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「モンカフェ」は「レギュラーコーヒーを一般の家庭に近づける役割を果たしたのでは」と片岡物産の藤原啓史さん

創業者で現会長の片岡丈治さんは希代のアイデアマン。家で飲むコーヒーの主流がまだインスタントだった時代に、より手軽にレギュラーコーヒーを楽しめるようにとドリップバッグの開発に着手し、研究陣がフィルターやホルダーの特許、実用新案を取得した。現在、不織布が主流のフィルターは当初から紙製にこだわり、「コーヒーオイルの口当たりや香りを楽しめる」(マーケティング部ブランドマネジメント課主任の藤原啓史さん)。鮮度維持のためパッケージ一つ一つに脱酸素剤を入れてある。

百花繚乱(りょうらん)のドリップバッグ。身上はあくまで「手軽さ」だ。ただし、おいしく飲むためには最低限のポイントはおさえておきたい。各商品には基本的な淹れ方が記されており、おおむねそれに従えば間違いはない。共通する注意点は抽出する時のお湯の温度と量だ。

お湯の温度は85~90℃。やかんで沸騰したら、火からはずしてフタを開け、1分ほど待つとほぼその湯温になる。沸騰後にドリップ用ケトルにお湯を移すとやはり90℃ぐらいになるが、ドリップバッグならやかんから直接お湯を注いでいい。ここはずぼら、いや、カジュアルに徹したい。この際、沸騰したお湯がどれぐらい経つと想定した湯温になるか測ってみてもいい。

カップにセットしたらまず、粉全体が湿るぐらいに少量のお湯を注ぐ。それで20秒ほど待つ。いわゆる「蒸らし」だ。そして3回ほどに分けてゆっくりお湯を注ぐ。くれぐれもお湯をあふれさせないように。たったこれだけだ。

カップの容量は左から160cc、120cc、200cc。中央のドリップバッグが代表的な浸漬型の商品

コーヒー粉の量が各社異なるため、1杯当たりの抽出量の目安は商品によって130~200ccと幅がある。ここはまず説明書き通りに淹れてみて、あとは好みに合わせて湯量を調節すればいい。これを機に、自分が普段使うカップの容量を再確認しておこう。注いだお湯のうち、20ccぐらいはコーヒー粉に吸収されてカップに落ちない点にも注意しよう。

ドリップバッグには「浸漬(しんし)型」と「透過型」の2種類の形状がある。浸漬型はフィルターがホルダーの下に位置し、抽出したコーヒーに漬かるタイプ。透過型はフィルターの位置が高く、抽出したコーヒーに漬からない。

浸漬型については「フィルターがコーヒーに漬かったままでいいの?」と思う人もいるだろうが、手順通りに抽出した一杯が「最終的に当社お墨付きの味になる」(丸山珈琲)ように当初から味わいが設計されていると考えよう。ただし長く漬かりすぎると雑味が出るので、抽出がひと通り済んだらすみやかにカップから取り外そう。

今やドリップバッグは大手ロースターの商品も含め「お店で飲むコーヒー」の味わいの再現に工夫を凝らし、鮮度管理にも心を砕く。ただ、賞味期限が設定されているとはいえ、やはり購入後はできるだけ早く飲むことをお薦めする。

今回はスーパーで買える商品を紹介したが、通販を利用すれば全国各地、多種多様な専門店のコーヒーバッグが購入できる。ネットの画面で品定めするのも楽しい。最近はティーバッグと同じ形のコーヒーバッグの品ぞろえも増えてきた。気分やシーンに合わせて、各店自慢の焙煎豆やドリップバッグを使い分ければ、自宅でのコーヒーブレイクが一層、充実するはずだ。

(名出晃)

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