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「攻めて粘る走り」見せたい 箱根連覇、五輪も視野

震災10年・離れて今(5)青森県 田沢廉さん

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NIKKEI STYLE

 東日本大震災と東京電力福島第1原子力発電所の事故から10年。少年少女時代に被災し、現在は進学・就職などで地元を離れている若者たちは今、故郷にどんな思いを抱いているのか。「震災10年・離れて今」第5回は、青森県八戸市出身で駒沢大学陸上競技部主将の田沢廉(たざわ・れん)さん(20)に電話インタビューした。

東日本大震災の青森県の死者・行方不明者は、高さ4・2メートル以上の津波が襲った八戸市を含め4人にのぼった。同市内で被災地を目の当たりにした田沢さんは、高校時代に長距離ランナーとして注目度が高まると、自分の走りで被災した人々を勇気づけられるのではないかと考えるように。大学駅伝の強豪・駒大のエースは今、各地で起きる地震や豪雨の被災者にも思いをはせるようになった。

――自然の豊かな故郷。人生最初の記憶のようなものはありますか。

「新井田川という川があって白鳥が飛来するんです。そこで白鳥にパンを投げてやっていたような……。これは幼稚園のころですね。小学校時代のことで思い浮かぶのは、グラウンドで遊んでいたことばかりです」

「地元には山車が魅力的な『八戸三社大祭』という誇れるイベントがあります。中学生になってからは、友達と『行こうぜ』と誘い合って、屋台を巡ったのが楽しい思い出ですね」

アラーム音で体が震える

――大学進学で東京に住み始めました。地元と何が違いますか。

「東京には結構、圧迫感みたいなものがあるんですね。のびのびできないというか、人が多くて、気を使う場面も多いなと。そういう部分では、やっぱり田舎がいいなという気がします。(帰省すると)落ち着く感じがしますね、やっぱり」

――市立是川(これかわ)小学校のころから地元のマラソン大会で活躍されています。陸上競技に目覚めたきっかけは。

「校内マラソン大会ではずっと1位で、あるとき親から地域の大会に出てみればと言われて、調子に乗って出たんです。それがたしか4番。いつの大会だとかは忘れましたが、悔しい思いをしたのは覚えているんです。陸上は、自分に向いているというより、悔しいから始めた感じです」

――小4だった2011年3月11日に震災が発生。是川は市内では内陸部ですが、どんな状況でしたか。

「自分はいつも地震に気づくのが早くて、そのときも学校の教室で『先生、地震が来ましたよ』と言っていたら、すごい揺れが来ました。机の下に隠れて、机がズレないように押さえるのが精いっぱい。蛍光灯も落ちてきて、もうすごかった。揺れがおさまっても(余震が)すぐまた来たので、しばらく同じ体勢だった気がします」

「親の迎えを待って帰宅しましたが、家の中はいろんなものが倒れてぐちゃぐちゃ。当日は停電でテレビも映らず、情報もあまりなかったと思います。(緊急地震速報を知らせる)アラームの音、あれが今でも非常に怖いです。鳴ったら勝手に体が震えるほどです」

――外の様子はどうでしたか。

「数日後だったと思いますが、練習で港の近くに走りに行ったときの光景はよく覚えています。でっかい船が2隻、道路をえぐるように乗り上げていました。衝撃的でした」

――震災の経験が今の自分の意識にもたらしているものはありますか。

「震災後にも各地で豪雨災害や大きな地震がありました。そこで被災された方の中には、自分を応援してくれている方もいるかもしれない。自分には走ることしかできないので、それが(被災者の)勇気や感動につながればとの思いはあります」

――そう考えるようになったのは、いつからですか。

「高校3年になって徐々に注目されるようになってからです。中学時代は影響力のある選手ではなかったし、陸上界でも『だれ?』という感じでしたから」

――青森山田高校(青森市)では全国高校駅伝に3年連続出場。3年生のときにはアジアジュニア選手権男子5000メートルで銀メダルの好成績でした。駒沢大学を選んだ理由は。

「大八木弘明監督の指導を仰げば、自分が絶対に速くなる、強くなるという確信があったからです。『実業団に勝つ選手、世界で戦える選手を育てたい』とずっと口にされていて、大学卒業後も輝いている選手が多い。(進学は)人に勧められたというより、自分で判断しました」

新3年生で主将に

――大学1年から出雲、全日本、箱根の三大駅伝に出場。2年生になった20~21年シーズンは全日本と箱根を制しました。振り返ってどうですか。

「駅伝が開かれるかどうかもわからないコロナ下の厳しい中で、できることをしようとやってきたことは間違いではなかったと思います。(大会への出場選手が少なかった)4年生がすごく雰囲気をよくしてくれて、ひとりひとりがモチベーションを落とさずに大会を迎えられました」

――13年ぶりとなった箱根優勝の瞬間は、どんな思いでしたか。ご自身は2区に出場し、15位から8位に順位を上げ、タイムは区間7位でした。

「正直に言えば(自分の成績を思って)うれしくはなかったです。自分が活躍していない駅伝の優勝は、そんなにうれしくはなかったですね」

――今春の新3年生ながら大八木監督から主将に指名されました。どんな思いですか。

「監督は陸上にもっとしっかり向き合ってほしいとの思いで自分を指名したんだと思っています。これまでは練習が終わると、何も陸上のことを考えていなかったので。チームの目標として、箱根連覇を含む3冠は絶対に成し遂げたい」

――田沢廉の走りとは何かと問われたら、どう答えますか。

「攻めて、粘りのある走りだと思います」

――ご自身の長期的な目標は。

「マラソンでオリンピックに出ることです。注目度が高いですし、憧れの中村匠吾さん(駒大OB、東京五輪男子マラソン代表内定)のようになりたいと思っているところもあるので」

――24年パリ五輪もターゲットですか。

「はい」

(聞き手は天野豊文)

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