隠れ借金に注意 リボ払い、キャッシングの落とし穴

2021/3/23

マネー

写真はイメージ=PIXTA
写真はイメージ=PIXTA

お金と上手に付き合っていくための最も基本的な原則は「収入の範囲で支出する」ということでしょう。つまり「収入>支出」ですね。そしてこの収支の差額をためておけば、想定外の出来事が起こって急にお金が必要になったときに対応したり、まとまったお金が必要な将来のイベントに備えたりできます。

逆に、お金と上手に付き合っていくために最も避けるべきなのは「借金」です。今回はお金を借りるということについて考えてみましょう。

気軽に借りて負のスパイラルに陥ることも

今はとても簡単にお金が借りられる時代です。消費者金融会社のウェブサイトで申し込みをして、その会社のスマホアプリをダウンロードすれば、担保も連帯保証人も不要でその日のうちにお金が借りられます。銀行の中にも、即日ではないものの、担保・保証人不要でお金を借りられるアプリを用意しているところがあります。

だからといって気軽に借りるのはNG。

もちろん、借金がよいことだと考える人はいないでしょう。でも、ちょっとしたことで1万円、2万円と借りてすぐに返していると、借金に対する怖さがなくなって、借入額がだんだん増えていくことになりかねません。

また、いったんお金を借りてしまうと、それを返すことが最優先となって貯蓄ができなくなってしまいます。貯蓄がないと「収入<支出」になったとき、さらにお金を借りることになり、またそれを返すことが最優先となって……というふうに負のスパイラルに陥ってしまいます。

いくら積立貯蓄や積立投資をしていても、借金の返済があっては穴の開いたバケツで水をくむようなもの。簡単に借りられるからといって気軽に借金するのは何よりも避けるべきです。

例外があるとしたら住宅ローンでしょう。マイホームは多くの場合、数千万円の買い物となるため、キャッシュで支払うのはまず無理。なので、ローンを借り入れざるをえません。でも、住宅ローンも借金なので、借りすぎないことが大切。今は住宅ローン金利が低いとはいえ、例えば、5000万円を固定金利1%で借りて35年で返済する場合、総返済額は約5930万円(ボーナス返済なし、元利均等返済の場合)。つまり、930万円もの利息を支払うことになるのです。住宅ローンは頭金を多くするなどして借入額をできるだけ抑えるのが賢明です。

リボ払いやキャッシングは“隠れ借金”

「私には住宅ローン以外の借金など縁がない」という人も多いと思いますが、ぱっと見には借金に見えない“隠れ借金”には注意してください。

その一つが、クレジットカードのリボ払い。

クレジットカードは通常、買い物などで利用した金額を翌月あるいは翌々月支払います。そのときは利用した額だけを払えばすみ、手数料はかかりません。

それに対してリボ払いは、毎月の返済額をあらかじめ決めておくというもの。どんなに買い物しても決まった額だけ払うので「計画的に返済できる」というのがウリですが、例えば、毎月の返済額を2万円に設定していて5万円の買い物をしたとすると、翌月、口座から2万円が差し引かれ、残りの3万円は翌月以降に繰り越されます。繰り越された額は、クレジットカード会社からの借金となって、手数料という形で利息がつくのです。

現在のリボ払いの利率は年15%というカード会社が多くなっています。銀行の定期預金の金利は0.002%ですから、なんと7500倍にもなるのです。

リボ払いで毎月の引き落とし額以上の買い物を続けると借金がどんどんふくらみ、どのくらいお金を借りているのかわからなくなるし、手数料の支払額も増えていきます。ですから、リボ払いは絶対に利用してはいけません。

クレジットカードでATMから現金を引き出せる“キャッシング”も、クレジットカード会社からの借金で、実質年利は15%かそれ以上。なので、こちらも利用しないようにしてください。

本当に困ったら借金よりも公的制度を利用

コロナ禍で仕事が減ったりなくなったりして収入減に見舞われている人もいるかもしれません。どうしてもお金が足りないときは、消費者金融やキャッシングではなく、公的な支援策を利用しましょう。

例えば、各自治体の社会福祉協議会では「緊急小口資金」や「総合支援資金」が無利子で借りられます。また、家賃の支払いが困難な人は「住居確保給付金」、会社の指示で休業したのに休業手当が支払われなかった場合は「新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金」が受け取れます。

終身保険や個人年金保険など解約返戻金のある保険に加入している人は、解約返戻金の一定範囲内で借り入れができる「契約者貸付制度」が使えるかもしれないので、保険会社に問い合わせてみてください。

電気・ガスなどの公共料金や、国民健康保険料、各種の税金などは、収入が減少した場合、支払いの猶予や免除が受けられます。住宅ローンは、口座の残高が不足して引き落としができず“延滞”になると、延滞料がかかります。返済が難しくなったら、延滞になる前に金融機関に相談しましょう。ローンはなくなりませんが、返済期間を延長して毎月返済額を減らしたり、当面は利息だけを支払ったりするなどの方法が取れる可能性があります。

住宅ローン以外の借金はしないのが大原則。でも、本当に困ったときは公的な制度を最大限使うのも「マネー上手」といえるでしょう。

馬養 雅子(まがい・まさこ)
オフィス・カノン代表。ファイナンシャルプランナー(CFP)、1級ファイナンシャルプランニング技能士。千葉大卒。法律雑誌編集部勤務、フリー編集者を経て、ファイナンシャルプランナーとして記事執筆、講演などを手掛けてきた。著書に「だれでもカンタンにできる資産運用のはじめ方」(ナツメ社)など。http://www.m-magai.net
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