「サッポロ一番」最初はしょうゆ味 苦心のネーミングサンヨー食品「サッポロ一番」(上)

サッポロ一番シリーズを担当する、サンヨー食品マーケティング部第2課の川井理江・課長代理
サッポロ一番シリーズを担当する、サンヨー食品マーケティング部第2課の川井理江・課長代理

即席袋めんの「横綱」として多くの人に愛されている「サッポロ一番」。製造元のサンヨー食品は群馬県前橋市が発祥。酒類販売から製めん業に転じ、1966年に「サッポロ一番しょうゆ味」、68年に「同 みそラーメン」、71年に「同 塩らーめん」を発売して「全国区」に躍り出た。今では国内シェアのトップクラスに立つメガヒット商品となった。

コロナ禍に伴い、自宅で食事を楽しむ「巣ごもり需要」が拡大したのを受けて、サッポロ一番シリーズも売れ行きが伸びている。サンヨー食品でサッポロ一番シリーズを担当するマーケティング本部マーケティング部第2課の川井理江・課長代理は「販売数は全体で前年比2ケタ増となっています。好きで以前はよく食べたけれども、しばらく即席めんを購入していなかったお客様が戻ってくる現象も起きています」という。

カップめんに比べ、袋めんはかさばらないので、買いやすい利点がある。野菜などの具材の追加も簡単な袋めんは、買いだめ需要もあって、コロナ禍で販売数の伸びがカップめんより大きいという。

サンヨー食品がインスタントラーメン事業に参入したのは、ほぼ半世紀前の63年。世界初の即席めんといわれる「チキンラーメン」を58年に発売した日清食品に遅れること5年で、参入企業としては後発の部類だった。しかし、現在では即席袋めんでトップクラスの位置を占めている。

サンヨー食品の即席袋めん市場に占める国内出荷額シェア(日刊経済通信社調べ)は3割前後で、日清食品などとトップを競う。2010年代半ばには一時、「生めん」タイプの流行で、「マルちゃん」ブランドの東洋水産などに抜かれたが、その後、トップクラスに復帰したという。

看板ブランドであるサッポロ一番シリーズのうち、最も販売数が多いのは「みそラーメン」で、次が「塩らーめん」。シリーズの「長男」として初めて66年に売り出されたのは「しょうゆ味」だったが、意外にも2019年までは関西以東だけで販売してきたという。「逆に中四国と九州は『サッポロ一番ごま味しょうゆラーメン』のみでした。19年末になって、それぞれを全国で売ることになりましたが、それまではすみ分けていたんです」と、マーケティング本部の福井尚基・広報宣伝部長は話す。

ただ、「しょうゆ味」と「ごま味」を合わせてもサッポロ一番シリーズの中では1割程度といい、ほとんどが「みそ」「塩」だ。特に、「サッポロ一番みそラーメンは、全国に札幌ならではだった味噌ラーメンを全国に広めて定着させた商品。全国各地でシェアが高いのが特徴です」と川井氏も説明する。

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酒屋から乾めん製造を経て「即席めん」に
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