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書道家、武田双雲さん 日常会話で子どもの感性豊かに

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日経 X woman

3人の子どもといつもポジティブに向き合う書道家の武田双雲さんが、心掛けているのはどんなことでしょう? 独創性が求められる時代に必要な「感性」の育て方について聞きました。

◇  ◇  ◇

これからの時代、感性が豊かであることがより大切

編集部(以下、──) 私たちの生活スタイルはコロナの影響で大きく変わりました。それだけでなく、教育改革、グローバル化や情報化の加速といった社会の変化がめまぐるしいですね。

武田双雲さん(以下、武田) 大きな変化のうねりの中で、親が培ってきた経験といったものが、あまり役に立たなくなってきているのを感じます。

――これからの時代を生き抜いていくためには、どんなことが必要だと思いますか?

武田 インターネットや人工知能(AI)が普及すればするほど、人間には「独創性」が求められるようになります。独創性のもとになっているのは、その人それぞれの「感性」。つまり、これからの時代、あらゆる意味で感性を豊かにする子育てが求められてくるのだと思います。

――感性を豊かにする子育てとは、具体的にはどのようなものでしょうか。

武田 例えば、何げない日常会話の中で、世界のことについて話してみるのもいいと思います。「フィンランドの教育ってこうなっているらしいね」とか、「今、インドではこんなことが話題になっているらしいよ」なんてことです。「道路のアスファルトっていつごろからあるんだろうね?」という話をしてそれについて詳しく調べてみたり、僕なんかはよく、信号機の仕組みについて子どもに語ったりもしています(笑)。

武田 こうした家族の会話は、グローバル感覚が養われるきっかけにもなると思います。例えば、妻が魚料理を作ってくれたら、「魚ってどうやって家庭の食卓に届くんだろう?」「漁師さんってどのくらい大変なんだろう?」ということから、世界の事象に思いをはせる。その際、親が感動したことがあれば、ちゃんと言葉にして子どもにシェアします。逆に、子どもが感動したことも、しっかりキャッチして一緒に会話を楽しめるといいですよね。「家族で感動をシェアする」ことの積み重ねが、子どもの感性を高めていくのだと思います。

豊かな感性が、子どもの自立を早める理由

――武田さん自身も、そうした親子の会話を通じて豊かな感性を育んできたのですか?

武田 そうですね。僕の両親がとても感動屋さんで、自分たちが感動したことをいつも僕に伝えてくれました。それが、今の僕のアーティストとしての素養につながっているのかな、と思っています。子どもができてからは、僕自身、ちょっとでも感動したことがあれば子どもたちと共有していますが、感性が豊かになると、子どもの自立も早くなる気がします。

――どうして、豊かな感性があると子どもの自立が早くなるのでしょうか?

武田 感性が豊かになると、感動することが増えて、必然的にワクワクできる力がつくからです。これって、要するにモチベーションが高くなるっていうことですよね。そうすると、何かに向かうエネルギーが自然と湧き、行動力がついていきます。自分の感覚を頼りに自分で考え行動し続けていると、ブレない人間になれる。だから、早く自立できる人になれるんじゃないかと思うんです。うちの長男がまさにその典型的なタイプです。

長男が小4のとき、二人で1カ月弱のアメリカ縦断の旅をしました。その際、エアチケットやホテルの予約、道のナビをすべてやってくれたのは長男でした。また、僕がオーガニックカフェをやりたいと言ったときにも、当時、小6だった長男が、iPadで物件を検索して不動産会社に問い合わせてくれました。結局、その物件を契約したんです。

行動力がある長男には、ビックリさせられっぱなしです。興味のあるものへのモチベーションが高く、何でも自分で考えて行動しています。中3になった今は、映像制作にも興味があるようなので、動画の記録など、僕の仕事も手伝ってもらっています。これからどういう大人に育っていくのか、楽しみでしょうがないですよ。

将来の不安より、今この瞬間の楽しみを味わう

――コロナがなかなか収束しないなか、将来に不安を抱えている人も多いと思います。武田さんはどう考えていますか?

武田 僕がコロナ前から一貫して言っているのは、「将来のことを考えるよりも、今、自分が家族と一緒にいる時間を楽しむ」ことが大事だということです。

どんな状況であれ、目の前にいる子どもとの時間を大切にして、その瞬間、瞬間を味わったほうがいい。結果として、そのほうが子どもの感性が豊かになり、困難にも打ち勝つ力が養われると思うし、家族関係も良くなっていくはずです。ぼんやりとした不安を抱えて暗い顔をして、今、一緒にいる時間を楽しめなくなってしまうのは、本当にもったいないことだと思います。

――先のことにとらわれ過ぎないほうがいいのですね。

武田 親って何かと考え過ぎちゃうんでしょうね。ですが、今から1年前、世界中がコロナによって混乱する未来なんて、誰も予想できなかったはずです。つまり、考えても仕方がないんですよね。子どもだって、たった1年でものすごく成長します。「この子はどうなるんだろうか」と予測したところで意味がありません。そんなことは、株価を予測するより難しいですから(笑)。

「いきあたりばっちり」でいることです。この言葉は、「自分が今、生きていられるのは家族や信頼できる仲間のおかげであって、すべてがラッキーなんだ」という意味で、僕が作った造語です。

これから起こることは「神の采配(さいはい)」だと思うので、ジタバタしても始まらない。そう考えたら、僕は楽な気持ちで生きられるようになりました。皆さんも、子育てをする中で、この言葉を生かしていってもらえるとうれしいです。

武田双雲
書道家。1975年熊本生まれ。東京理科大学理工学部卒業後、NTT東日本入社。書道家として独立後はNHK大河ドラマ「天地人」や世界遺産「平泉」などの題字を手掛け、講演活動やメディア出演も多数。2019年元号改元に際し、「令和」の記念切手に書を提供。最近では、色を使った書アートに取り組み、日本橋三越、新宿伊勢丹、GINZA SIX、大丸松坂屋(銀座)などの個展が成功を収めている。

(取材・文 国尾一樹)

[日経xwoman 2021年1月8日付の掲載記事を基に再構成]

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