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新書コーナーの平台に3列に積んで展示するが、大きく山が減っている(三省堂書店有楽町店)

新書コーナーの平台に3列に積んで展示するが、大きく山が減っている(三省堂書店有楽町店)

ビジネス街の書店をめぐりながら、その時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。今回は2~3カ月に1度訪れる準定点観測書店の三省堂書店有楽町店だ。1月末以来の再訪で、訪れたのは緊急事態宣言が解除される直前の土曜日。土曜日に来客が集中する傾向は続いてはいるが、街の人出の増え方に比べて本の売り上げの回復は緩やかなようだ。そんな中、その週末に大きな反応があったのは、ラストバンカーとも呼ばれ、2020年9月にこの世を去った西川善文・元三井住友銀行頭取が残した仕事や人生をめぐる言葉をまとめた新書だった。

新聞広告に大きな反応

その本は西川善文『仕事と人生』(講談社現代新書)。13年11月から14年2月にかけて行われたインタビューをもとに現代新書編集部がまとめた本だ。「金曜日の朝刊に新聞広告が出て、その日だけで2ケタを超え、一気に山が低くなった」と、同書店でビジネス書を担当する岡崎史子さんは驚く。

新聞広告は西川氏の写真を中央やや左に置き、その右に《複雑のなかにシンプルを見出す!伝説のバンカー「本物の仕事術」》のメインコピーが躍る。メインコピーを補足する形で、「細部から大局に」「混沌から調和を」「具体から抽象へ」と言葉が添えられ、「仕事ができる人はシンプルに考える」「特別な人脈よりも、有効な人脈をつくる」「『ごますり部下』を排除する妙案」といった本書の主な内容がずらり24項目にわたって並んでいる。広告だけでもその言葉を味読したくなる内容で、このストレートな打ち出しが多くのビジネスパーソンの関心を呼んだようだ。

インタビューをもとにし、没後に編まれただけに構成はいたってシンプル。6つの章があるだけで前書きも後書きもない。第1章「評価される人」で始まり、「成長する人」「部下がついてくる人」「仕事ができる人」「成果を出す人」「危機に強い人」と続く。それぞれ章のテーマに沿って西川氏がインタビューで語った話を3~6の節に再構成し、読者に提示する。

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