成績はガタガタ、ITには覚醒 S高校長の広大付属時代吉村総一郎・S高等学校校長(上)

吉村総一郎・S高等学校校長
吉村総一郎・S高等学校校長

インターネットを活用した通信制の「N高等学校(N高)」を運営する角川ドワンゴ学園が2021年4月1日に茨城県つくば市に新たに「S高等学校(S高)」を開校した。その校長を務めるのが吉村総一郎氏(38)。広島市の名門校、広島大学付属高校から東京工業大学大学院を経てITエンジニアとなり、教育界に転じた。吉村氏は母校でどんな体験をし、何を学んだのか。

16年4月、角川ドワンゴ学園が開校したN高。その立ち上げにエンジニアを育てる教材開発メンバーとして参画した。

「オンラインで教育なんて無理だろう」。開校前、ネット上ではこんな懐疑的な声が飛び交っていたのが忘れられません。しかし、20年末までに生徒数は1万6千人を突破し、日本最大のネットの高校と呼ばれる存在になりました。新型コロナウイルス感染の拡大もあり、一般の高校も次々オンライン授業を導入、今や日常の当たり前の光景になっています。

もともと私は教育者ではありません。ドワンゴのニコニコ生放送のシステム更新開発責任者だった15年に創業者の川上量生氏から「今度、N高という新しい高校をやるけど、中学を卒業した人なら誰もがソフトウェアのエンジニアになれるぐらいの教材を開発してみないか」と言われ、N高の立ち上げメンバーになりました。日本一の高校生のプログラマーを育てようと教育指導にあたってきましたが、その成果も出始めています。

当時、新人や中途の採用担当にも携わっていました。他の新人採用・教育担当者らとも嘆き合っていたのは、「大学まで行って、なんでこんなにプログラミングができないのだろう」ということ。今は普通の高校生がプログラミング技術を生かしてアプリケーションを作ったり、エンジニアとしてのインターンやアルバイトをしたりしています。プログラミングはそんなに難しい技術ではなく、運転免許を取得するのと変わりません。これからの社会は、プログラミングは必要不可欠なツールになると思います。

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