2021/4/13

口座を使い分けてお金の流れをスムーズにする

ルール作りのポイントは3つ。「先取り貯蓄」と「年間支出用口座」、そして「お金の引き出し方」です。

・先取り貯蓄の仕組みを利用する

まず、お金が自動的にたまる仕組みを作ります。入ってきた収入からいろいろな支出をして、残ったものをためようとするやり方では計画的にためることができないのでNG。お金が入ってきたら、使う前に貯蓄をしましょう。

勤務先で財形貯蓄ができる人は、これを使います。自分で決めた額がお給料から毎月差し引かれて自動的に積み立てられていきます。勤務先に財形貯蓄がなければ、お給料が振り込まれる銀行の自動積立定期預金を利用します。毎月決まった日に、決まった額が引き落とされるよう設定できるので、財形貯蓄と同じ効果が得られます。引き落とし日をお給料日の翌日にしておけば、残高不足で引き落としができないということが防げます。自動積立定期預金の手続きはネットやATMでできます。

財形貯蓄や積立定期預金の毎月の積立額は、最初は無理のない範囲で決めましょう。ボーナス月は積立額を増やすのもよいですね。財形貯蓄と自動積立定期預金を併用してもかまいません。

この仕組みを作ってしまえば、自動的にお金がたまっていきます。

・年間支出用の口座を作る

次は出ていくお金の管理です。ここでカギとなるのは、毎月の生活費以外のお金の扱いです。例えば、帰省・旅行の費用や固定資産税など年に数回という支出や、家具・家電の買い替え、歯の治療費などで臨時の出費があると、その月だけ支出が多くなってしまいますよね。なので、こうした生活費以外のお金は、メインとなる給与振込口座とは別に年間支出用の口座を作って、そこから支払うようにします。

生活費以外の支出が年にいくらくらいあるか計算してみて、それを12で割った額に予備としてプラスアルファした額を、お給料日の翌日に年間支出用の口座に移します。最初はボーナスを年間支出用に充ててもよいでしょう。

生命保険の保険料やNHKの受信料など、年払いにすると毎月払いより割安になるものも、1カ月分の保険料・受信料を年間支出用口座に積み立てておいて、そこから支払うようにするとよいですね。

すでに給与振込口座以外に口座を持っていれば、それを年間支出用口座にしましょう。新しく口座を作るなら、メインの口座から毎月一定額が自動的に振り替えられる仕組みのある銀行がベターです。

口座を使い分けるときは、ネットバンキングやネット銀行を活用するなど、お金を移動させるための手間や手数料がかからない方法を探しましょう。

銀行の中には、メインの口座のほかに、複数の別口座を作れるところがあります。それを利用して、年間支出用の口座、旅行費用をためる口座、マイホーム購入費をためる口座、などに分けて管理し、目的別にためるのもおすすめです。

・お金の引き出し方のルールを決める

先取り貯蓄をして、年間支出用口座にお金を移したら、口座に残ったのが1カ月の生活費として使ってよいお金です。これを、ただ漫然とATMから引き出していると月末に残高が足りなくなったり、うっかり時間外に引き出して手数料がかかったりすることも考えられます。計画的にお金を使うためには、お金の引き出し方にもルールを決めましょう。

例えば、1カ月の予算を決めて、その4分の1を週1回ATMから引き出す、あるいは〇〇ペイなどのキャッシュレス決済サービスに入金するといった形です。それによってお金の使いすぎを防ぐことができます。

こんなふうに、ルールを決めてお金の流れを整えたら、あとは月に1回、お金を移動させたり、支出の中身をチェックしたりすればOK。それをルーティンにしてしまえば、お金の管理で悩むこともなくなるし、計画的にためることもできます。

自分に合ったルールをぜひ作ってみてください。

馬養 雅子(まがい・まさこ)
オフィス・カノン代表。ファイナンシャルプランナー(CFP)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士。千葉大卒。法律雑誌編集部勤務、フリー編集者を経て、ファイナンシャルプランナーとして記事執筆、講演などを手掛けてきた。著書に「だれでもカンタンにできる資産運用のはじめ方」(ナツメ社)など。http://www.m-magai.net