マヂカルラブリー M-1決勝のネタ選択、CM中に決断マヂカルラブリーインタビュー(下)

日経エンタテインメント!

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2020年の『M-1』で優勝したマヂカルラブリー。本人たちにとってはトラウマ的な出来事になった3年前の「酷評」を乗り越え、「リベンジ」に成功した。前回の「『M-1』王者マヂカルラブリー 『酷評』からの復活語る」に引き続き、『M-1』決勝戦でのネタ選択や優勝の要因などについて聞いた。

野田クリスタル(左)1986年11月28日生まれ、神奈川県出身。村上(右)1984年10月15日生まれ、愛知県出身。大宮ラクーンよしもと劇場を中心に、「大宮セブン」の一員としても活躍中。冠番組『マヂカルクリエイターズ』(月曜24時5分/テレビ東京)がスタート。(写真:中村嘉昭)

20年末の『M‐1』決勝では、1本目にフレンチレストランのマナーを題材にしたネタ、2本目に電車のつり革につかまらない男のネタを披露した2人。2本のネタで勝負する『M‐1』決勝戦では、ファーストラウンドを勝ち抜くために、1本目に決勝進出を決めたときの準決勝ネタを持ってくるか、最終決戦のためにそのネタを温存しておくかの二択を迫られる。

準決勝で会場を大きく沸かせたのは、「つり革」のほうだった。ネタの選択は出番の直前まで決まらなかったという。

「笑神籤」は本当にテンパる

野田クリスタル 『M‐1』の負担の9割が、その場で出順を決める笑神籤(えみくじ)なんです。

村上 順番が決まらないと、2本のネタのどちらをやるか、ものすごく決めづらい。「トップバッターだったらこっち」とか、「前のコンビがこの人たちだったらこれ」とかあるんですけど、そういう判断ができないんですよね。

野田 5番手ぐらいから誰かがオカルトみたいなことを言い出すんですよ。「次、俺らが呼ばれると思う」とか。

村上 オズワルドが、おいでやすこがさんがウケたあとに「絶対に次、僕らですよ、分かるんです」って言ってた(笑)。

野田 19年にミルクボーイさんが超ウケたあとに出てるから。

村上 ニューヨークも「絶対俺ら1番手だ」って言ってました。19年のリハーサルと本番、20年のリハーサル、全部くじ引きで1番を引いていて。1000分の1のとんでもない確率まで来てましたから。笑神籤は本当に怖いですね。

野田 それで、1本目に突飛で動きの激しい「つり革」をやると、17年の二の舞(※)になる可能性があったんで、伝わりやすい「フレンチ」を先にやろうと決めていたんです。だけど、2番手の東京ホテイソンでその計画が揺らいでしまって。ホテイソンは最初のボケでめちゃめちゃ拍手笑いが起こって、ずっといい感じだったのに、点数が低かった。

※酷評されたネタ。開催中の「野田ミュージカル」を村上に見せると言ったあと、野田が奇天烈(きてれつ)な動きを次々に繰り出し村上を翻弄する。ほとんど説明がないまま野田が動き回るところは共通している。

村上 あれは予想外だったね。

野田 「あ、これ一発目の強いボケだけじゃ逃げ切れない日なんだ」って。ヘタしたら、「フレンチ」の一発目のボケで逃げ切れずに終わるかもと。その後はニューヨークがしゃべくりで、流れ的にずっとみんな動いてなかったから、これは「つり革」かなって思ったときに、4番手の見取り図が動く漫才だったんで、あれ、やっぱり「つり革」じゃねえなって。それで5番手においでやすこがさんがウケて、「これは最終決戦行ったな」ってなったときに、このまま「フレンチ」をやったら飲まれちゃう可能性が高いなと。それでどっちにしようか決めかねているときにCMに入ったんですよ。『M‐1』ではCMのタイミングが超大事で、いったん場をフラットにしてくれるんです。だから、CMが「フレンチ」にさせてくれました。

村上 もともと野田さんからは、「状況によって変える」って言われてたけど、こっちはドキドキですよ。スタンバイエリアもカメラで撮られてたんですけど、テンパった顔してた、2人とも(笑)。

野田 あのテンパりは、『M‐1』でしかないものだったね。

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