「すべての人に役割がある社会をつくりたい」 リクルートホールディングス執行役員・柏村美生さん

かしわむら・みお 1998年リクルート入社。29歳の時に『ゼクシィ』の中国進出を提案し現場責任者として、中国版ゼクシィ『皆喜』を創刊。帰国後、ホットペッパービューティ事業長、リクルートライフスタイルの執行役員を経て、2019年4月にリクルートマーケティングパートナーズ社長。2020年4月より現職。
かしわむら・みお 1998年リクルート入社。29歳の時に『ゼクシィ』の中国進出を提案し現場責任者として、中国版ゼクシィ『皆喜』を創刊。帰国後、ホットペッパービューティ事業長、リクルートライフスタイルの執行役員を経て、2019年4月にリクルートマーケティングパートナーズ社長。2020年4月より現職。

日本経済新聞社(東京・千代田)と女性向け動画配信のC Channel(Cチャンネル、東京・港)が立ち上げた働く女性を応援するメディア「newme」。金融や政治、教育など各分野のプロフェッショナルをゲストに招き、従来の概念にとらわれない生き方を選ぶために必要な情報を提供していきます。今回はリクルートホールディングス執行役員の柏村美生さんに、今のキャリアを選んだ理由や仕事の軸について聞きました。

負を解決して社会に仕組みをつくる

――これまでのキャリアについて教えてください。

「大学時代に社会福祉学科で精神障害について勉強をしていました。様々な物理的な障害で、社会参加が難しい方に出会うことが多く、『負を解決して社会に仕組みをつくる会社に入りたい』と考えて、リクルートに入社しました」

「リクルートでは新規事業と既存事業を経験してきました。例えば結婚情報誌『ゼクシィ』や美容情報誌『ホットペッパービューティー』では、ネット予約の仕組みをつくりました。最初は美容院をネットで予約すること自体が、世の中になかったので、ネットで予約する文化をまず社会にしかけることもやっていました」

転機は学生時代のボランティア

――大学で学んでいた社会福祉ではなく、ビジネスの世界を選んだ理由を教えて下さい。

「大学を卒業して福祉の世界に入ろうと考えており、もともとは企業で働く選択肢はあまり考えていませんでした。大学時代に筋ジストロフィーの方の観光のサポートをするボランティアをした際に、300円ぐらいの拝観料を払うのにちゅうちょして、(寺に入らず)お寺の周りを回ることがありました。その時に福祉は補助金で成り立っているので、『自分が思った違和感が当たり前に改善されていかない』と思いました。その旅行がきっかけで、お金もうけをしてきちんと仕組みをつくっていかないと社会はよくならないと感じ、そういうことをしそうな会社を探して、就職活動をしてリクルートに落ち着きました」

仕事を通じ、すべての人に役割のある社会をつくる

――リクルートに入社後はどのような仕事を経験したのですか。

「30前ぐらいから障害者の社会参加というテーマから『すべての人に役割のある社会をつくりたい』ということが、自分の働く意味合いにすごくすとんと腹落ちしました。障害者にかかわらず、男女問わずに様々な人たちが、いろんな働き方ができることが社会の中で当たり前になると良いと思っています。ホットペッパービューティの事業長をやっている時もそれがベースになって仕事をしていました。(例えば)ホットペッパービューティの事業の中で訪問美容をやっています。障害者の方だけではなく寝たきりの高齢者の方も孫に会うときにきれいにしたいという思いは一生あります。その方たちに訪問美容というサービスがあることを知り、NPOと提携して、まず訪問美容ができる美容師を増やそうという活動を始めました」

――他人事を自分事のように捉えるというのは、大変なことだと思います。

「これはきっと私が仕事をする前から取り組んでいた方がいてそれを私たちも頑張ってそれを引き継いでいく流れがあるんだと思っています。例えば女性活躍推進という波も最近、ありましたけど、やはりダイバーシティ・インクルージョンが社会にイノベーションを生むということが本当にこの数年で動きだしている。すごい追い風のタイミングだと思っていて、いままで先人たちが仕込んでくれたものと自分たちが仕込んでいるものがぐっと動き出すタイミングだと思っています」

――リクルートで働き続けている理由を教えて下さい。

「2つあります。1つはすべての人に役割のある社会をつくる、この自分の核となるものと常にシンクロしています。他の事業に携わっていても、そのこととシンクロして、微力ながら社会の役に立ち続けられてきたことが大きいです。事業を通じて社会に貢献し続けるということが、なかなか大変なことも多いですが、自分としては実感できていることが1つです。もう一つはリクルートは個のマインドを尊重することをすごい大事にしていて、どこを担当してもメンバー1人1人に大事なものがあって、その大事なものをみんなが応援する文化があります。それは奇跡的に良いと思っています。人を応援することがどこでも根付いていてそれが心地よい。自分も心地よいし社会の役に立っていると感じられる、その二つかもしれないですね」

(この企画は日経とC Channelが共同で展開しています)