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佃煮のりお VTuber、2次元キャラが気づかせた面白さ

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NIKKEI STYLE

日経エンタテインメント!

イラストで描かれたキャラクターがYouTubeで配信を行うバーチャルYouTuber(VTuber)の人気が高まっている。配信でオリジナル楽曲を歌う有料オンラインライブでは約5万枚のチケットが販売され、海外からの注目度も高い。VTuberの魅力は何なのか。実際にVTuberをプロデュースしているマンガ家・佃煮のりおさんに聞いた。

◇  ◇  ◇

これまではキャラクターを描くだけだった「絵師」と呼ばれるイラストレーターやマンガ家が、VTuberを手掛ける動きが進んでいる。佃煮のりおさんによる"男の娘VTuber"犬山たまきもその1人。基本毎日動画投稿を行い、個性あふれるトーク術と企画力を武器にファンを拡大中だ。オフィシャルYouTubeチャンネルの登録者数は54万人を誇り、総再生回数は9570万回を突破する。ネット上では同一人物と噂のある2人だが、YouTubeの配信でその疑惑について言及するなど、その関係性も興味深い。

マンガ家でありアニメ化された『ひめゴト』のようなヒット作もある佃煮さんがVTuberを手掛けようと思ったのは、どういうきっかけだったのか。

「もともと、私の将来の夢が声優でした。ただ喉が強くなかったため、その夢を断念したのですが、結局『声優になりたい』という思いが捨て切れなかったんです。そんななか、VTuberが流行し始めて、私が描くキャラクターに自分の声を当てはめれば声優の仕事に似た活動ができると思い、VTuberとしてデビューすることに。私の夢をたまきが代わりにかなえるために始まったプロジェクトなんです。

デビューするにあたりVTuber事務所に所属しようと考えていた時期もありましたが、私が絵を描いて、たまきが声をあてるとなると『事務所に所属する意味はなんだろう?』と。それなら『収益も全て自分たちで管理しよう』とVTuber事務所『のりプロ』を立ち上げました。

私は以前、マンガ家としてニコニコ生放送をやっていたので、配信に必要な機材はそろっていました。そこで培ったノウハウもあったので、たまきをVTuberデビューさせるまでは割とスムーズでしたね。デビューしたのは2018年9月22日ですが、アクティブ数と再生数が飛躍的に伸びたのは昨年のコロナ禍。その時にVTuber界の数字も底上げされたと思います」

実写と2次元の違い

同チャンネルでは毎日23時から生放送を行っている。例えば、1月10日に行われた生配信では、VTuber事務所にじさんじに所属する夢追翔、神田笑一をゲストに迎え、お酒を飲み交わしながら年収をさらっと暴露するなど赤裸々なトークを繰り広げた。オンラインならではの刺激的な話題が上がる一方で、ラジオのようにグッと親近感を抱かせる会話術も見事。コロナ禍を契機に需要が膨らんだ「ながら聴き」ができるのも、人気の秘訣と言える。

「たまきには基本、毎日生放送をさせていますが、生放送の文化はニコニコ動画の時代からありました。しかし、なぜ当時、オタク層の視聴者に刺さらなかったか。そこには『実写が怖い』という背景があったのではないかなと私は思っています。現在もやっている内容は当時と同じですが、2次元のキャラがしゃべることで、その恐怖感が不思議と軽減される。今のVTuberの生放送を見て、多くの人が『こんなに面白いんだ』とリアクションをくれるけど、生放送ってニコ生の時からもともと面白いんですよ。つまり、リアルな3次元になじめなかった人の気づきがあったのではないかなと思います。

VTuberの視聴者は熱量が高いというのも特徴ですね。例えばYouTuberがいわゆる『企業からの案件動画』をアップすると叩かれやすい傾向にありますが、VTuberが案件動画を出すと、『プロモーション案件がくるくらい俺の推しが有名になった』と、喜んでくださる方が多いんです。積極的にそのプロモーションにも参加してくれる。それに加え投げ銭文化も浸透しています。ファンの持つ熱量はVTuberにとってのメリットだと思いますね」

これまでの動画で特に好評だったものはどんなものだろうか。

「MMDという技術を使った3Dアニメーション動画ですね。生放送のワンシーンを切り抜いて外注スタッフに依頼し、細かく調整して3Dアニメーションにしました。アップして4カ月という期間で2本が100万回再生を突破しています。今、たまきのチャンネルでミリオン再生を記録しているのは5本なので、かなりの反響です。このMMDを使ったアニメーション動画はホロライブさんがよくやっている手法ですが、現状同じクオリティーのものは作れません。けど、いつかはあの域の作品を作りたいですね。

毎日23時から配信をしているのですが、生放送に関しては、全部私がコントロールしています。自分でやったほうが、トラブルが起きた時も対応しやすいんですよね。ただ、生放送の一部を切り抜いて動画投稿したりもするのですが、自分のできない動画編集は外部にお任せしています。これはマンガ家がアシスタントを雇って、ある領域を任せるのと同じ。すべて自分でやる方もいると思うんですけど、『それだったら生放送を1本多くやったほうがファンは喜ぶのでは?』というのが私の考えです(笑)。外注スタッフはYouTubeを見るなかでお上手だなと感じた人に声を掛けています」

YouTubeの動画は1本1本が財産

同チャンネルでは、VTuberとのコラボ配信を頻繁に行う。その内容は対談や歌枠、ゲーム配信など多岐にわたる、人脈の広い佃煮氏が注目しているVTuberとは誰なのか。

「スゴいなと思うのは、ホロライブの湊あくあさん。活動初期の頃、たまきはよくアドバイスをもらっていたし、切磋琢磨してきた間柄です。そんなあくあが現在チャンネル登録者数100万人を突破して。うれしい一方で、非常にクレバーな人なので『飛躍して当然』とたまきも言っていました。

あくあを『スゴいな』と思ったのが、以前『たまきと一緒に歌ってみた動画をアップしたい』と言われた時のこと。たまきはそんなに歌がうまくないし、『歌ってみた動画』をアップしたところで再生数が伸びるのか、当時私は疑問でした。ただ、あくあは『今後活動する上での財産になるし、今は伸びなかったとしても、後から絶対に伸びる』と断言したんです。

『歌ってみた動画』は比較的短尺ですが、新規のファンがチャンネルをチェックした時に短尺動画は見やすいという利点があります。そういう部分も彼女は読んでいたのではないかと。『YouTubeの動画は1本1本が財産』だと思っていて、動画がアップされている限り、過去の作品もバズるチャンスがあると思います。こればかりは誰にも予測できません」

マンガとVTuberで成功した佃煮さんが目指すものは?

「現在たまきと私は『のりプロ』の仲間たちを育てることに注力しています。事務所を大きくするというのが当面の私の目標です。マンガ家がVTuber事務所を立ち上げるというのは恐らく初めての事例。ここから歴史を作るという意味でも頑張りたいと思います」

※チャンネル登録者数および総再生回数は2021年1月22日現在の数字

(ライター 中山洋平)

[日経エンタテインメント! 2021年3月号の記事を再構成]

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