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リモートの面接では派手めのアクションが効果的という(写真はイメージ) =PIXTA

リモートの面接では派手めのアクションが効果的という(写真はイメージ) =PIXTA

コロナ禍以降、転職面接がオンラインに切り替わり、最終面接までリモートというケースも増えてきた。転職のカギを握るリモート面接でパフォーマンスを上げるコツについて、2回にわたり、コミュニケーションの専門家が解説する。初回は企業幹部にスピーチを指導している、「世界最高の話し方」(東洋経済新報社)の著者、岡本純子さんに話を聞いた。

◇  ◇  ◇

――リアル(対面)、リモートに関わらず、そもそも転職面接での話し方で重要な点は何ですか。

「相手が欲しいもの(スペック)と満たしたいもの(ニーズ)を見極めることが大切です。スペックはこれまでの経験や資格など求人票に記載している項目でいわば最低ラインですが、それ以上の何を求めているか、ニーズについて想像力を膨らませることが必要です。ニーズは例えば『IT部門を強化したい』や『○○事業に参入したい』といったことです。ニーズをふまえた上で、この人が来たら会社はこのように変わっていける、○○部門がこのように成長できるなど、自分が入社した場合のメリットを、聞き手の頭にイメージしてもらえるようにしたいところです」

「自分のメリットではなく、相手(採用側)のメリットを可視化するという点がポイントです。採用側に自分が入社した際のイメージを持ってもらうには、4S(Strength:強み、Success:成功体験、Situation:何かを乗り越えた経験、Story:自分を主人公にした経験談)を効果的に活用するとよいでしょう。Storyでは『△△を改革したことによって、売り上げを3倍に伸ばした』など、具体的なbefore/after(ビフォーアフター)事例があることが大事です」

「面接はファクトやロジックを伝えて終わりではなく、感情レベルでの結びつきができるかが重要となります。『面白い人だな』と感情を刺激して心を揺さぶることができれば、一気に距離感が縮まるでしょう。(面接を受けている)会社についてポジティブに語った上で、いかに自分がその会社に関心があるかを表現していくと、採用側も悪い気持ちにはならないはず。面接の際、能力をアピールすることに終始する人が多いですが、感情レベルでつながること、つまり『この人と一緒に働きたい』と思わせることも同様に重要です」

――リモート面接でよく犯しがちなミスは?

「悪い例は、主に(1)肩書き・職務型(2)羅列型(3)ポエム型の三つに分けられます。(1)は会社の名前、部署名、肩書きをとうとうと語る人のことです。日本では肩書きがアイデンティティーになってしまっている人が多いですが、残念ながら肩書きは社外の人にはほとんど意味を持ちません」

「(2)は『~して、~して』など、ダラダラと思いつくままに言葉を続ける人。(3)は『地球温暖化に貢献したい』『人を笑顔にしたい』など、抽象的な目標や夢を語る人。こういった目標自体は悪くないですが、目標が大きすぎるためか、具体的なイメージがわかず、採用担当者には響かないでしょう」

「このほかの失敗としては、コミュニケーションはそもそも、伝える→伝わる→つながるの3つのステップであるはずなのに、自分の強みをとうとうと話すなど、言いたいことを一方的に話して終わっている人、つまり『伝える』で終わってしまっている人が非常に多いと感じています」

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