されることで、学内組織として外部の大会に出場したり、教室を使用したりできる。

ジャグリング、マジック、クイズ、ダンス、ボードゲーム、ディベート、かるた、漫才、数学などをテーマにしたさまざまな団体がある。ユニークなものでは「ポケモンセンター聖光」が挙げられる。米国で行われた国際大会に出場した強者(つわもの)までいる。2020年には「eスポーツ同好会」という公認団体もできた。

「学校としてはゲームの類いの持ち込みは禁止ですが、eスポーツを推進する団体からパソコンをレンタルして、決められた場所と時間にプレーしているみたいです」とは、さまざまな公認団体の顧問を一手に引き受けている国語科教諭の神保元さん。

「テレビゲームなんてやってもしょうがないだろうと思っていましたが、実際に文化祭で生徒たちの取り組みを見て、これだけ真剣に取り組むなら認めてあげなきゃいけないと思って、認めましたよ」と工藤誠一校長は笑う。

部活よりはゆるい公認団体があることで、勉強、部活に次ぐ第3の活動ができる。聖光学院は塾に行かなくていいスタイルなので、3つめの活動がやりやすいという面もあるとは神保さんの分析だ。

学校が企画する講座として、フィッシング、ロボットづくり、ロケットづくりなどさまざまなことに挑戦できる「聖光塾」や、クラシックギター、クロマチックハーモニカ、陶芸、木工などが学べる「選択芸術講座」などもあり、勉強や部活以外の興味・関心を広げるメニューが豊富に用意されているのが、聖光学院の特徴でもある。

「英語劇」の公認団体の元幹部4人が集まってくれた。英語もダンスも歌も演技も、専門の指導者がいるわけでなく、自分たちのやり方で舞台をつくりあげる。

――何を目的にどのような活動をしているのか。

生徒A 本番の舞台は聖光祭がメインで、ほかに公演が年1回あるかないかです。本番の直前は週5回練習することもありますが、それ以外の時期は週1~2回が多いですね。ただし、公認団体という立場なので、部活がある人は部活優先です。

――英語劇の醍醐味は何か、課題は何か。

生徒A この4人のなかでは僕だけ部活に属しておらず、英語劇ではチーフをやっていました。いわゆる部長みたいな役職です。その立場から先に課題を言うと、英語劇は公認団体としては30~40人と人数が多いので、それをまとめるのが大変でした。

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