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サイボウズ社長 青野慶久氏

サイボウズ社長 青野慶久氏

サイボウズ社長の青野慶久氏は社長就任後に相次いで実施したM&A(合併・買収)で失敗。人生最大のピンチを迎え、一度は死にたいとさえ考えた。命懸けで会社再建に取り組んだ。自社のミッションを「チームワークあふれる社会を創る」と定め、自分たちでレベルの高いチームワークを実践することを決意した。たどり着いたのは「100人いたら100通りの働き方がある」という考え方だ。理想のチームづくりに向けてリーダーシップを発揮した。

――リーダーとしてチームを率いる際に大事にしていることは何ですか。

「メンバー一人ひとりに自立的マインドを植え付けることが最も重要だと考えます。メンバーが自分のやりたいことを見つけ、自立して動くのが最もパフォーマンスを発揮できるチームだと考えています。当社は社員が最大のパフォーマンスを発揮してもらうために様々な人事施策を取り入れています。100人いれば100通りの働き方があると考え、社員の多様性を尊重しています」

100人いれば100通りの働き方

「多様性を尊重する一つの仕組みが『働き方宣言制度』です。自分自身でどんな働き方をするのかを決めてもらいます。『朝にランニングをしたいので出社は午前10時』『プロ野球を観戦する日は午後5時に退社する』など様々です。副業も許可しているので、『週3日勤務にして他の日は副業』という社員もいます」

――多様性を重視するのはなぜですか。

「競争のルールが量から質へと変わってきているからです。社員に長時間労働を強いれば収益を上げられる時代は終わりました。現在は顧客ニーズに応える事業アイデアを出せるかどうかの質の勝負になってきています。斬新なアイデアは多様性のあるチームから生まれます」

異動希望は社員が宣言、上司に権限なし

「多様性を生かしてアイデアを出す場合、何もしなければ方向性がバラバラになってしまいます。アイデアの方向性を一致させるのが会社のビジョンです。当社ではこれを『フラスコ理論』と呼んでいます。多様な人材から生まれるアイデアをフラスコに入れて振ってみる様子を想像してください。フラスコの口は一つの方向を向いています。口が向いている先がビジョンです。フラスコの内部では活発な議論が交わされますが、取り出すときにはビジョンに沿ったものになっているというわけです」

――社員の自立を促す施策は他にどんなものがありますか。

「例えば、給与は交渉で決めます。将来はどんな仕事がしたいか、どの部署に異動したいかなども社員に宣言してもらいます。当社では上司に異動の権限はありません」

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