Aさんはこのまま大手企業で部門マネジメントと人材育成を担っていくよりも、経営の力を養う道を選んだのでした。

<Bさん(40代前半/男性)のケース>
前職     :大手ネット企業/営業
現職(転職先):約30人規模のテックベンチャー/カスタマーサクセスマネジャー
年収変化   :約620万円→約620万円
世帯     :夫婦と子供2人

Bさんの転職の目的は「年収アップ」でした。大手ネット企業で営業として実績をあげてきましたが、部門異動により80万円の年収ダウンとなったのです。2人の子どもを育てていくにあたり、年収を上げたいと考えたのでした。

Bさんが転職先として選んだのは、特定業界を対象とするSaaS(サース。クラウドサービスの一形態)企業です。ポジションはカスタマーサクセスマネジャー。年収提示は前職と同額でした。年収アップを目指していたBさんですが、前職の年収維持で納得したのは入社後の昇給を明確にイメージできたからです。

(注)リクルート調べ

転職先はBさんのスキルを高く評価していたものの、業界・職種ともに未経験のため、まずは抑えめの金額を提示しました。しかし、入社後のパフォ―マンス・成果によってどれくらい年収が上がるのか、定量・定性の目標を明確に示したのです。その説明に納得したBさんは入社を決めました。当初の年収希望はかなわなかったものの、それ以上に次の点に魅力を感じたそうです。

●業界の古い慣習を改革し、多くの人に貢献しようとする理念が「本当にお客様のためになるものを売りたい」という自身の思いにマッチした
●経営者や事業部長と対話し、将来ビジョンと「本気度」に共感した
●お客様の声を聞きながらプロダクトを磨き込んでいけるやりがいがある
●社員同士の仲が良く、「何をするか」だけでなく「誰とやるか」という点でも魅力を感じられた

SaaSはプレーヤーが増えている成長領域。Bさんが今後、再度転職するにしても、「SaaS企業でのカスタマーサクセスマネジャー」のキャリアは有利に働くでしょう。

一時的に年収ダウンでも今後アップの可能性あり

大手からベンチャーに移る場合、入社時の年収が前職よりダウンするケースが多いのは事実です。しかし、成果をあげて企業の成長に貢献すれば、数年で元の年収水準に戻せる、あるいはそれを超えていける可能性は十分にあります。企業によってはストックオプションを期待できる場合もあるでしょう。

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