小学校6年生、4年生、1年生の3児の父で、家事や育児を妻と分担している。「仕事も家庭もハードワーク」と語る。朝は6時15分に起床し、子どもたちを起こして着替えさせるところから1日が始まる。徒歩で片道20分の小学校まで子どもを連れて登校。校門で別れると自宅に戻って在宅勤務に。日中は仕事に集中し、午後6時半でスパッと家事・育児モードに切り替える

「『ビジョナリー・カンパニー2』(ジム・コリンズ著、山岡洋一訳)という書籍の中に、最高レベルのリーダーは謙虚さと強い意志を兼ね備えている、といった記述があります。私は謙虚さの方はもとからある方だと思うのですが、強い意志については決定的に足りていませんでした。毎日、真剣スイッチを入れることで意識的に強い意志を継続させるようにしたのです」

――ピンチはどう乗り切ったのでしょう。

「役員を集め、会社のミッションを定めました。世界で一番使われるグループウエアメーカーになることを目指し、『チームワークあふれる社会を創る』というミッションを定めました。ミッションを決めてからは吹っ切れました。買収した9社のうち、当社が掲げる理想に結びつかない8社を売却しました。命が懸かっているので私の態度が変わり、それが周囲にも伝わるようになりました。会社が好転し始めたのはそれからです」(聞き手は矢口竜太郎)

青野慶久
1971年愛媛県生まれ。大阪大卒業後、松下電工(現パナソニック)入社。97年サイボウズを設立。2005年に社長に就任。働き方改革により、社内の離職率を7分の1に低減させた。

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