東大から留学、「ソ連」崩壊で就職難 作家・竹内薫氏サイエンス作家・竹内薫氏(下)

サイエンス作家 竹内薫氏
サイエンス作家 竹内薫氏

サイエンス作家の竹内薫さん(60)は、「YESインターナショナルスクール」の校長として、未来の人材の育成に力を入れている。筑波大学付属高校(入学時は東京教育大学付属高校、東京・文京)から東京大学教養学部と同理学部を卒業した。物理学者の道を断念し、文系にも理系にも明るいサイエンスライターとしてテレビなどのメディアから引っ張りだこの存在となる。

フジテレビで2006年にスタートしたビートたけしさんの冠番組に数学解説者としてレギュラー出演した。

たけしさんや現役東大生らが高等数学を解く際の面白くて美しい解法を競うという趣向です。

「数学は面白いね」。たけしさんは本物の数学オタクで、私の新刊本なども買い込み、収録前に喫茶店で数学の問題のチェックまでやっていました。番組の中で天才的な解法を導き出すこともあり、度々驚かされました。この深夜帯の番組は7年ほど続きましたが、関係者によると、たけしさんが「収録皆勤」だった番組は非常に珍しかったそうです。

おかげで06年に発売した「99.9%は仮説 思い込みで判断しないための考え方」(光文社)は40万部を超すベストセラーになりました。たけしさんの番組出演を機に、NHKなど様々な番組に出演させてもらいました。しかし、本当は人前に出るのは苦手で、番組出演はかなりのプレッシャーでした。私はいわゆるオタク。自分が興味のあるテーマを徹底的に探求することが好きなのです。

東大教養学部教養学科の自由な雰囲気が学びたい気持ちに火を着けた。

前回お話ししたように、筑波大付属高から東大文科1類に入りましたが、法学部ではなく、教養学部教養学科に進みました。当時は東大法学部を卒業し、官僚や弁護士になるのがエリートコースの王道と言われていたので異例の選択でした。しかし、教養学科で村上陽一郎先生(東大名誉教授)らから科学史や科学哲学を学び、自分の好きなことをやれる喜びを味わいました。この学科の雰囲気は筑波大付属に似ていました。

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