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サイボウズ社長 青野慶久氏

サイボウズ社長 青野慶久氏

社内公募で取締役を選出、勤務時間や異動先は社員が宣言して決める、最大6年間の「育自分休暇」が取得可能――。一風変わった社内制度を取り入れているのが社内の情報共有ツール「グループウエア」などを手掛けるサイボウズだ。社長を務める青野慶久氏は「チームワーク経営」を掲げ、働きやすさと生産性を両立させた新しい会社の姿を探る。自らも3児の父として社長でありながら3度の育児休暇を取得したほどだ。独自のリーダー観に迫った。

――リーダーの条件とは何だと思いますか。

「自分が掲げた理想に向けて真剣であることだと思います。こんな社会にしたいと理想を掲げる企業は多いですが、言うからには本当にやるべきです。私は口先だけで理想を語る経営者にはなりたくありません。どんなことがあっても自分の理想とする社会に変えていきます」

「企業はもちろん、何かチームができるときは必ず最初にやりたいことがあったはずです。チームの中でその理想の実現を一番思っている人がリーダーになるべきだと思います。もし、その思いがぶれてきたならば、リーダーは立ち去るときでしょう」

「真剣スイッチ」がオンになるまで仕事始めず

「私は毎日、仕事を始める前に自分の掲げた理想の実現に真剣に取り組んでいるかを自問自答しています。当社のビジョンである『チームワークあふれる社会を創る』ことに命を懸けることができるのかと、自分で書いた『真剣』という書を前にして問うのです。正直に言って、なかなか『イエス』と答えられない日もあります。そのようなときは自分の『真剣スイッチ』がオンになるまで仕事を始めません」

「真剣」の書を前に仕事への覚悟を決める

「真剣」の書を前に仕事への覚悟を決める

「覚悟を決めたつもりでも気を抜くと、一瞬でその気持ちは冷めてしまいます。毎日、スイッチを入れ直さないといけないと考えています。一方で、仕事のスキルは一度身につければなかなか衰えることはありません。そのため、覚悟のレベルが落ちてきても表向きは過去に身につけたスキルによって仕事をこなせてしまいます。そんな状態に自分がなってしまうことが怖いのです」

――なぜ、真剣スイッチを毎日入れるようになったのでしょうか。

「人生最大のピンチがきっかけです。社長に就任した2005年以降、相次いでM&A(合併・買収)に乗り出しました。1年半で9社を買収したのです。当社の主力製品『グループウエア』とは直接関係のない事業を手掛ける企業も買収しました。当時はネットベンチャーが他社を買収し、規模を拡大するのが当たり前のような風潮があり、私もそれを追い求めていました」

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