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全粒穀物、朝とれば昼も効果 2~3カ月で体重も変化

全粒穀物の底力(下)

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NIKKEI STYLE

日経Gooday(グッデイ)

日々コンスタントにとることによって、内臓脂肪減少やコレステロール抑制などのメタボ改善効果が得られる全粒穀物。もっと全粒穀物をとろう、と決めたあなたにはぜひ朝食での摂取をお勧めしたい。朝食で全粒穀物をとると、昼食での血糖値上昇も抑える効果が期待できるからだ。最終回となる今回は、朝食で全粒穀物をとるメリット、そして朝食ご飯派・パン派の全粒穀物の取り入れ方も紹介しよう。さらに、全粒穀物と組み合わせたい「おかず」についても見ていこう。

大麦を朝食に。昼食でも血糖値が抑えられる

第1回(「大麦、玄米…全粒穀物で死亡リスク減 エビデンス続々」)、第2回(「全粒穀物で内臓脂肪や血糖値改善 効果得る2つのコツ」)と、全粒穀物の健康効果についてお伝えしてきた。今回は、どんな全粒穀物を選び、どのぐらいを目標にとればよいかについて聞いていこう。大妻女子大学家政学部の青江誠一郎教授は、「まずは朝食の主食を全粒穀物に置き換えましょう。昼食でセカンドミール効果が得られます」とアドバイスする。

「セカンドミール効果」とは、1982年にトロント大学のジェンキンス博士によって発表された概念で、最初にとる食事(ファーストミール)が、次の食事(セカンドミール)の後の血糖値に影響を与えて血糖値が抑制されることを言う。

前回記事で紹介したように、内臓脂肪や腹囲の減少、コレステロール抑制などメタボ解消に役立つことが日本人で確認されているのが大麦だが、この大麦を配合したご飯でも、セカンドミール効果が確認されている(下グラフ)。

朝食に大麦ご飯を食べると昼食時の血糖値上昇も抑える

青江教授は、大麦のセカンドミール効果のメカニズムを以下のように説明する。

「血糖値の上昇が抑えられるのはもちろん、朝食時に全粒穀物をとれば、満腹感が高まるために、昼食の食べ過ぎも抑えられます」(青江教授)

同様に2020年には、健康な日本人を対象に、大麦粉パン(β-グルカン2.5gを含む)によっても同様にセカンドミール効果が得られることが確認されている[注1]。

[注1]Nutrition. 2020 Apr;72:110637.

ご飯派もパン派も、全粒穀物の選択肢はさまざま

2014年には、朝食に全粒穀物を摂取する利点についての232の研究をとりまとめて評価した論文も発表されている[注2]。「この論文では、全粒穀物や高穀物繊維食は、2型糖尿病のリスク低減、過体重や肥満のリスク低減では『グレードB:おおむね信頼性の高いエビデンスあり』とされています。また、オートミール(オーツ麦)、大麦を含むシリアル食品は、血中コレステロールを低下させる、という機能において『グレードA:信頼性の高いエビデンスあり』、高穀物繊維の小麦シリアルの腸機能改善効果も、グレードAと評価されています」(青江教授)

[注2]Adv Nutr. 2014 Sep 15;5(5):636S-673S.

健康度アップに全粒穀物を取り入れるなら、このようにエビデンスが後押しする食べ方である「朝食での全粒穀物」から始めたい。

ではここから、ご飯派、パン派の方それぞれにお勧めの食べ方を紹介していこう。

●ご飯派なら
大麦ご飯 雑穀ご飯 玄米

まずはご飯から。全粒穀物がいくら体にいいといっても、全粒穀物だけだとなじめない人もいるだろう。なので、ご飯に全粒穀物を足すところから始めよう。

例えば、ご飯に大麦を3~5割混ぜることでメタボ改善効果のある水溶性食物繊維、β-グルカンを得られる。また、玄米には不溶性食物繊維の一つで、腸内で発酵を進めるアラビノキシランが含まれる。 

「ご飯食のいいところは、雑穀も加えられること。雑穀は、食物繊維源であるのに加え、多様なポリフェノール源にもなります。ご飯を炊くときにはぜひ雑穀も加えましょう」(青江教授)

●パン・シリアル派なら
全粒粉パン ライ麦パン 小麦ブラン(ふすま)入りブランパン 小麦ブラン オートミール(オーツ麦) 大麦のシリアル

続いて、パン派の人にお勧めの食べ方だ。最近は全粒粉を使ったパンなども手に入りやすく、シリアルの品ぞろえも多彩だ。自分の好みに合わせたチョイスもできる。

「全粒粉パン、小麦ふすま、ライ麦には、腸で発酵するアラビノキシランが豊富。オートミール(オーツ麦)には、β-グルカンが豊富です」(青江教授)

シリアルは、ヨーグルトや牛乳と混ぜるのがポピュラーな食べ方だが、オートミールの場合、水や牛乳を加えて温めるとホカホカのお粥(かゆ)になるので、冬の朝食にもお勧め。全粒粉パンは、できれば全粒粉の配合率の高いものをチョイスしたい。小麦ふすまを使ったブランパンもコンビニなどで手軽に手に入る。

青江教授は、日本人男女を対象とした試験で、オートミール粥1日60g(β-グルカン2.1g)でコレステロール値が下がることを確認している(下グラフ)。

オートミールのお粥でコレステロールが減少

ここまでの説明で全粒穀物の健康効果は理解していただけたと思う。ぜひ積極的に日々の食事に取り入れていただきたい。では、具体的に1日にどのぐらいの量をとればいいのだろう。

「海外の複数の研究によって示されている有効な量は、1食30gの全粒穀物を、1日3回(3サービング[注3])です。理想的な量をとるなら、3食とも全粒穀物をとるのが望ましいですね。しかし、まずは朝食で1回とることから始め、慣れてきたら、夕食の主食を大麦ご飯などにするといいでしょう。コンビニでももち麦おにぎりやもち麦入りサラダなどがあり、大麦配合のうどんなどもあります」(青江教授)

[注3]「1サービング」は、全粒粉パン1切れ、全粒シリアル30gに相当。

もちろん青江教授も、全粒穀物をしっかり3食に取り入れているという。「朝食は、小麦ブラン、大麦、オートミールが入っているものを常備し、その日の気分でブレンドして食べています。心疾患や糖尿病の予防が期待できる乳製品由来のカルシウム源として、シリアルにはヨーグルトを合わせます。昼食はコンビニで、根菜や枝豆が入った食物繊維がリッチなサラダを選びます。夕食は、ご飯は必ず大麦ご飯です」(青江教授)

では、全粒穀物の摂取を始めたら、どのぐらいの期間で効果が得られるのだろう。青江教授は、「腸内細菌叢(さいきんそう)が変化してお通じの改善や、ガスが減りお腹のはりの改善を実感できるのは2週間ほどたってからでしょう。内臓脂肪の減少、コレステロール減少、体重減少などは、2~3カ月後ぐらいになります。とにかく大切なのは継続すること。おいしく食べられ、無理のない方法で続けてみてください」と言う。

豆類や海藻、発酵食品も加えてパワーアップ

主食を全粒穀物に変えたなら、もう一つ意識したいのが「おかず」。食物繊維が豊富な食材を1品おかずに追加すれば、食物繊維摂取量を3~5gほど上乗せできる。

「日本人は、副菜からも多く食物繊維をとっています。水溶性食物繊維を豊富に含むわかめ、ひじき、昆布を取り入れましょう。また、豆類に豊富に含まれるレジスタントスターチ(難消化性でんぷん)は食物繊維と同じような働きをします。大腸の奥のほうまで到達して発酵し、短鎖脂肪酸[注4]を産生します。野菜ももちろんたっぷりとることが重要ですが、葉野菜などに主に含まれるのは、セルロースなどの発酵性の低い不溶性食物繊維なので、根菜類がお勧めです。そして、豆や海藻を意識してとることが、メタボ改善には有効です。間食にはナッツや果物をとるようにしましょう」(青江教授)

[注4]短鎖脂肪酸には、満腹感を高める、血糖値の急上昇を抑える、血圧を下げる、免疫機能に好影響を与えるなど、幅広い機能があるという(第1回記事「大麦、玄米…全粒穀物で死亡リスク減 エビデンス続々」参照)。

あわせて、腸における発酵作用を高めるために意識したいのが、乳酸菌や納豆菌などのプロバイオティクス食品。「ヨーグルトや納豆、漬物(植物性乳酸菌)を合わせてとると、これらが腸を通過するときに腸内での発酵を手助けし、短鎖脂肪酸産生アップが期待できます」(青江教授)

第1回記事(「大麦、玄米…全粒穀物で死亡リスク減 エビデンス続々」)で触れたように、日本人の食物繊維摂取量は、約14gで、「日本人の食事摂取基準」(2020年版)で目標とされる「1日あたり成人男性21g以上、成人女性18g以上」よりも少ない。「主食を全粒穀物にし、副食で海藻や豆を選べば、1日あたりの食物繊維摂取量を5~10g追加することができ、目標をクリアできます」(青江教授)

以下に、1食あたりでとることができる食物繊維量の目安を、主食、おかず、間食ごとにリストアップしたので参考にしてほしい。

1食分でとれる食物繊維量の目安

いかがだっただろうか。主食を全粒穀物に変え、さらにおかずにも工夫を加えたら、食物繊維たっぷりの生活ができるはず。おいしい食べ方を工夫しながら、ぜひ全粒穀物ライフを始めてみよう。

(ライター 柳本操、図版 増田真一)

[日経Gooday2021年3月11日付記事を再構成]

青江誠一郎さん
大妻女子大学家政学部食物学科教授。1989年、千葉大学大学院自然科学研究科博士課程修了。雪印乳業技術研究所を経て2003年に大妻女子大学家政学部助教授、2007年より現職。穀類、藻類の食物繊維がメタボリックシンドロームや消化管機能に及ぼす影響を研究する。

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