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手軽なドリップバッグ 名店のコーヒーをスーパーで

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リモートワークに外出自粛。コロナ禍の巣籠もり生活が続くなかで「家飲みコーヒー」の需要が膨らんでいる。目立つのは焙煎(ばいせん)豆のまとめ買いや通販の利用だ。加えて伸びているのがドリップバッグ。封を切って、カップにセットするだけという手軽さが、自宅で何杯も飲みたいな、という人たちに見直されている。今では各地の有名店が商品化した自慢の味がスーパーの店頭にも並んでいる。買い物ついでに手を伸ばせる、こだわりのドリップバッグをいくつか紹介しよう。

ドリップバッグというと、一昔前はギフトのイメージが強かった。スーパーの店頭に並ぶのもUCC上島珈琲やキーコーヒーといった大手ロースター(焙煎業者)の商品が主流を占めていた。だが、ここ数年の間にコーヒー専門店の名前を冠した商品が続々と登場し、品ぞろえの幅がグンと広がった。

家飲み用に焙煎豆を購入する人は増えたが、リモートワークの合間に何度かコーヒーブレイクしたいと思っても、その都度、豆を挽(ひ)いて専用器具でドリップするのはちょっと煩わしい。そんな時に1杯分を手早く抽出できるドリップバッグは重宝する。専門店の銘柄は1杯当たり20~30円程度の大手商品に比べると割高だが、ぜいたく気分を味わえる。ここでは主に首都圏の食品スーパーで買える一部の品々を取り上げた。実売価格は店によって異なる場合もあるので、筆者購入時のおおよその価格帯を示した。

猿田彦珈琲は東京・恵比寿に本店を置き、首都圏と台湾に店舗展開するスペシャルティコーヒーの専門店。現在、関東を中心に12社ほどのスーパーが同社のドリップバッグを販売している。味わいに関しては「後味の余韻を大事にしている」(同社)という。

コスタリカ、ブラジルなど4カ国の豆をブレンドした「猿田彦クラシック」(1パック5袋で約640円)は深めの焙煎でしっかりしたコクの中に苦みと酸味がバランス良く溶け合う。「モカマイルド」(同、約690円)はエチオピア、ブラジル、コスタリカのブレンドで、まろやかな苦み。酸味は優しく、すっきりした口当たりだ。

スペシャルティ大手の丸山珈琲は現在、カフェインを取り除いたディカフェを含めた3種類を中心に、本店のある長野県のほか首都圏、愛知、大阪、九州などに販売先を増やしつつある。まだ普及途上のスペシャルティにとって、ドリップバッグは「消費者の入り口」として重要なアイテムと位置づける。

ホンジュラスやエルサルバドルの豆をブレンドした同社イチ押しの「スペシャルティ・マイルド」(1パック5袋で約970円)は甘い香りにクリーンな味わい。上品な酸味が時間とともに際立ってくる。定番の深煎り「丸山珈琲のブレンド」(同約980円)はチョコレートのような風味をまとった安定感のあるコクが味わえ、飲み応えがある。

東京・新宿に本店がある但馬屋珈琲店は2015年にドリップバッグの卸売りを始め、今は取扱店が全国の約400店に増えた。5袋パックのほかバラ売りもある。店頭のコーヒーと同様、しっかりした深煎りで、濃厚な味わいを再現するため1袋の豆の量は12グラムと多めだ。

「キリマンジャロ AA」は強い酸味と苦みのバランス、「マンデリン G1」は香ばしい風味と濃厚なコクといったように、それぞれの豆の個性がくっきりと立ち上がる。中核商品「クラシックブレンド」と「おいしいデカフェ。」のリピーターが多いという。1袋約150~180円。

京都の老舗コーヒー専門店、小川珈琲は全国のスーパーにドリップバッグを卸売りしている。商品のバリエーションは十数種類にのぼり、「情緒価値」を打ち出すため季節限定品も投入している。

売れ筋の「小川プレミアムブレンド」(1パック8袋が約450円)はマイルドな口当たりで後味も軽く、飲みやすいタイプ。「ブルーマウンテンブレンド」(1パック5袋で約640円)は苦味や酸味、甘味などのバランスが整った味わいだ。

「森彦」は札幌市の本店をはじめ北海道に14店を展開する有名専門店。ここを運営するアトリエ・モリヒコ監修のもと、味の素AGFが19年に開発したのがレギュラーコーヒー(粉)とドリップバッグの「森彦の時間」だ。「森彦ブレンド(深煎り)」「マイルドブレンド(中煎り)」「アフリカン・ムーンブレンド(浅煎り)」の3種類。ドリップバッグは1パック5袋で540~590円程度、全国の小売店約7万店が取り扱う。

北海道といえば深煎りが定番。このシリーズでも売れ筋は深煎りの森彦ブレンドで、どっしりとしたコクと苦み、かすかな甘味の余韻が印象的だ。味の素AGFによれば3種類を買い回りする消費者が目立つという。

ドリップバッグは日本生まれの商品だ。紅茶「トワイニング」などの取り扱いで知られる片岡物産(東京・港)が1984年に商品化した「モンカフェ」がパイオニア。ちなみにインスタントコーヒーとミルクパウダー、砂糖を1本の細長いパッケージに詰めたスティックコーヒーも、日本では片岡物産が78年に「アストリア」で商品化した。

創業者で現会長の片岡丈治さんは希代のアイデアマン。家で飲むコーヒーの主流がまだインスタントだった時代に、より手軽にレギュラーコーヒーを楽しめるようにとドリップバッグの開発に着手し、研究陣がフィルターやホルダーの特許、実用新案を取得した。現在、不織布が主流のフィルターは当初から紙製にこだわり、「コーヒーオイルの口当たりや香りを楽しめる」(マーケティング部ブランドマネジメント課主任の藤原啓史さん)。鮮度維持のためパッケージ一つ一つに脱酸素剤を入れてある。

百花繚乱(りょうらん)のドリップバッグ。身上はあくまで「手軽さ」だ。ただし、おいしく飲むためには最低限のポイントはおさえておきたい。各商品には基本的な淹れ方が記されており、おおむねそれに従えば間違いはない。共通する注意点は抽出する時のお湯の温度と量だ。

お湯の温度は85~90℃。やかんで沸騰したら、火からはずしてフタを開け、1分ほど待つとほぼその湯温になる。沸騰後にドリップ用ケトルにお湯を移すとやはり90℃ぐらいになるが、ドリップバッグならやかんから直接お湯を注いでいい。ここはずぼら、いや、カジュアルに徹したい。この際、沸騰したお湯がどれぐらい経つと想定した湯温になるか測ってみてもいい。

カップにセットしたらまず、粉全体が湿るぐらいに少量のお湯を注ぐ。それで20秒ほど待つ。いわゆる「蒸らし」だ。そして3回ほどに分けてゆっくりお湯を注ぐ。くれぐれもお湯をあふれさせないように。たったこれだけだ。

コーヒー粉の量が各社異なるため、1杯当たりの抽出量の目安は商品によって130~200ccと幅がある。ここはまず説明書き通りに淹れてみて、あとは好みに合わせて湯量を調節すればいい。これを機に、自分が普段使うカップの容量を再確認しておこう。注いだお湯のうち、20ccぐらいはコーヒー粉に吸収されてカップに落ちない点にも注意しよう。

ドリップバッグには「浸漬(しんし)型」と「透過型」の2種類の形状がある。浸漬型はフィルターがホルダーの下に位置し、抽出したコーヒーに漬かるタイプ。透過型はフィルターの位置が高く、抽出したコーヒーに漬からない。

浸漬型については「フィルターがコーヒーに漬かったままでいいの?」と思う人もいるだろうが、手順通りに抽出した一杯が「最終的に当社お墨付きの味になる」(丸山珈琲)ように当初から味わいが設計されていると考えよう。ただし長く漬かりすぎると雑味が出るので、抽出がひと通り済んだらすみやかにカップから取り外そう。

今やドリップバッグは大手ロースターの商品も含め「お店で飲むコーヒー」の味わいの再現に工夫を凝らし、鮮度管理にも心を砕く。ただ、賞味期限が設定されているとはいえ、やはり購入後はできるだけ早く飲むことをお薦めする。

今回はスーパーで買える商品を紹介したが、通販を利用すれば全国各地、多種多様な専門店のコーヒーバッグが購入できる。ネットの画面で品定めするのも楽しい。最近はティーバッグと同じ形のコーヒーバッグの品ぞろえも増えてきた。気分やシーンに合わせて、各店自慢の焙煎豆やドリップバッグを使い分ければ、自宅でのコーヒーブレイクが一層、充実するはずだ。

(名出晃)

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