だれもが知っているファミリーマートのカラーである青と緑のラインソックスに、ステッチにこだわった白Tシャツ。ファミマ発の衣料ブランド「コンビニエンス ウェア」が、間もなく全店に並ぶ。手掛けたのは、とんがったモードブランド「FACETASM(ファセッタズム)」で国内外に熱狂的なファンを持つファッションデザイナーの落合宏理さんだ。「緊急対応の衣類」ではなく、コンビニで「日常着」を売る文化を創りたい、というファミマの理念に共感して作った数百円の衣類は、デザインにもパッケージにも楽しさが詰まっている。落合さんの心をとらえた、「日用品」に徹するコンビニの世界へのアプローチは、「ファッションデザイナーの可能性を広げる挑戦」だと確信している。
日本のアイコン「ファミマカラー」でソックス
――このソックスですが、コンビニで売っているの? という驚きのかわいさです。言われてみて、ファミリーマートのカラーだと気付きました。
「売り場でシンボリックな存在になってほしいんです。コンビニが持つ公共性を、ファミリーマートならではの形で打ち出したのが、このラインソックスなので。コンビニの店で目にするラインやカラーは日本を代表するアイコンです。米アップル社のリンゴのように、きちんと商品に落とし込みたいと思っていました。見ればすぐにファミリーマートのものだとわかります。ミュージアムショップに置いてもいい商品というイメージで作りました」
――3月23日の全国展開に先立ち、2020年6月から関西で限定販売しました。反応はどうでしたか。
「アウター用のTシャツがすごく好評でした。Tシャツをコンビニで買うというのも1つのチャレンジでしたが、評価をいただけました。デザイン、クオリティーには相当こだわり、Tシャツではリブの幅、ステッチ、サイズ感、襟ぐり、肩の落ち方などをミリ単位で調整しています。トレンドを追うよりも、基本的には定番商品を作ります。そこから徐々にアイテムを増やしていきたいですね。このTシャツからロングTシャツを作っていく、といった具合に」
「ラインソックス429円、タンクトップ869円など、作る数量が半端ないですから、値段が安くできるのが魅力。ハイクオリティーに仕上がっているので1回着てもらえれば勝ち、と思っています。今治タオルはいろんな柄を増やしていきたいですし、関西で評判がよかった発熱インナーや、新たにレインコートも作ってみたいです」