コロナ下で働き方が変わり、百貨店のメンズフロアは改革を迫られている。多くのビジネスパーソンを顧客に持ち、スーツスタイルを主流としてきた松屋銀座(東京・中央)でもこのほど働き方改革に対応して売り場を刷新。キレイめカジュアルやアクティブスーツの投入、さらには日本ブランドの応援などに乗り出した。
5階へとエスカレーターをのぼってまず目に飛び込んでくるのが、「單農(ダンノン)」だ。中国広州市で2013年に誕生したブランドで、深圳のIT起業家らがこぞって買う、キレイめカジュアルブランドとしてブレイクした。
時流とらえるユニセックス仕様
スタイリッシュな空間に並ぶのは、シワ感がきれいなコート、はきやすそうなパンツなど、落ち着いたアースカラーのアイテム。価格はニットカーディガン2万2000円、カットソー7000円、パンツ2万2000円など。東京・青山に続く、国内2号店となる。コンセプトはゆったりとした時間の流れだという。ラグラン袖のゆったりシャツなど着やすさを重視したデザインで、男女ともに着られる「ユニセックス」仕様であることが今の時流にぴったりだ。中国では2割が女性客という。
運営する開元(東京・港)営業部長の加藤辰紀さんに、オンオフ問わず着られるアイテムの中から、リモートにおすすめのアイテムを紹介してもらった。追加をかけたくらい売れているコットンカーディガンは小さめの襟がつき、リモートでのテレビ会議にも便利。インナーにはワンポイントTシャツ、すっきりしたシルエットにみえるパンツを合わせた。
今回の春のメンズフロア改革のポイントは「快適できちんと見える商品にある」と、営業四部長の鈴木健一さんは言う。リモートワークが定着してスーツを着る頻度が減り、注目されるアイテムの筆頭が、長時間座って仕事をしても快適なボトムスだ。「パンツではドローコード(ウエストを調整できるひも)つき、後ろがゴムといった特徴あるブランドを春から数多く品ぞろえしています」

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