ポルシェ・パナメーラ ターボS 仰天パワーで最速記録

2021/4/25
最高出力630PSの4リッターV8ターボエンジンを搭載した「ポルシェ・パナメーラ ターボS」に試乗した(写真:荒川正幸、以下同)
最高出力630PSの4リッターV8ターボエンジンを搭載した「ポルシェ・パナメーラ ターボS」に試乗した(写真:荒川正幸、以下同)
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大幅改良を受けた「ポルシェ・パナメーラ」のラインアップの中から、最高出力630PSの4リッターV8ターボエンジンを搭載した「ターボS」に試乗。ニュルブルクリンク北コースで“エグゼクティブカー”の最速タイムを記録したという、その実力の一端に触れた。

エンジンの改良に目が奪われるものの

2代目パナメーラが世界初公開されたのが2016年6月のことだったから、昨2020年8月に発表されたマイナーチェンジはデビューからほぼ丸4年でのテコ入れで、国内でも即座に予約注文受け付けが開始された。同年10月には、8月時に欠けていた最上級モデル「ターボS Eハイブリッド」と、中間モデルの「4 Eハイブリッド」も追加。年末の国内デリバリー開始時点で、日本仕様のパナメーラは全8種類のラインアップとなった。

今回連れ出したのは、価格・動力性能ともにターボS Eハイブリッドに次ぐ2番手となるターボSである。ポルシェでターボSといえば、素の「ターボ」ありきの上級版というのが従来の位置づけだが、新しいパナメーラに素のターボは存在しない。今回の「S」が意味するところは、マイチェン前にあったターボと比較して80PS/50N・mという大幅性能アップが図られたところにある。それを強調するがための、あえての名称変更のようだ。

というわけで、今回のマイチェンの主眼は上級モデルの動力性能向上である。このターボSや今回新たに追加された「4S Eハイブリッド」はその象徴ともいえるし、これまでと名称が変わらない「GTS」やターボS Eハイブリッドについても、エンジン出力(あるいはシステム出力)が上乗せとなっている。

これ以外には、数字やスペックなどで目に見える変更点は少ない。かろうじて気づくのは、内外装細部のブラッシュアップやコネクト機能の強化くらいだろうか。走行メカニズムの新機軸も今回はとくにないのだが、目に見えない中身の部分はかなり改良されている。

考えてみれば、現在の「MSB」プラットホームを採用したフロントエンジンポルシェでは、2016年デビューのパナメーラがもっとも古い。その後の「カイエン」や「カイエン クーペ」「タイカン」で登場した新技術や最新世代コンポーネントの多くが、マイチェンを機にパナメーラにも投入されている。また四輪操舵(そうだ)システムも、「911」やタイカンで得られた知見が生かされているとか。

2020年8月にマイナーチェンジを受けた「ポルシェ・パナメーラ」。エクステリアデザインにも手が加えられており、とくにフロントマスクやテールランプまわりの意匠が従来型から変更された
インテリアのデザインについては、従来型から大きな変更はない。装備類ではインフォテインメントシステムの機能拡充がトピックで、Apple CarPlayなどのコネクテッド機能が強化された

1000万円の価格差も納得?

ただ、最高出力630PS、最大トルク820N・mと、ともに初めて“大台”に乗せた改良型4リッターV8ツインターボが世に出るのは、今回のパナメーラが初となる。その性能向上幅が従来のターボと比較して80PS/50N・mという飛躍的なものであることは前記のとおりだが、それは単に過給圧をイジッただけではない。実際には圧縮比(10.1→9.7)やタービンレイアウト、インジェクションの変更に加え、クランクシャフトにコンロッド、ピストン、タイミングチェーン、クランクダンパーといった大物部品も新設計されており、それらを踏まえてあらためてバランスが最適化されているという。つまりブロックとヘッド、そして動弁系まわり以外はすべて新しいのだ。

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