IT(情報技術)関連企業がDXに対応するための人材育成を支援する機会もありますが、その際に常に論点となるのがDX市場でも価値ある人材に育成すると、転職リスクが高まるというものです。常に最新技術を把握し、技術を使っていかに業務を変革していけるか、事業を進化させられるか、こうした企画提案までできるような人材は至るところでニーズがあり、DX市場では人材流動性も高まっていることが背景になっています。

デジタル人材、新卒1年目から年収1000万円超も

こうした時代に即したスキル・経験を持っている方は更に活躍の場を広げやすい環境になっており、転職を通じて自己実現を図る方が多いことが推察されます。三菱UFJ銀行がデジタル等の専門性を持つ人材について新卒1年目から年収1,000万円を超える可能性がある仕組みを導入するとの報道がありました。こうした技能・専門性や経験に応じた処遇はますます広がっていくと思います。

図3 情報通信業における年代別の転職による年収増減(2010年、2019年) 出所:厚生労働省の雇用動向調査より、KEARNY作成

情報通信業での年代別の年収増減をみると、変化の早い業界であることもあり、24歳以下では77%が転職によって年収が増えたとするように、若手層の方がより年収増につながっている割合が高いです。また、中高年層を含む全年代層でも10年との比較では転職が年収増につながっている割合が増加しています。10年が低かったことがあるものの、むしろ変化の程度でいうと、若手層よりも中高年層の方が年収増につながったとする率が大きく増えています。中高年層でも最新技術を身につけた方がいるであろうことに加え、技術だけでなく現業への理解や、これらを組み合わせた提案力なども重視されているのではないかと思います。

図4 情報通信業への転職者の出身業界構成比(2019年) 出所:厚生労働省の雇用動向調査より、KEARNY作成
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若手層は他業界からの転職組も多く
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