全粒穀物、朝とれば昼も効果 2~3カ月で体重も変化全粒穀物の底力(下)

日経Gooday

ご飯派もパン派も、全粒穀物を使った朝ご飯が鍵になるのかも(写真はイメージ)。(c)serezniy-123RF (c)Tomas Anderson-123RF
ご飯派もパン派も、全粒穀物を使った朝ご飯が鍵になるのかも(写真はイメージ)。(c)serezniy-123RF (c)Tomas Anderson-123RF
日経Gooday(グッデイ)

日々コンスタントにとることによって、内臓脂肪減少やコレステロール抑制などのメタボ改善効果が得られる全粒穀物。もっと全粒穀物をとろう、と決めたあなたにはぜひ朝食での摂取をお勧めしたい。朝食で全粒穀物をとると、昼食での血糖値上昇も抑える効果が期待できるからだ。最終回となる今回は、朝食で全粒穀物をとるメリット、そして朝食ご飯派・パン派の全粒穀物の取り入れ方も紹介しよう。さらに、全粒穀物と組み合わせたい「おかず」についても見ていこう。

大麦を朝食に。昼食でも血糖値が抑えられる

第1回(「大麦、玄米…全粒穀物で死亡リスク減 エビデンス続々」)、第2回(「全粒穀物で内臓脂肪や血糖値改善 効果得る2つのコツ」)と、全粒穀物の健康効果についてお伝えしてきた。今回は、どんな全粒穀物を選び、どのぐらいを目標にとればよいかについて聞いていこう。大妻女子大学家政学部の青江誠一郎教授は、「まずは朝食の主食を全粒穀物に置き換えましょう。昼食でセカンドミール効果が得られます」とアドバイスする。

「セカンドミール効果」とは、1982年にトロント大学のジェンキンス博士によって発表された概念で、最初にとる食事(ファーストミール)が、次の食事(セカンドミール)の後の血糖値に影響を与えて血糖値が抑制されることを言う。

前回記事で紹介したように、内臓脂肪や腹囲の減少、コレステロール抑制などメタボ解消に役立つことが日本人で確認されているのが大麦だが、この大麦を配合したご飯でも、セカンドミール効果が確認されている(下グラフ)。

朝食に大麦ご飯を食べると昼食時の血糖値上昇も抑える

日本人男女18人を対象に、朝食に白米を食べる群、大麦5割配合ご飯(それぞれ150g)を食べる群に分け、4時間後に両群とも栄養調整食品(糖質50gを含む)をとった。その結果、白米摂取群に比べて大麦配合ご飯を食べた群では、朝食のときだけでなく昼食時にも血糖値上昇が抑えられた。(データ:薬理と治療41(8);789-795,2013)

青江教授は、大麦のセカンドミール効果のメカニズムを以下のように説明する。

「血糖値の上昇が抑えられるのはもちろん、朝食時に全粒穀物をとれば、満腹感が高まるために、昼食の食べ過ぎも抑えられます」(青江教授)

同様に2020年には、健康な日本人を対象に、大麦粉パン(β-グルカン2.5gを含む)によっても同様にセカンドミール効果が得られることが確認されている[注1]。

[注1]Nutrition. 2020 Apr;72:110637.

ご飯派もパン派も、全粒穀物の選択肢はさまざま

2014年には、朝食に全粒穀物を摂取する利点についての232の研究をとりまとめて評価した論文も発表されている[注2]。「この論文では、全粒穀物や高穀物繊維食は、2型糖尿病のリスク低減、過体重や肥満のリスク低減では『グレードB:おおむね信頼性の高いエビデンスあり』とされています。また、オートミール(オーツ麦)、大麦を含むシリアル食品は、血中コレステロールを低下させる、という機能において『グレードA:信頼性の高いエビデンスあり』、高穀物繊維の小麦シリアルの腸機能改善効果も、グレードAと評価されています」(青江教授)

[注2]Adv Nutr. 2014 Sep 15;5(5):636S-673S.

健康度アップに全粒穀物を取り入れるなら、このようにエビデンスが後押しする食べ方である「朝食での全粒穀物」から始めたい。

ではここから、ご飯派、パン派の方それぞれにお勧めの食べ方を紹介していこう。

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