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中井貴一×内田有紀 『華麗なる一族』再共演の信頼感

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NIKKEI STYLE

過去にも何度か映像化されてきた山崎豊子の傑作小説『華麗なる一族』が、WOWOW開局30周年記念として新たにドラマ化に。本作では、高度経済成長期を迎えた1960年代の日本の政財界を舞台に、万俵家の繁栄と崩壊を描いている。そんな不朽の名作に、若手からベテランまで豪華なキャストが集結しているのも見逃せない。

今回、富と権力を追い求める阪神銀行頭取で万俵コンツェルンの総帥でもある万俵大介を演じるのは、中井貴一さん。そして、万俵家に同居し、家庭内で大きな力を発揮している大介の愛人・高須相子を内田有紀さんが熱演している。そこで、お二人に本作の魅力や役作りの苦労、さらにはお互いの存在について語ってもらった。

膨大で難解なセリフと格闘

――まずは、出演オファーを受けた際のお気持ちから教えてください。

中井貴一さん(以下、中井):最初にお話をいただいたとき、「僕は誰の役を演じるのかな?」と思いました。もしかして、長男の鉄平かなと。でも、「父親の大介のほうです」と言われて、「僕ももうそんな年になったんだなぁ」というのがオファーをいただいたときの最初の感想でした(笑)。

内田有紀さん(以下、内田):もともと原作を読んでいまして、映画とドラマも拝見していました。なので、私の場合は「高須相子をオファーしていただけるなんて、チャンスでしかない」と思いました。なので、「大丈夫かな?」と考えるよりも前に、「演じたい!」という勢いだけで受けてしまった感じですね(笑)。もちろん、お引き受けしてから、プレッシャーなどいろんな思いは湧き上がってきましたが、最初は喜びの気持ちのほうが大きかったと思います。

――実際に、脚本を読まれたときはいかがでしたか?

中井:僕も原作は読んでいて、映像作品も見ていたので、どういう形でもう一度やるんだろうかと考えました。そんななか、上がってくる脚本を読むと、確かによくできた話だなと。あっという間に12話を読み終えて「面白いなぁ」と思った次の瞬間、膨大なセリフの量に「あ、これは大変だ!!」と気が付いたんです。

金融用語も多く、読み物として目で追う分にはよくても、全部覚えて話すのは本当に大変なことですから。それに気が付いた途端に「はたして自分にできるんだろうか」という不安が一気に押し寄せてきた感じでした。

――そういったプレッシャーは、どのようにして乗り越えられたのでしょうか?

中井:まずは時間に追われて撮影するのではなく、きちんと時間をかけて撮りたいというお話をさせていただきました。それを了承していただけたことは大きかったと思います。あとは、50代最後にこんな大きな役をやり遂げることができるなら自分にとってはプラスになると思ってお引き受けしました。

――これまで佐分利信さんや北大路欣也さんらが60代半ばでこの役を演じられました。お二人は当時、中井さんより少し上の年齢でいらしたわけですが、そういった部分で意識されたことはありますか?

中井:実は、僕が一番原作に近い年齢だと思うので、今の自分がどうやって万俵大介を表現していこうかということに力を注ぎました。もちろん、過去の作品も参考にはさせていただきましたが、それをなぞろうという気持ちはなかったですね。

昔の作品を見ていただいた方には、華麗なる一族の成長を見ていただけたらいいかなと。これまでの作品では描き切れていないところもたくさんありますが、今回はなるべくすべてを網羅できるように12時間かけて描いているので、そういう意味では最も原作に近い『華麗なる一族』になっていると思います。

――内田さんは、過去作を意識された部分はありましたか?

内田:私も貴一さんと同じで、過去の作品を参考にしようという考えはまったくありませんでした。というのも、いずれもすでに完成された素晴らしい作品ですからね。それよりも、どちらかというと原作のほうを意識しながら演じていたと思います。実際、撮影が始まってからも原作を何度も読み返すことがありました。

――そこには原作ファンとしての目線もあったのでしょうか?

内田:それはありましたね。例えば、自分が出ていないときにほかの方が演じているのをはたで見て、勝手に一人で興奮していました(笑)。みなさんが演じることによって、原作で読んでいたものが立体的になるので、その瞬間を見られるのは本当に楽しいことでした。

原作者である山崎豊子さんが魂を込めて描いた一言一言を現代の私たちがどう演じて肉付けしていくのか。原作ファンのみなさんには、ぜひそういう部分も楽しんでいただきたいですね。

俳優の仕事というのは、高さよりも長さ

――では、演じるうえで苦労された部分について教えてください。

中井:本当に、毎日が苦労だらけでしたよ(笑)。大変なのは説明ゼリフが多いこと。企業をどうするとか、誰を蹴落としてどうしたいとか、自分たちのセリフですべての状況を説明しなければいけなかったので、それは難しかったですね。

説明ゼリフであればあるほど上辺だけでしゃべらないように気をつけていましたし、自分の体にセリフを染みこませてから言いたいというのがあったので、そういう意味でも苦労の連続だったと思います。

――今回ご一緒されるなかで、「自分のなかにあるものを引き出してもらった」などと感じるようなことはありましたか?

内田:そういう瞬間は、ありすぎると言ってもいいくらいありました。今回のお話をいただいた際に、貴一さんが大介を演じると聞いて、それだけで絶対に大丈夫だと思ったほどです。実際、大介を演じている貴一さんとその場所にいるだけで、私は何もしなくても高須相子になれました。

――それは、これまでに何度か共演されてきたなかで築かれた信頼関係があったからでしょうか?

内田:確かに、以前ドラマ『最後から二番目の恋』で兄妹の役を演じたことがあって、昨日今日の付き合いではないからというのはもちろんあります。ただ、それだけではなくて、こんなことを言うとおこがましいかもしれませんが、貴一さんに対しては生まれる前から知っていたんじゃないかなという感覚があるんです。うまく説明できないんですが、私にとっては「母体のような方」と言えるかもしれません。

中井:僕が母体なの?(笑)。

内田:あはは(笑)。意味が分からないかもしれませんが、それくらい大きなものに抱かれているような気持ちにさせていただける方だということです。そういったこともあって、気持ち的には常に助けられましたし、常に「チャレンジしなさい」とおっしゃっていただいているような感じがありました。そのおかげで、相子を精いっぱい演じることができたと思います。

――中井さんは、内田さんに対してはどのような印象をお持ちですか?

中井:俳優の仕事というのは、高さよりも長さだと僕は思っています。僕は仕事を始めてから40年がたちましたが、そのなかで感じるのは、長く残っていくことの大変さは、高く行くよりもずっと難しいんだということ。

有紀ちゃんとは17歳のときに初めてお仕事をさせていただいて、当時の僕は30代前半でした。そのときはまた何年後かに一緒にできるかなと期待しながら過ごしてきましたが、それから20年以上たって兄妹になり、今度は愛人ですからね。その劇的な変化みたいなものをうれしく感じています。

――今回の現場でも、これまで同様にお互いの存在に助けられながらという部分が大きかったんですね。

中井:ここまでお互いよくがんばったよな、と頭をなでたくなるほど。誰に褒められなくてもいいから、せめてお互いを褒め合いたいという感じです(笑)。どんな仕事でも大変だと思いますが、生き抜いていくためには神経も体力も使うので、僕たちもそういうつらさを持ちながらここまでやってきたと思います。

今回は有紀ちゃんが相子を演じてくれたおかげで、現場にいやすかったですね。役のうえでは大介が一番心を開いて話せるのは相子でしたが、僕にとっても有紀ちゃんが救いでした。役者にとって相手への信頼があるかないかは大きいことですから。セリフ地獄のなかで、有紀ちゃんがいなかったら、乗り越えられなかったんじゃないかなと思うくらいです。

内田:いえいえ。でも、今回は本当にセリフが大変でしたよね。

新型コロナウイルス禍と重なる部分も

――時代背景についてもお伺いします。原作は高度経済成長期が舞台ですが、映画版が公開されたときはオイルショック、ドラマが放送された後にはリーマン・ショックといったように、景気の絶頂から下り坂になる激動の時期、そして閉塞感に覆われる時代と重なることが多いように感じます。今回はコロナ禍での放送ですが、どのように感じられましたか?

中井:こういうタイプの作品は、自分が生まれていない時代のものであることが多いです。ただ、本作の場合、僕は原作で描かれた高度経済成長期のときは9歳くらいだったので、意外とその当時のことを知っているんですよね。あの頃は海に入ると体中に重油がつくようなことがあったり、近所の多摩川は汚染されていて白い泡が浮いていたり、光化学スモッグ警報が出ていたりしたので、外で一切遊ぶなと言われていました。そんな様子が今のコロナ禍と重なるところがあると僕は感じています。

ほかにも、高度経済成長期と言いながら自分たちが豊かになっている意識が庶民になかったように、今もみんなが苦しんでいるのにどうして株価が上がっているのか疑問に思っている人もいますよね。そういう意味では、時代が重なっている部分はあると思います。

――では、今の視聴者にはどんなところを見てほしいですか?

中井:日本人は自己主張が強い国民性ではないので、お金持ちの人たちがどんな生活をしているかというのが見えないところが結構ありますよね。そんななかで、この作品では当時のお金持ちや財閥の名残を垣間見ることができるので、面白いと思います。今は多くの人が昭和の時代がよかったと回顧するような時代にもなっているので、ぜひエンターテインメントとしても楽しんでいただきたいです。

内田:この作品では、一族の栄光と雪崩のように崩れていく親子や男女の絆が描かれています。人が生きていくうえで、きれいごとだけでは済まないんだということを改めて感じました。人間のなかにある欲や嫉妬といった醜い部分をまざまざと描いている作品だからこそ、これほどまでに引きつけられるんだなと。実際に演じながら、常に鳥肌が立っているような感覚がありました。私が演じた相子も、一生懸命に生き抜こうとした女性としてその生きざまを見ていただきたいですし、過去の作品と見比べたりしながら楽しんでいただけたらと思います。

『連続ドラマW 華麗なる一族』

監督:西浦正記、池澤辰也
出演:中井貴一、向井理、藤ヶ谷太輔、麻生祐未、内田有紀ほか
原作:山崎豊子『華麗なる一族』(新潮文庫刊)
4 月 18 日(日)スタート(全 12 話)
毎週日曜午後10時 放送・配信[第 1 話無料放送]
[WOWOWプライム][WOWOW 4K][WOWOWオンデマンド]

【ストーリー】
高度経済成長期の日本で、万俵コンツェルンの総帥でもある阪神銀行のオーナー頭取・万俵大介は、生き残りを目指して大手銀行を吸収合併しようと画策する。一方、万俵家には、大介の妻・寧子と万俵コンツェルンを支える阪神特殊製鋼の専務取締役の長男・鉄平をはじめ、次男・銀平、次女・二子、三女・三子、そして長く同居する大介の愛人・高須相子の存在があった。しかし、鉄平をはじめとする家族は、万俵家の縁談をつかさどる相子を疎ましく思っていた。そんななか、鉄平が悲願であった高炉建設の融資をめぐって大介と対立。2人は確執を深めていくことに……。

(取材・文 志村昌美、ヘアメイク 藤井俊=中井貴一、ヘアメイク 高橋里帆/スタイリスト 岸本佳子=内田有紀)

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