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60型の大画面 エプソンのスマートグラスでテレビ会議

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セイコーエプソンの「MOVERIO(モベリオ)」は、両眼で映像を視聴するシースルースタイルのスマートグラスだ。2011年に最初のモデルが登場してから10年を迎えて、第4世代の新製品「BT-40S」が21年4月8日に発売される。背景に現実世界の景色を見ながら、約2.5メートル離れた先に60型相当の明るく高精細な大画面を映し出せる。国産スマートグラスの実力をエンターテインメントとビジネス、両方の活用シーンを想定しながら検証してみた。

モベリオは「顔に装着するプロジェクター」

最初にモベリオがどのように映像を表示しているのか仕組みから紹介しよう。最新機種のBT-40Sは、本体左右側面に0.453型のコンパクトな有機ELパネルを備えた光学システムを内蔵している。このパネルが表示する映像を、左右の瞳の前に配置した半透明のハーフミラーを幕面に見立てて、極小サイズのプロジェクターを使って投写しているのだ。スクリーン部分が半透明なので、ユーザーは映像の向こう側に広がる現実世界の景色を視界に入れつつ、動画や写真の鑑賞が楽しめる。

モベリオによる映像体験はいわゆるAR(拡張現実)やMR(複合現実)にカテゴリー分けできる。エプソンは長年にわたってホームシアター、オフィス向けの前方投写型プロジェクターを開発・販売してきたメーカーだ。モベリオに搭載する光学エンジンも独自に開発し、医療機器メーカーなどのパートナーに外販もしている。

専用コントローラーにAndroidを搭載

モベリオBT-40SはAndroid OSを搭載する専用コントローラーがヘッドセットとのパッケージとして販売される。ヘッドセットの側に固定されているケーブルで両方の機器を接続して映像信号の伝送、ヘッドセット側への給電を行う。Android搭載コントローラーはGoogle Playストアが使える。ユーザーが動画配信サービスにゲーム、ビデオカンファレンスなど任意の用途に合わせてアプリを自由に追加できる。

ヘッドセットを単品で販売する「BT-40」というモデルも21年3月に発売された。こちらはAndroid OSを搭載するスマートフォンなどのデバイスに接続して使うことを想定している。ただし、組み合わせられるAndroid端末は限られている。エプソンでは19年以降に日本国内で発売され、「DisplayPort Alternate Mode」による接続に対応するUSB Type-Cを搭載するスマホに限って、BT-40との動作確認の結果をホームページで公開している。

モベリオでAndroidアプリやイヤホンなどの外部アクセサリー機器を活用し、内蔵カメラによる動画・写真の撮影などを併用するのであれば、やはり専用コントローラーがセットになっているBT-40Sの方が安心できる。ただし、エプソン直販サイトの価格を比べるとBT-40Sは11万5500円(税込み、以下同)、ヘッドセット単体のBT-40が6万4900円だから5万円ほど高価になる。

明るく高精細な映像。シアター鑑賞やオンライン会議にも最適

BT-40SでユーチューブやAmazonプライム・ビデオの動画を視聴した。画面が明るく色鮮やかで映像がとても見やすい。スマートグラスの映像は暗くぼんやりとしていて画質が悪いという印象を持つ人もいるかもしれないが、BT-40Sの映像は被写体の輪郭がとてもシャープに描かれ、力強い立体感が感じられる。映像の明るさを調整する機能もあり、レベルを上げると明るい昼間の室内でもストレスなく視聴ができた。

オンライン会議に使うことも想定しながらビデオ通話サービス「Skype(スカイプ)」によるビデオ通話を試した。視認性の高い映像のクオリティーは文句なし。相手の表情がしっかりとわかる。ディスプレーがシースルースタイルである上に、ディスプレーに視線を覆われる面積もさほど広くないため、モベリオを装着したままパソコンのキーボードを打ち、紙のノートにメモも取れる。自宅やオフィスなど慣れた場所であれば、装着したままでも歩き回れるだろう。

会話の音声は専用コントローラーに内蔵されているスピーカーから聞くこともできるが、イヤホンを接続すればさらに聞き取りやすくなる。なおエプソンではテレビ会議システム「Zoom(ズーム)」、「Microsoft Teams(マイクロソフト・チームズ)」、「Google Meet(グーグル・ミート)」、「Webex(ウェブエックス)」などオンライン会議の定番アプリを試して、BT-40Sで動作することを確認しているという。

モベリオを装着した状態で周囲の様子が見えるので、映像を視聴している最中に家族や職場の同僚に話しかけられても対応できる。デバイスを装着した状態で孤立してしまわないところが、完全遮蔽タイプのVRヘッドセットと使い勝手の面で大きく違う。

スマートグラス普及の起爆剤となるか

ビジネスシーンでモベリオを使う場合、2つの課題があると感じた。1つは専用コントローラーのカメラが背面側に搭載されているため、会議の映像はヘッドセットで見ながら、目線をコントローラーのカメラに向けなければならないことだ。ディスプレーの側にフロントカメラを搭載するパソコンやタブレットによるビデオ通話と、だいぶ異なる使い勝手には少し慣れが要る。

もう1つはヘッドセットに視力矯正機能がないことだ。普段メガネを掛けているユーザーは、外した状態でモベリオのディスプレーをのぞき込むと表示がぼやけてしまう。コンタクトレンズを使うか、あるいはメガネを掛けたまま、上からモベリオのヘッドセットを装着することになる。メガネの上から装着する場合、とても商談に適したいでたちとは言えない。エプソンにはぜひモベリオに着脱できる視力矯正用レンズのようなアイテムを商品化してもらいたい。

新機種がAndroid OSとGoogle Playストアに対応したことで、特に一般のユーザーが動画配信サービスやオンライン会議のアプリなどを気軽に使えるようになった。エプソンはモベリオによる視聴体験に最適化したコンテンツを外部のパートナーが作れるようにソフトウエア開発キット(SDK)も提供している。これまでにいくつかのパートナーが舞台やコンサートの字幕表示、インバウンド向け外国語翻訳、観光案内などのサービスにモベリオを活用した事例がある。国内で5Gネットワークの普及がさらに進めばモベリオが活用できるシーンも増えて、スマートグラスの普及拡大を後押しするだろう。今後の反響が楽しみだ。

山本敦
フリーランスライター。オーディオ・ビジュアル専門誌のWeb編集・記者職を経て独立。AI・IoTに関わるスマートオーディオ、4KにVODまで幅広いカテゴリーに精通する。堪能な英語と仏語を活かし、国内から海外のイベント取材、開発者へのインタビューを数多くこなす。

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