気軽にできるエクササイズも紹介

「メンタルノイズに気づけば、その影響を受けないように少しずつ体質改善していくことができます」という。メンタルノイズとは何かを解き明かすところから始まり、その見つけ方、そしてノイズと上手に付き合うための心のエクササイズまでを解説していく。

「気軽に」というのが本書から感じ取れる大きなメッセージだ。ノイズの見つけ方にしても、14のよくあるノイズを示して自分がどれに当てはまるのかを探してみるといった方法が示される。星座占いの本や性格診断の本を読むような気軽さで自分のノイズを見つけてみては、と著者は促す。心のエクササイズでも、肯定的なツッコミで人気の漫才コンビをまねて「全肯定の自分ツッコミ」をしてみてはと語るなど、遊び心がにじむ。いずれの方法も多くの悩める人をカウンセリングしてきた体験から語っているので、ちょっと試してみようかという気にさせてくれる。そこが本書の持ち味だろう。

「リブロの書店チェーン全体で推している一冊。それもあって刊行以来、じわじわずっと売れ続けている」と店舗リーダーの河又美予さんは話す。「コロナうつ」などという言葉が出てくる昨今、「自己肯定感低め」のひと言が気になる人たちがつい手を伸ばしているようだ。

『自己肯定感の教科書』も上位に

それではランキングを見ていこう。今回は3月の月間ベスト5を紹介する。

(1)デジノグラフィ博報堂生活総合研究所ほか著(宣伝会議)
(2)世界標準のテクノロジー教養山本康正著(幻冬舎)
(3)自己肯定感の教科書中島輝著(SBクリエイティブ)
(3)オードリー・タン デジタルとAIの未来を語るオードリー・タン著(プレジデント社)
(3)買い物ゼロ秒時代の未来地図望月智之著(クロスメディア・パブリッシング)

(リブロ汐留シオサイト店、2021年3月1~31日)

1位は、博報堂生活総合研究所がビッグデータから生活者の見えざる価値観や欲求を探った本。その分析ノウハウを含めて詳述している。広告業界や企画系のビジネスパーソンによく売れていて、訪れたときには在庫切れになっていた。2位は、3月初め「テクノロジー最前線を解説 ベンチャー投資家の着眼点」の記事で紹介した本。先頭を走る米中の動向を最低限押さえておきたいという読者をとらえる。

同数の3位に3冊。一つは紹介した本の類書で、自己肯定感を高めるのではなく、自分以外の力を借りて高まるようにしていく方法を説く。19年2月の刊行で、シリーズ化もされており、息長く売れている。ほかの2冊は、台湾の天才プログラマーでデジタル担当相のオードリー・タン氏の本と、買い物の未来を考察した電子商取引(EC)支援企業幹部の本。紹介した自己肯定感の本は6位だった。

(水柿武志)

「自己肯定感低めの人」のための本

著者 : 山根 洋士
出版 : アスコム
価格 : 1,540 円(税込み)

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