採用で重視する12の要素
――中途採用を大幅に増やしていますね。
「20年度(20年8月期)は2000人程度を中途で採用しました。5年前の約4倍の水準です。21年度(21年8月期)も20年度並みの採用を続ける予定です。積極採用の背景としては、事業が急拡大していることに加え、幅広いスキルを持った人材を獲得する必要が出てきたことがあります」

「『幅広い』というのは、たとえば、業界であれば、物流業界におけるヒト・モノ・カネの流れや各国の規制を熟知している人、業種であれば、経理の専門知識に加えデジタルを活用することでサプライチェーンからのデータを読み解き可視化できる人、技術であれば、人工知能(AI)やブロックチェーンについて知識を持っている人などが一例として挙げられます。コンサルティング会社、SIer(システムインテグレーター)、事業会社、広告代理店など、前職の業界も様々です」
――採用で重視するポイントは。
「各分野における専門スキルを持つことが大前提ですが、そのほか、デジタル時代に求める人材像として、互いを生かし合えるチームこそ無限の可能性があると信じる人、背伸びしてでも目標へ手を伸ばさずにはいられない人、正解がない状況こそ楽しめる人、常に既存の概念にとらわれない新しいものを探求している人、など12の要素を掲げています。こういった採用理念への共感度やカルチャーフィットを重視しています」
「働き方改革や社内で多様性が増したことを受け、『コラボレーション力』がより重要になったと思います。社内外で様々な人と協力しないとできないことが増え、協業することで新しい価値を生み出すマインドセットが今まで以上に必要になってきました。コロナでリモートワークでの勤務が続き、仕事とプライベートとの境目がなくなりがちな状況で、チーム内で個々の事情を確認しながらいかにコラボレーションの成果を高めるかも問われています」