「中学生のときのことです。国語の先生が漢字の書き取りの課題を出しました。1日につき半ページ、漢字を書くというものです。やりたくありませんよね。そこで私は中学1年生で習う漢字を数えてみました。全部で300個ほどありました。1日に1個の漢字を覚えれば、1年以内に全部を覚えられると考えました。そこで1日に1個ずつ集中して覚えるようにしたのです」

「1日に1個の漢字を覚えるのであれば半ページの書き取りは不要です。漢字によっては3回も書けば覚えられます。このように考え、3文字しか書いていないノートを提出したところ、先生は激怒しました。先生は私のことを反抗的だと捉えたのでしょう。教室の生徒に対し、悪い例として私のノートを見せ、『決してまねしないように』と言いました」

業務終了後や休日には子どもと一緒にテレビゲームやボードゲームをして遊ぶ。テレビゲームでは格闘ゲーム「ストリートファイター2」やすごろく型ゲーム「桃太郎電鉄」で対戦する

「その後、私は先生のところに行き、自分の考えを説明しました。すると先生も納得し、私のやり方でよいことになりました。先生の言うことに必ず従わなければならないというわけではないのです。これは上司と部下の関係も同じです。だから、当社の社員には理不尽と思いながら言われるままに仕事をしてほしくないのです」

――今後はどんな組織にしていきたいですか。

「21世紀型のチームワークを実現していきたいです。日本企業は今、従来の年功序列の組織が通用しなくなってきて、米国や中国などにやられている状況でしょう。当社は新しい組織を実現することによって肩を並べていきたいと考えています」

「例えば当社製品は米マイクロソフトや米セールスフォースと競合しています。リソース的には到底かなわない相手ですが、ビジネスで互角に渡り合えることができれば、他社もチームワークの重要性に気付き始めると考えています。まずは当社が体現していきたいです」

(聞き手は矢口竜太郎)

青野慶久
1971年愛媛県生まれ。大阪大卒業後、松下電工(現パナソニック)入社。97年サイボウズを設立。2005年に社長に就任。働き方改革により、社内の離職率を7分の1に低減させた。

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