若月佑美 元アイドルの女優を自分の武器にしないと若月佑美インタビュー(下)

日経エンタテインメント!

『私の家政夫ナギサさん』や『今日から俺は!!劇場版』など、2020年は年間を通してヒット作に携わった若月佑美。乃木坂46卒業から約2年。女優として着実に歩む秘訣は何か。前回の「元乃木坂46の若月佑美 ヒット作に関われたのは貴重」に続き、女優への熱意やこれまで挑戦してきたことなどを語ってもらった。

1994年6月27日生まれ、静岡県出身。11年に「乃木坂46」の1期生。18年にグループを卒業。文中以外の主な出演作品は、連ドラ『頭に来てもアホとは戦うな!』(19年)など。4月18日スタート「結婚できないにはワケがある。」(ABCテレビ)にヒロイン役で出演。二科展デザイン部門に8年連続入選(写真:藤本和史)

指名で仕事をもらえる幸せ

出合った仕事に全力で取り組み、ヒットメーカーの目に留まってチャンスをつかんだ。女優への熱意はいつ生まれたのか。また、グループを離れてソロでやっていくにあたり、どんな覚悟をしたのか。

「お芝居に興味を持ったのは、この業界に入って3年目くらいからです。1人になって強く思うことは、これまではグループでの活動に私を“入れてもらっている”状態でしたが、名指しで『若月佑美に』とお仕事をいただけるのは本当に幸せなことだなって。こうして取材していただくのも、『よく見つけてくださったな』と思いますし。卒業したばかりの頃は、実はグループの名前に甘えてしまっている自分もいたんですよね。

でも、それでは前に進めない。良くも悪くも、自分1人の時間しかないことを自覚して、その分、勉強に時間を割こうと思って。今は女優のお仕事に限らず、いろんな現場を体験させていただいています。

そして1度、自分を『ゼロ』で見てもらおうと決めているんです。『もし私が元乃木坂46でなかったとしたら、どんなことに挑戦させてくれますか』ということを、いろんな方に聞いてみたいというか。グループにいたときは、自分の限界を決めてしまっているところもあったんです。『これはあの子が得意だから、私は前面に出すのはやめておこう』みたいな感じ。その思考は良くないなって。今は1人なんだから、何に向いているか、どんな道に行けそうか、『私はそう思わない』と言わずに試していくのもありかなと思っています。

ドラマや映画だけでなく、今はナレーションのお仕事や、『週刊SPA!』でフォトエッセーの連載(19年8月~)、昨年の4月からは『Oggi』の美容専属モデルと、『アッパレやってまーす!』(MBSラジオ)でラジオをやらせていただいています。もしかしたらこのなかに、もっと伸ばせるところや、自分が役に立てること、今まで知らなかったこともあるかもしれない。『ゼロから』というのはキーワードにしています」

様々なことに挑戦しながら、女優業を軌道に乗せた。アイドルは素の部分も見せる親近感のある存在だが、女優は役柄で表現する仕事。女優としての在り方についてはどのような考えが?

「元アイドルの女優だということを、ちゃんと自分が武器にしないとな、とは考えています。『共演NG』では、鈴木京香さんに『私、オープニングでダンス踊るんだけど、どうやって覚えたらいいの?』って聞いていただいて。『私の場合、自分で勝手に振り付けにポイントを作って、言葉にして覚えてます』とか、そういう話も私だからできたこと。単発ドラマ『父と息子の地下アイドル』(20年)では踊るシーンがあって、共演の芋生悠ちゃんと加藤小夏ちゃんに、『ウインクするならここがベストだよ』とか、胸を張ってアイドルっぽさを教えてあげられました(笑)。

女優1本でやっていらっしゃる方と比べたら、やっぱり経験値は足りない。だから、いい意味で間を行く存在になれたらいいなと思っています。アイドル時代にはファンの方とコミュニケーションを取っていたので、そこは続けたいんですよね。私はこの世界に入ったときから、人間・若月佑美としての目標と、芸能界にいる若月佑美の目標をそれぞれ掲げているんです。人間・若月佑美としては、『誰かの人生にいい影響を与える人になる』。教師だったら生徒、お母さんだったら子どもにいい影響を与えられるように、職業に関係なく、勇気をあげたり励ましたり、そういうことはずっとしていきたい」

次のページ
何ができるか毎日自己分析
エンタメ!連載記事一覧