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この数年、日本企業にSDGs(持続可能な開発目標)がブームのように広がり、17色の丸バッジを付ける経営者も増えている。だが、自社の経営の中核にサステナビリティ経営を位置づけている企業はまだ数少ない。最新刊『SXの時代 究極の生き残り戦略としてのサステナビリティ経営』(日経BP)の著者でPwCジャパングループの坂野俊哉氏と磯貝友紀氏は、欧米に比べて立ち遅れている日本企業の状況に、「対応が遅れると市場からはじき出されるリスクが高まる」と警鐘を鳴らす。そもそもなぜ企業がサステナビリティ経営を実践する必要があるのか、『SXの時代』をもとに見ていこう。

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外部不経済への責任、しっかり企業がとる

2015年に国連サミットでSDGsが採択されて以来、企業のサステナビリティへの関心が世界的にどんどん高まっている。日本でも昨年10月、菅義偉首相が温暖化ガス排出量を2050年までに実質ゼロとする目標を打ち出し、大企業を中心にサステナビリティへの関心が高まりつつある。

そもそも企業はなぜ、環境や社会に配慮したサステナビリティ経営を実践しなくてはならないのだろうか。

 企業の経済的活動は、何らかの形で地球や環境、社会に負荷をかける。製品をつくるために、原材料を自然資源から調達し、生産工程ではCO2やメタンガスなどの温室効果ガスを出し、エネルギーや水などを大量消費し、大量生産によって大量の廃棄物を生み出す。このように環境や社会に負担をかけて、企業は利益を手にしてきた。経済活動によって外部にかけた負荷は「外部不経済」と呼ばれる。これまで「外部不経済」は、企業が対処しなくても、自然の自浄作用や政府などによって処理されるものと考えられてきた。
 しかし、これからの企業経営では、この「外部不経済」の責任をしっかり取っていく必要がある。企業が事業のために地球にかけた負担は、企業の責任で元に戻す。外部に与えた不経済を差し引きゼロにする経営について考え、実践していくことが、これからの企業経営の必須条件となることは確実だ。
(序章「あなたの会社のサステナビリティ経営は本物か?」4ページ)

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