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自宅で楽しめるプチぜいたく「綾鷹カフェ 抹茶ラテ」

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NIKKEI STYLE

日経クロストレンド

2021年に入り3カ月余りで4製品もお茶カテゴリーに投入し続ける日本コカ・コーラ。3月22日には緑茶ブランド「綾鷹」の新シリーズ「綾鷹カフェ」を発売し、第1弾となるペットボトル入りの抹茶ラテで新価値を提案する。新製品ラッシュの背景には、炭酸飲料、コーヒーの印象の強い同社が「お茶でもリーディングカンパニーに」なることを目指して進める、新たなカテゴリー区分でのブランド横断的商品戦略がある。

コーヒー、紅茶に次ぐ「ラテ第三極」に

「綾鷹カフェ 抹茶ラテ」は、21年3月22日に「綾鷹」ブランドが導入する新シリーズの第1弾。新型コロナウイルス禍でカフェに行きづらくなった20~30代をターゲットに、昨今カフェで人気の和素材を用いたドリンクで、自宅でもカフェに代わるプチぜいたく気分を味わえる代替製品として取り入れてもらう狙いだ。

和素材の味わいとカフェらしさを兼ね備えるため、綾鷹製品すべてを監修してきた京都・宇治の老舗茶舗「上林春松本店」に加え、スペシャルティコーヒー専門店「猿田彦珈琲」にも協力を仰いだ。

日本コカ・コーラは、綾鷹カフェ 抹茶ラテをコーヒー(カフェラテ)、紅茶(ティーラテ)に次ぐ「ラテ第三極」に育成すべく、消費者体験イベントなど大々的なマーケティング施策を実施し、販売チャネルも店頭から自販機、電子商取引(EC)までと幅広く展開する。

綾鷹カフェの導入は、同社が20年末から、立て続けに新製品を発表してきたお茶カテゴ リーにおける戦略の集大成だ。12月の機能性表示食品「からだおだやか茶」を皮切りに、2月には「紅茶花伝」初の無糖紅茶、麦茶新ブランド「やかんの麦茶from一(はじめ)」を相次いで発表した。

この新製品ラッシュの背景には、同社のお茶カテゴリーの新戦略がある。マーケティング本部コーヒー、ティー、スポーツ&ウォーターカテゴリー事業本部長の小林香予氏は、「清涼飲料RTD(レディー・トゥ・ドリンク)市場で金額規模最大のお茶市場でもリーディングカンパニーへ」という21年の目標を掲げる。

炭酸飲料市場と異なり、追う立場となるお茶市場でも、多彩な商品群を抱える強みを生かしけん引役になれるよう積極策に打って出たのだ。

消費者行動に即した新たな「3ニーズ」

具体的な戦略の前に20年の販売実績を振り返る。

20年のお茶カテゴリーは販売チャネルにより、全く異なる結果になった。コロナ禍によって消費行動が変化し、外出やレジャー機会が大幅に減少、家庭内消費が増加したため、ECは成長したものの、コンビニや自販機など即時消費は著しく低下した。トータルとして市場は冷え込んだものの、機能性茶は健康意識の高まりを受け伸長するなど、「お茶市場全体にはまだ大きな成長機会がある」と、小林氏は分析する。

また、サブカテゴリーのバランスも変化したという。緑茶は変わらず最大規模を維持した一方、コーヒーに代わる選択肢として紅茶の人気が高まり、機能性茶も前述の通り成長した。麦茶・ブレンド茶は止渇目的での飲用ニーズの傾向が近年より顕著だ。

さらに消費者の購買行動にも変化があるという。「我々のビジネス視点のカテゴリー区分けでは飲料を選ばなくなっている」と小林氏は指摘。代わりにその瞬間のモチベーションによって、そのときのニーズを満たす商品を複数カテゴリーの中から選ぶ「飲み回る」傾向が一段と顕著だというのだ。

同社はそのニーズを大きく「嗜好性」「健康感」「止渇性」と新たな3つに定義し、カテゴリー別にブランド横断的に訴求していく。ここからは、小林氏、緑茶事業部部長の助川公太氏、止渇系無糖茶・機能性茶・紅茶事業部部長の山腰欣吾氏により詳しく聞いた。

――3つのニーズについて教えてください。

小林氏 まず、嗜好感はしっかりした味わいを楽しみたいというニーズ。コーヒーや紅茶、緑茶などが当てはまります。健康感は、健康の維持向上を求めるニーズ。特定保健用食品(トクホ)製品を選ぶ人もいればフレッシュなジュースを選ぶ人もいます。止渇性は、のどを潤しリフレッシュしたいというニーズ。麦茶、ブレンド茶と共に水も選択肢に入ります。

お茶カテゴリーはこの3つのニーズすべてを異なるセグメントによって満たすことのできる数少ない飲料カテゴリーだと考えます。その中でブランド横断的に提供できることが日本コカ・コーラの強みです。

――「お茶でもリーディングカンパニー」を宣言するためにこのタイミングで新製品の発表をまとめて行ったのでしょうか。

小林氏 そうです。それぞれのニーズに対応する製品を同時期に提案できることはめったにありません。今回はそれが可能だったため、同じタイミングを目指しました。

――現在のお茶カテゴリー市場をどのように分析しますか。追う立場とのことですが、特に意識されているブランドなどはありますか。

小林氏 子どもからお年寄りまでユーザーがいる、清涼飲料で最大規模の市場であり、各社が拮抗しています。常に複数社で1番を競っている状態でビジネス上は刺激もあり、競争力が生まれやすい環境です。

――お茶カテゴリーで戦う上で、日本コカ・コーラの強みとは何でしょうか。

小林氏 「味わい」と「健康」へのこだわりです。例えば独自の消費者調査で、味わいについては綾鷹が他社緑茶製品すべてを上回りおいしさを評価されました。紅茶花伝のロイヤルミルクティーも同様です。健康では、「からだすこやか茶W」が「健康によさそう」というイメージを醸成し、他社のトクホ茶よりもとても高く評価されています。

ラテ第三極、市場規模は約2600万人

――綾鷹カフェは嗜好性ニーズを満たすための新価値製品だと思いますが、緑茶ブランドながら甘味のある抹茶ラテを選ばれたのはなぜですか。また、「ラテ第三極」とのことですが、想定される市場規模を教えてください。

助川氏 RTDのラテカテゴリーは過去5年で平均5%ずつ成長していますが、そのうち和素材の比率は1%未満です。翻ってカフェでは、抹茶ラテやほうじ茶ラテなど和素材を用いたドリンクやスイーツが人気です。味わいを核としてブランドを拡大するという面でもマッチングすると考えました。

綾鷹は、本物の日本茶がもたらす豊かさというブランドコンセプトがあり、無糖緑茶ブランドになりたいわけではありません。幅広いニーズを満たす日本茶ブランドとして、時代に合わせた良さを提供していきます。

また、カフェの利用者でペットコーヒー製品の非飲用者は約2600万人と推計しています。そのような大きな市場規模に新価値製品を投入してRTD市場をさらに活性化したいと考えています。

――上林春本店に加えて猿田彦珈琲にも監修を依頼したのはなぜでしょうか。

助川氏 カフェドリンクとして大事なものを教えていただきました。(上林春本店、日本コカ・コーラ、猿田彦珈琲の)三者で5回ほどリモートで打ち合わせをし、試作品は100を超えました。ミルクと合わせても飲んだときに抹茶の味わいを感じなければいけない、他方、カフェではホットで飲むことのほうが多い抹茶ラテをそのまま再現すれば味が濃すぎてしまう。そのため、濃さのバランスを調整していただきました。

ダイエット一辺倒の市場に新価値提案

――新シリーズとして当面の目標を教えてください。

助川氏 まずはすべての販売チャネルで定番商品としてしっかり棚に残ることです。

――からだおだやか茶Wは記憶力と血圧に作用する初めての機能性表示食品です。改めて発売意図と発売後の反響を教えてください。

山腰氏 機能性茶市場の8~9割は脂肪関連で、ダイエットニーズ一辺倒でした。その中で市場を拡大するための新たな価値として、脂肪に次いで関心の高かった記憶力と血圧に着目しました。どちらか一方だけでも気になる人のボリュームも非常に大きく、両者に対して作用するGABAを用いたお茶を発売しました。

発売して4週間目となりましたが(3月5日現在)、堅調なスタートです。コンビニでの取り扱い率は9割で、トライアルも目標通りの数値を獲得しています。また、購入者の半数がこれまでトクホを飲んでいなかった人で注目度の高さがうかがえます。

――からだすこやか茶Wのシナジーを活用したことが奏功したのでしょうか。

山腰氏 そうですね。店頭でもセットで陳列したり、テレビCMでもコラボレーションをしたりとシリーズで訴求したことで、からだすこやか茶Wの売り上げもアップし相乗効果を生んでいます。

――やかんの麦茶は、大型の麦茶ブランドです。近年市場拡大が続く麦茶カテゴリーでどのように差別化を図りますか。

小林氏 止渇性でいうと、26年前から「爽健美茶」で成功体験を積んでいます。自然派が注目され始めた時代に合わせたブレンド茶で、中身に対する支持を受けて息の長いブランドに育っています。

同じく止渇性ニーズに対応する製品として、やっと麦茶を提案できるタイミングがきました。やかんで煮出したような麦茶という麦茶本来のおいしさを訴求することで、既存の麦茶とは違う価値を提案できると考えています。麦茶に新しい選択肢を提案していきます。

――お茶でもリーディングカンパニー宣言の初年度として、どのようなゴール設定をされていますか。

小林氏 具体的な数値としてはお伝えできませんが、年末の時点でそれぞれが一過性でなくきっちりと根付いていくこと、でしょうか。年始に比べて、既存ブランドの好意度がさらに伸びているか。それが目標の数字にも連動すると思います。

ブランド横断で3つのニーズへの充足を強化する具体的な取り組みとして、4月にはトクホ製品を対象に、健康をテーマにしたCM、販促を含めた統合型キャンペーンを実施。5月には無糖茶でもキャンペーンを行うという。物性カテゴリーの区分ではなく、ニーズの定義に対応していく21年以降の日本コカ・コーラのお茶カテゴリー戦略に注目だ。

(ライター 北川聖恵、写真提供 日本コカ・コーラ)

[日経クロストレンド 2021年3月19日の記事を再構成]

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