低価格ノートパソコンとして「クロームブック(Chromebook)」が注目を集めているが、ウィンドウズ(Windows)ノートの代わりとなり得るのか疑問を抱いている人も多いだろう。その疑問を解消すべく、使い勝手などについて検証した。まずはウィンドウズノートとの違いなど、基本的なことから見ていこう。
クロームブックは見た目も中身のハードウエアも基本的にウィンドウズノートと変わらない。大きく違うのは、搭載されているOS(基本ソフト)がウィンドウズ10(Windows10)ではなく、グーグルが開発した「クロームOS(Chrome OS)」であるという点だ(図1)。
クロームOSはウェブブラウザーの「クローム(Chrome)」をベースに、主にウェブアプリの使用を前提に開発された。ウィンドウズ10と比べ非常に軽く、CPU(中央演算処理装置)、メモリーなどのハードウエアスペックが比較的低くても快適に動作する点が特徴だ。
図2はクロームブックとウィンドウズノートの主な違いをまとめたもの。実際、タブレットなどに使用されるARM系CPUを搭載する製品も多く、メモリーも4ギガが主流だ。データはクラウド保存が基本となるので、ストレージ容量も32ギガや64ギガと小さい製品が多い。そのため快適に動作する製品が3万円くらいから入手可能だ。低価格かつ快適に動作することがクロームブックの最大の魅力といえる。
オンライン使用が基本だがオフラインでも使用できる
クロームブックの使い方は、グーグルが無償で提供している文書作成アプリ「グーグルドキュメント」などをクローム(ブラウザー)で利用し、データはクラウドの「グーグルドライブ」に保存するというのが基本(図3)。そのほか、クローム(ブラウザー)に対応したウェブアプリやプレイストアアプリなども利用できる。
グーグルドキュメントなどの各種グーグルアプリはプリインストールされており、オフラインでも使用可能(図4)。設定が必要となるが、グーグルドライブのデータをオフラインで使用することもできる(図5)。プレイストアから入手できるアプリにも、オフラインで動作するものは多い。
アンドロイドタブレットと比べると、クロームブックがパソコンとして開発されている点が大きく違う。スマホの延長線上にあるアンドロイドタブレットに対して図6のような優位点がある。
(ライター 滝伸次)
[日経PC21 2021年5月号掲載記事を再構成]