powered by 大人のレストランガイド

「銀座 に志かわ」銀座店では毎日1000本完売、和食にも日本酒にも合う食パン

このパンがまた不思議で、買った当日の焼きたてがおいしいのは当然だが、なぜか2日目が甘みが増して味わいが上がるのだ。そしてパンなのにキンピラゴボウやめんたいこ、漬けもの、などの和総菜や日本酒とも非常に合う。

理由を聞くと、「やはり『水』に秘密があると思います。一般的にパンの仕込みには酸性の水が適していますが、弊社では正反対の強アルカリイオン水を使っているのがこだわりです。社内で独自のアルカリイオン製水器を使って生成した水です。研究と開発に3年かかりました。この水が小麦粉や生クリームなどパンの材料や、ほかの食材のうま味を引き出したり、パン自体のおいしさも持続させたりすると考えています」(工房部長の竹村喜和さん)

銀座店では毎日1000本を売る。取材中も、ビジネスマンからシニア、ベビーカーを引いた若い母親まであらゆる層の客が絶え間なく買っていく様子に仰天した。

2020年阿佐ヶ谷駅高架下にオープンした「銘水食パン専門店 いちふく」

最後は昨年オープンしたJR阿佐ヶ谷駅の高架下商業施設、アルーク阿佐ヶ谷に入る「銘水食パン専門店 いちふく」。40年以上の歴史がある老舗ベーカリーチェーン「麻布十番モンタボー」が運営する食パン専門店だ。モンタボーでは金曜日限定で販売する、屋久島の縄文水を使った高級食パン「吟 屋久島(ぎんやくしま)」というヒット商品がある。これを元に開発した「いちふく」(972円)と山型食パンの「匠(たくみ)」(918円)、レーズンパンの「富士の雫」(650円)の3商品を販売。店内で毎朝焼いている。

「銘水食パン専門店」という名の通り水(天然水)にこだわり、上記の商品にも屋久島の縄文水と、ヨーグルト由来の発酵種を使っている(「富士の雫」のみ富士山の天然水を使用)。縄文水は硬度10の超軟水で、まろやかな口当たりが特徴。食パンもふっくら軟らかく、いくらでも食べられそう。地元で評判の小さなパン屋さんが、こん身の最高級食パンを作ったらこんな味というイメージだろうか。

「銘水食パン専門店 いちふく」のパンはふわりと軟らかく、優しい味がいくらでも食べられる

以上、水にこだわった人気高級食パン専門店4店を紹介した。食べ比べも楽しかったが、こんがり焼けたいい香りの「食パン」の、素朴ながら深い魅力に改めて気づかされた。上質な食パンがあると思うだけで、毎朝ワクワクするのだ。

最後に、筆者が大好きな最高の味わい方をお伝えしたい。バターは塗るのではなく、「バターの薄切りをのせて」食べることだ。もちっとした熱々のトーストに冷たいバターが口の中で溶け出し、やめられないうまさだ。食べ過ぎに注意を。

(フードライター 浅野陽子)


メールマガジン登録
大人のレストランガイド