また、例えば日本語では「お客様」の一言で色々な顧客を指し示すことができますが、英語で一般的な customer は適切でない場合があります。ホテル客やイベントの招待客は guest、観光客や美術館などの訪問客は visitor、ショーやスポーツの観客は spectators、いわゆる士業の人に依頼をしてサービスを受ける人は client、映画やコンサート、お芝居などの観客は audience とこんなにたくさんあります。単語の持つそれぞれのイメージがあるので、メッセージを受け手に伝えるためにはイメージに合った言葉を選ぶ必要があります。

あと、英語と日本語の大きな違いの一つに単数形、複数形があります。名詞は数えられるのか、数えられないのか、一つなのか複数なのか――。日本語ではあまり意識することのない感覚ですので英語を上達する上で意識するようにしましょう。

(5)謙遜より自尊心

日本語は謙遜する文化です。これはこれで素晴らしいのですが、英語文化の土俵で(例えが日本っぽいですが!)コミュニケーションをとる場合、これが問題になる場合があります。なぜなら英語文化は謙遜する文化ではなく、自尊心をより大事にするのです。これに関しては真逆ですよね。

実際にこんなことがありました。生徒さんが自分の奥様のことを英語で My stupid wife was … とおっしゃったのです。「私のバカな妻が…?」とショックで、後の言葉が耳に入ってきませんでした。でもすぐに「あ、愚妻…」とわかりました。日本語ではへりくだって自分の家族を愚妻、とか愚息と表現します。それをそのまま訳すと What!? となってあなたの常識を疑われかねません。注意が必要です。

これは私の失敗話なのですが、初めてアメリカでホームステイした際、滞在先のファミリーへお土産を渡すときに This is a boring gift. (つまらないものですが)と言いながら渡してしまいました。ファミリーは私の間違いを理解して、「英語では This is a present for you. と言うのよ」と教えてもらいました。

このように日本語から直訳すると誤解を招きますので「謙遜 < 自尊心」を覚えて英語では謙遜しないようにしましょう。

(6)日本語は縦、英語は横

日本語は縦、英語は横、というのは人間関係のことです。基本的に日本社会は「長幼の序」、会社でいえば年功序列型、年上を敬います。この文化は日本語にも表れているように思えます。兄、弟、姉、妹、長男、長女、先輩、後輩、同期、とありますよね。これを私も当たり前で、万国共通の認識だと思っておりました。しかしながらなんと英語でこれらに一語で該当する単語はないのです!

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(7)ジョークやユーモアの心
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