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健康的な食事ほどEDリスク低い 米国2万人調査で判明

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日経Gooday(グッデイ)

食事の内容が健康的である人ほど、その後のED(勃起障害)の発症リスクが低いことが、約2万人の米国人男性を対象とした研究で示されました。

EDは心筋梗塞や脳梗塞の前触れになりやすい

若い世代のEDの多くは精神的な理由によって起こりますが、中年期以降のEDは、血管が硬く、もろくなる「動脈硬化」の進行によって発生する場合が多く、EDが前触れとなって、その後に心筋梗塞や脳梗塞を起こす可能性があります。

EDの危険因子の中で、本人の努力または医療の介入によって修正可能なものとしては、喫煙、肥満、座っている時間が長い、糖尿病、高血圧、脂質異常症、メタボリックシンドロームなどが挙げられます。それらの多くは、心筋梗塞や脳梗塞などの心血管疾患の危険因子としても知られています。実際に、EDを発症した患者は、その後心血管疾患を発症するリスクが高いため、共通する危険因子を改善すれば、どちらの発症も回避できる可能性があります。

現在、心血管疾患のリスクが高い人々には、食生活を改善するよう指導が行われます。では、その指導に従うと、EDのリスクも下がるのでしょうか。その疑問の答えを得るため、米カリフォルニア大学などの研究者たちは、中年期以降の男性が摂取している食事の質とその後のED発症の関係を調べることにしました。

対象としたのは、Health Professionals Follow-up Studyという観察研究に1986年から参加している、米国の男性医療従事者です。1998年までに死亡した男性や、1998年の段階でEDだった男性、また、心筋梗塞、糖尿病、脳卒中、泌尿生殖器のがん(前立腺がん、膀胱がん、精巣がんなど)の診断を受けていた男性などを除外し、年齢が40歳から75歳までだった2万1469人を、1998年から2014年1月1日まで追跡しました。

食物摂取頻度調査は1986年から4年ごとに行い、健康的な食事のパターンの順守度を、地中海食スコア(MDS)と、代替健康食指数2010(AHEI-2010)という2通りの指標を用いて評価しました。どちらのスコアも、高いほど健康的な食事をとっていることを意味します。

MDSスコアでは、1人1人の「野菜」、「豆類」、「果物とナッツ」、「穀類」、「魚貝類」の摂取量と「飽和脂肪酸に対する多価不飽和脂肪酸の比」を調べ、対象となった集団の中央値より高ければそれぞれ1ポイントとしました。一方で、「赤身肉」、「加工肉」の摂取量については、中央値より低ければそれぞれ1ポイントとし、「アルコール摂取量」は、10~50g/日の範囲なら1ポイントとして、スコアを合計しました。スコアの合計が0~3ならその人の地中海食順守度は「低」、4~5なら「中」、6~9であれは「高」としました。

AHEI-2010では、11の食品群ごとに、摂取量に応じて0から10の範囲でスコアを決定しました。具体的には、「果物」、「野菜」、「全粒穀物」、「ナッツと豆」、「多価不飽和脂肪酸」、「オメガ3脂肪酸」は、摂取量が多いほどスコアが高くなり、「アルコール」については摂取量が適度(0.5~2ドリンク/日、[注1])である場合にスコアは最高になり、「赤身肉と加工肉」、「加糖飲料」、「トランス脂肪酸」、「塩分」の摂取は、少ないほどスコアは高くなります。11アイテムのスコアの合計(0~110)に基づいて、対象者を5等分しました。

勃起能力に関する質問は「治療なしで性行為に必要な状態を維持できるかどうか」とし、「大いに困難」、「困難」、「微妙」、「可能」、「大いに可能」の中から回答を選択するよう依頼しました。2000年の初回の調査では過去の状態を思い出して回答するよう依頼し、2004年、2008年、2012年には現状を尋ねました。前回の調査の回答が「可能」または「大いに可能」だった人が、次の調査で「困難」または「大いに困難」と回答した場合に、ED発症と判断しました。

[注1]米国では1ドリンク=14gの純アルコール(ビール小瓶1本程度)

健康的な食事をしていた人のEDリスクは最大22%低い

分析対象となった2万1469人(平均年齢62歳)を平均10.8年追跡したところ、9464人(60歳未満968人、60歳~70歳3703人、70歳以上4793人)がEDを発症していました。

研究者たちは、2つの指標に基づく食生活の健康度とED発症の関係を、関連するさまざまな要因を考慮した上で推定しました。

その結果、どの年齢層の男性においても、地中海食の順守度が低い(スコアが0~3)集団に比べ、高い集団(スコア6~9)のED発症リスクは低く、60歳未満の男性では0.78倍、60歳以上70歳未満では0.82倍、70歳以上でも0.93倍になっていました(いずれも統計学的に有意)。

同様に、AHEI-2010スコアに基づいて5等分した男性でも、スコアが最も低かった集団に比べ、最も高かった集団のED発症リスクは低く、60歳未満の男性では0.78倍、60歳以上70歳未満では0.78倍、70歳以上では0.89倍でした(いずれも統計学的に有意)。

どちらの指標を用いた分析でも、健康的な食事をとっている男性、特に60歳未満の男性は、その後にEDを発症するリスクが低いことが示唆されました。

この結果を得て、研究者たちは、「性的な機能をいつまでも維持したいという気持ちが、男性の食生活の改善に結びつくのではないか」と期待しています。

論文は、2020年11月13日付のJAMA Network Open誌電子版に掲載されています[注2]

[注2]Scott R, et al. JAMA Netw Open. 2020;3(11):e2021701.

[日経Gooday2021年2月3日付記事を再構成]

大西淳子
医学ジャーナリスト。筑波大学(第二学群・生物学類・医生物学専攻)卒、同大学大学院博士課程(生物科学研究科・生物物理化学専攻)修了。理学博士。公益財団法人エイズ予防財団のリサーチ・レジデントを経てフリーライター、現在に至る。研究者や医療従事者向けの専門的な記事から、科学や健康に関する一般向けの読み物まで、幅広く執筆。

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