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「ミシュラン」3店舗掲載の店主 4号店は塩で勝負

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NIKKEI STYLE

2020年12月に発売された『ミシュランガイド東京2021』。毎年、年の瀬が近づく頃に発売され、食通たちの耳目を集めている1冊だが、今回もそこにラーメン店が計20店舗掲載された。

一つ星が付いた店は東京・豊島区の『創作麺工房鳴龍』と新宿区の『SOBAHOUSE金色不如帰』の2店。また、星こそ付かなかったが、安価でコストパフォーマンスが高い店舗としての「ビブグルマン部門」に18のラーメン店が載った。

もちろん、好きなラーメンの味は千差万別で、同ガイドに掲載されていないからといって、掲載店の味に劣るラーメンとは言えない(個人的には、掲載店と互角かそれ以上の味を提供する店舗もたくさんあると思う)。

だが『ミシュランガイド』に掲載されることは、一定の水準の味を保証したものであるとは言えるだろう。なぜなら、20の掲載店は、都内に数あるラーメン店の中から、同ガイドの審査員が選び抜いたものだからである。

その中でも、とりわけ目を引くのが、奇才・水原裕満氏が率いる店舗群だ。東京・上北沢の『らぁめん小池』、本郷三丁目の『中華蕎麦にし乃』、王子の『キング製麺』の3店舗がビブグルマンに掲載されるという快挙。

水原氏の持ち店舗は、これからご紹介する『ぷれじでんと』を除けば、すべて『ミシュランガイド』に掲載されたことになる。

ひとりの店主が率いる店舗が、同時に3つも『ミシュランガイド』に掲載された例は、私が知る限り記憶にない。

そんな水原店主が本年1月末、満を持して4号店となる『ぷれじでんと』をオープンさせた。これは、ラーメン好きならずとも押さえておいたほうが良い。

というわけで、今回は、『ぷれじでんと』について、詳しくご紹介することにしよう。

まずは同店を率いる水原店主について、解説しておく。

同氏は、飲食チェーンで勤務した後、ラーメン店での修業を経て、2013年に第1号店である『つけめん小池』を上北沢の地に開業した。そして、2014年9月に一念発起し、同店を『らぁめん小池』へと全面リニューアル(ラーメンの味も全く違うものへと刷新)。

紆余曲折の後に、同店をエリアを代表する人気店のひとつにまで押し上げ、2018年2月、満を持して、本郷三丁目の地に、第2号店である『中華蕎麦にし乃』を開業した。

その『にし乃』が、開業早々の段階から爆発的な人気を呼び、オープンしたその年に『ミシュランガイド東京』のビブグルマン部門に選出される快挙を達成した。

2019年3月に王子に第3号店である『キング製麺』をオープンし、同店では、店主初の自家製麺づくりに乗り出した。

同氏は1985年生まれなので現在、いまだ30代半ば。だが、目指すべき目標を明確に打ち出し、常に前進し続ける姿勢は、ラーメン職人の鑑とも言える。次代の東京ラーメンシーンを担う若きエースの1人といっていい。

そんな水原氏だが、今般オープンした第4号店『ぷれじでんと』では、塩ラーメンを看板メニューとした「食堂」タイプの店舗という全く新たな世界に挑んでいる。

店舗の最寄り駅は、東京メトロ・丸ノ内線の本郷三丁目駅。『中華蕎麦にし乃』と同じく、文京区本郷に店舗を構え、両店共に同駅から徒歩3分程度という好立地にあるが、閑静な路地裏に佇(たたず)む『にし乃』とは異なり、『ぷれじでんと』は都内の大動脈のひとつ、本郷通り沿いにある。

「同じ本郷でも、大通り沿いと路地裏とでは、客層が全く違います。『ぷれじでんと』はより人目に付きやすい場所なので、偶然通り掛かった人がのれんをくぐる可能性が高い。だから食べ手を選ばないスタンダードな味わいを意識しました」

入店すると、すぐ左手に見える券売機。左端の列に、同店で提供する麺メニューが分かりやすく鎮座。現在、同店が提供しているラーメンは、「塩ラーメン」「担担麺」「酸辣湯麺」の3種類だ。

「最近は餃子(ギョーザ)づくりにも力を入れており、このお店では、ラーメンと餃子の双方に等しく軸足を置いた食堂的なポジションを狙いました。2人で来店し、1人はラーメン、1人は餃子を注文するといった食べ方もできますよ」

確かに、券売機をチェックすると「ギョウザ定食」などラーメン以外のメニューもある。ラーメンという枠組みに縛られず、より広い世界にまで視野を広げる店主の気概は、素直に感服に値する。

とはいえ同店の基本メニューは、「塩ラーメン」。「醤油ラーメン」でなく「塩ラーメン」を看板メニューに掲げたのは、水原氏が手掛ける店舗の中では『ぷれじでんと』が初となる。

スープを構成する素材は、煮干し・昆布・シイタケ・宗田節・アサリ・セロリ・ショウガ・玉ネギなど多岐に及ぶ。煮干し・昆布・アサリ等の「海の幸」の滋味がギュッと凝縮されたスープは、『にし乃』や『キング製麺』に通ずるものがあるが、今回は、それに加えて、セロリ・ショウガ・玉ネギ等の香味野菜を大量にオン。

「これまでの店舗のスープよりも一層まろやかな味わいとなるよう、ナチュラルな甘みをタップリとたたえた香味野菜を加えました」

キレよりも、各種素材のうま味が仲むつまじく手を結ぶコクを重視。マニア向けでなく、あくまで一般層に訴求する味わいに仕上げたいという意図が、明確に垣間見える構成だ。合わせる塩ダレも、塩・酒・ザラメ・鷹(たか)の爪といった定番素材を巧みに使用。

「至高のスタンダード」という言葉がふさわしい一杯だ。確かに、本郷に生活拠点を置く人たちが好む味の最大公約数を真摯に追求すれば、このような答えに行き着くのかも知れない。

スープに合わせる香味油にも、『ぷれじでんと』ならではのひと工夫が凝らされる。

鯛(タイ)の干物・貝柱・ニンニク・ショウガで作られた油は、同じく魚介をベースとしたスープと阿吽(あうん)の呼吸を奏で、舌上でピタリと一体化。

麺は、『らぁめん小池』や『にし乃』と同様、埼玉県新座市の名門『村上朝日製麺所』への特注品だ。芳醇(ほうじゅん)なスープを引き立てる黒子に徹するひたむきさが、麺が存分に自己を主張する『キング製麺』と対極を成していて面白い。手掛けるラーメンのコンセプトによって、発想をガラリと切り替えることができる。それも、水原氏が持つ「強み」のひとつだろう。

水原店主の話に耳を傾けながら、箸とレンゲを動かしているうちに、気が付けば丼は空っぽに。いつの間にか食べ終わってしまっているという現象が生じるのは、その1杯が超一流であることのまさに証である。

この店もまた、オープン早々にして、ラーメンマニアを中心に絶大な支持を獲得している。このまま順調にいけば、『ミシュランガイド』掲載4店舗目となる日が来るのも、そう遠い未来の話ではないと思う。

(ラーメン官僚 田中一明)

田中一明
1972年11月生まれ。高校在学中に初めてラーメン専門店を訪れ、ラーメンに魅せられる。大学在学中の1995年から、本格的な食べ歩きを開始。現在までに食べたラーメンの杯数は1万4000を超える。全国各地のラーメン事情に精通。ライフワークは隠れた名店の発掘。中央官庁に勤務している。

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