私大新入生の仕送り平均月8万円台 上手なやりくりは

写真はイメージ=PIXTA
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この春から大学へ入学されるお子さんには、自宅を離れ、一人暮らしを始める人も多いでしょう。学生の一人暮らしは、簡単なことではありません。子どもの生活費を自分たちの収入からねん出する親、限られたお金の中で生活する子ども。親子ともにやりくりや工夫が必要なのです。

では、親の仕送りとは一般的にいくらくらいしているものなのでしょうか。また、子どもはその仕送りだけで暮らすことができているのでしょうか。金額や実情をみていきましょう。

大学生の生活費はいくらかかる?

実際に自宅外で暮らす大学生に必要な生活費は、いくらなのでしょうか。たくさん送りたいけれど、送りすぎると親の現在の生活や老後がままならなくなってしまいます。

2019年度の東京地区私立大学教職員組合連合(東京私大教連)の「私立大学新入生の家計負担調査」によると、自宅外通学者への仕送り額の月平均は8万5300円です。日本の大学は8割ほどが私立大学ですから、多くのご家庭がしている仕送り額の目安と捉えてよいでしょう。

かかる家賃の平均が6万3400円ですから、残る2万1900円で生活費や学用品、サークル活動費などをまかなうのは難しいでしょう。不足する分はアルバイト収入や奨学金などでカバーしていると考えられます。

この仕送り額、この20年ほど減少傾向が続いていて、ピーク時に比べると3割ほど減っていますが、それでも毎月8万円以上を仕送りし続けるのは家計にとって大きな負担です。進学前から準備をし、覚悟をしてきたはずでも、やはり実際に仕送りが始まると大変なのです。これを捻出し続けるには、どのように家計をやりくりしていけばよいのでしょうか。

仕送りを捻出するやりくり

家庭から子どもが1人いなくなるのだから、仕送りしても何とかなるのではないかと思われる方もいます。ですが、継続して仕送りをする負担は大きいものですし、簡単な話ではありません。

家族の人数が減っても、極端に支出が減らないのが「家計」の不思議なところ。単に量が減るだけでは支出は減りにくいため、支出の仕方に変化を起こさなければならないのです。

まずすべきなのは「支出全体の把握」です。何にいくら使っているのかを把握し、必要ではない支出を見直していきます。例えば、スマホの利用料金。SNSやインターネットしか使わないのに月に8000円もかかっているのは高い。そう思えば、格安プランへの変更や通信業者の変更などをして基本料金を下げるということができます。

食費を見直していくと、実は食べきれなくて捨てた、腐らせてしまったものが多いことに気が付くかもしれません。その場合は食材が余らない買い物の仕方を工夫していくのです。

このように支出を減らしても、「仕送りが厳しい」というのなら、収入を増やすことを検討してもよいでしょう。パートを始める、または増やす、副業をするなど、検討できることはいろいろあります。

お金をためたり、必要な費用を捻出したりするためには、支出をコントロールして減らすこと、収入を増やすこと、この2つしか方法はありません。将来的な費用を作るには「運用する」ことも考えられますが、直面する費用の問題を解決するには、この2つだけです。

またもう一つ考えてみたいのは、子どもにアルバイトなどをもう少し頑張ってもらうこと。2022年4月から、成人年齢が18歳となります。大学生はもう、成人という時代になるのです。ですから、自分の進路については自分が責任を持つという意識を持ってもらうことも、大切なことだと思うのです。

ちなみに我が家はみんな自宅から大学に通っており、生活費こそ親が負担しましたが、大学費用は半額を目標に自己負担をするというルールです。みんな私立なので負担額が厳しいようですが、親は負担が軽くなりますし、子どもは留年しない、無駄にはしないという意識が生まれ、互いにメリットが多かったと感じています。

仕送りには贈与税がかからない

さて、仕送りは年額で見ると結構な金額になります。もし平均より少し多く10万円を毎月仕送りしていたら、1年間で120万円。結構な大金です。

この大金を子どもに渡しているということで、「贈与税」がかかるのではないかと心配をされる方もいます。仕送りは、贈与税の基礎控除額110万円以内に抑えるように計算して渡すべきなのかという人もあります。ですが、これについては心配いりません。

贈与税とは、個人から財産などをもらったときにかかる税です。生計を共にする家族の生活費、教育費の援助については必要な支出とみなされ、贈与税の対象外です。

仕送りはできれば足りるだけしてあげたいと思うのが親心ですが、無理をして貯蓄を予定外に崩したり、親の生活が乱れるようなことがあってはいけません。子どものためにお金を使いすぎると、やがて親の老後資金に影響が出るということも頭に置き、仕送りの額を決め、送ってあげるのがよいと思います。

横山光昭(よこやま・みつあき)
家計再生コンサルタント、株式会社マイエフピー代表。お金の使い方そのものを改善する独自の家計再生プログラムで、家計の確実な再生をめざし、これまでの相談件数は2万3000件を突破。著書に『はじめての人のための3000円投資生活』『年収200万円からの貯金生活宣言』など。オンラインサロン「横山光昭のFPコンサル研究所」を主宰。