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薬局で気軽に子どもの薬相談 薬剤師に聞く12の質問

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日経DUAL

子どもが小さいうちは医療機関にかかることも多く、共働き子育て世帯にとって薬局は身近な存在でしょう。「処方せんを出して薬を受け取る窓口」という認識を持っている人は多いでしょうが、実は、薬局で対応する薬剤師は、健康について相談に乗ってもらえたり子育てのアドバイスをもらえたりと、健康や子育てのサポーターでもあります。

2020年9月に改正医薬品医療機器法(薬機法)が施行され、調剤時に限らず、必要に応じて使用状況の把握や服薬指導を行うことが薬剤師に義務づけられました。患者と薬局の距離が近づきつつある中で、薬局と薬剤師にもっと頼るためのコツを、薬剤師で、5歳と3歳の男の子のママでもある伊藤希美さんに聞きました。

◇  ◇  ◇

「薬剤師は子育て世代に提供できる情報をたくさん持っているので、薬に関することはもちろん、子育ての悩みやママ・パパ自身の健康相談でも頼ってほしい」と伊藤さんは話します。「薬剤師にこういうことを聞いてもいい」という12の質問について、答えてもらいました。

子どもが薬を嫌がるときはどうしたらいい?

1.「医師の薬の説明が分からないから教えて」

「『鼻水を止める薬を医師にお願いしたのに、出された薬をネットで調べたらくしゃみを止める薬かもしれない』など、薬に関して疑問を持ったら薬剤師に聞いてください。同じ薬で2つの効果を持っていたり、医師が説明を簡略化していたりすることもあるので、分かりやすく説明します」

「錠剤を散剤に、保湿剤をクリームタイプからさっぱりとしたローションタイプに、といった変更も、クリニックに電話して処方した医師と直接話すなどして、薬局から医師に働きかけることができます。薬剤師の役割は、患者さんに納得して薬を服用してもらうことです。医師に言いにくいことがあれば間に立って調整します」

2.塗り薬は「擦り込む? のせる?」正しい塗り方は?

「塗り薬でも、ステロイドは患部を覆うようにのせる、ヘパリン類似物質配合の保湿クリームやおむつかぶれの亜鉛華軟膏(あえんかなんこう)は擦り込むように塗るなど、薬によって使用法が異なります。診察時に医師が伝えきれていないこともあるので、正しい塗り方は詳しく説明します。

医師に指示された回数・量を守ることも大切です。でも、共働きだと忙しい朝に薬を塗るのは大変だと思います。私の場合は、子どもが起きる前、寝ている状態のまま塗っています。ちなみに夜は、入浴直後に薬を塗ることにこだわらなくても大丈夫です。体がほてっていると子どもが嫌がって塗らせてくれないことも多いので、ほてりが冷めた頃に落ち着いて塗ってあげてください。塗るときに、薬の量が少なすぎる場合も多いのです。塗った後にティッシュが肌に貼り付くくらいの量を目安にしてください。

保湿剤とステロイド剤が両方処方されたときは広範囲に塗るものを先に塗るのが基本ですが、抵抗する子どもに大事な薬を塗り損ねたくないので、私はステロイドを先に塗ることもあります。例えばこのように、日常生活の中でしっかりと薬を使えるような工夫についても薬剤師は伝えることができます」

苦味がある薬を嫌がるときはどうしたらいい?

3.目薬を嫌がるときはどうしたらいい?

「子どもは点眼薬を怖がることが多く、決められた回数を守るのは大変だと思います。怖がる子どもには、目を閉じたまま下まぶたを少し引き、目頭に点眼すると眼球全体にうまく行き渡ります。塗り薬と同様に、寝ているときも点眼のチャンスです」

4.苦味のある薬を嫌がるときはどうしたらいい?

「薬剤師は、粉薬が飲みやすくなる飲食物の組み合わせを熟知しています。抗インフルエンザ薬のタミフルはピーチ味のジュースとの相性が良く、調剤薬局に桃ジュースが売られていることもあります。マクロライド系の抗生剤(クラリスロマイシンなど)は、オレンジジュースやスポーツドリンクのような酸味のある飲み物に混ぜるとコーティングが溶けて苦味が露出し、かえって飲みにくくなります。薬の種類によっても相性の良しあしは異なるので、薬剤師に気軽に聞いてください。水に溶けない粉薬はアイスやヨーグルトに混ぜると飲みやすくなります」

5.ご飯を食べなかった。食後の薬を飲ませていいの?

「胃に負担がかかる薬(解熱鎮痛剤や鉄剤など)は軽く食べてから服用することをおすすめしますが、それ以外の薬は食後にこだわる必要はありません。抗生剤や抗アレルギー剤などなら胃に負担がかからないので、食事とは関係なく一定の間隔で時間を決めて服用しましょう」

6.内服後に吐いたり、座薬を入れた後に排便 再度試しても大丈夫?

「たくさん吐いたと思っても体内に残っている場合が多く、追加で服用すると規定量以上となる可能性があるので自己判断で飲ませるのは避けたほうがいいでしょう。座薬を入れた後に排便した場合、直後(2~3分以内)なら再度挿入します。それ以上経っている場合は、座薬の種類によって吸収の速さが異なるので、薬局に電話して薬剤師に相談してください。一般的に座薬を入れて10~15分たっていれば、再挿入せずに様子を見ます」

7.余った薬の使用期限は?

「子どもの処方薬に多いシロップや分包された散剤は、シートに入った錠剤やカプセル剤に比べて劣化しやすいため飲み切りましょう。熱性けいれん予防薬や、解熱剤などの座薬は、冷蔵庫などで保管していれば次のために取っておいてもいいでしょう。あらかじめ使用期限を薬局で聞いておくと安心です。ただし、子どもの体重が増えて効果が十分でないこともあるので、長期間空いたときは薬剤師に相談してください」

健康や子育てに関するちょっとした相談もOK

薬に関すること以外でも、薬剤師ならではの見解を聞くことができるといいます。

8.近所でおすすめの小児科は?

「多くの医療機関からの処方せんを扱う薬剤師は、ネットワークもあるので、近隣のさまざまな医療機関の情報を持っています。『 ○○クリニックは薬をしっかりと出す先生』『△△医院は薬になるべく頼らない方針』といった情報や、『□□クリニックの先生は子どもに好かれる穏やかな性格なので、子どもが怖がらずに受診できるかもしれないですね』といった、個人的な見解ではありますが、小児科の情報を聞けることもあります」

9.市販薬のおすすめを教えて

「薬剤師は化学の知識があり市販品の成分についても相談に乗れます。医療用医薬品として用いられていた成分が市販薬に切り替わった医薬品(スイッチOTC医薬品)の最新情報にも敏感です。『病院に行く時間はないけれど、処方された保湿剤と同じ成分が入った市販薬が欲しい』といった相談もしてください」

10.子どものせきが長引いているが再受診したほうがいい?

「処方された薬を正しく使えているか、乾いたせきから湿ったせきに変わるなどせきの質が変わっていないか、などを聞いて、基本的には受診を勧める方向になりますが、受診するかどうか迷ったときは気軽に相談してください」

11.マスクを嫌がる子ども どうしたらいい?

コロナ下でマスク着用が強く推奨されています。しかし、マスクを嫌がる子どもは多いでしょう。

「公衆衛生の向上および増進に寄与することも薬剤師の役割の1つですので、そうした相談も受けることができます。マスクに関しては、乳幼児(2歳未満)では着用のメリットよりも窒息などのリスクのほうが大きいため、マスクよりも3密を避けるなどの対策がコロナ感染予防には効果的です」

12.繰り返すおむつかぶれの対策は?

「おむつ替えのときはウェットティッシュで拭くよりも、洗い流したほうが肌に刺激になりません。その都度浴室に連れて行くのは大変なので、水を入れた携帯用スプレーを用意しておき、おむつの上でお尻を洗うのがお勧めです」

子どもの薬をもらいに行ったときに、ママ・パパ自身の健康相談をすることもできます。「病院に行くほどではないけれど、不調があり市販薬について相談したい」「健康食品やサプリメントについて相談したい」など、健康に関する質問や要望にも応じてくれます。

「患者がどこまで付加情報を求めているのか判断できないため、踏み込んで情報提供ができていないのが実情ですが、薬を受け取りに来たタイミングなどで質問をしてもらえば喜んで答えるので、遠慮せずに聞いてください」

薬局では毎回異なる薬剤師が対応する場合も少なくありません。2016年4月から始まった「かかりつけ薬剤師」制度は、患者があらかじめ指名した一人の薬剤師が毎回対応してくれる制度です。

「かかりつけ医」は健康に関することを何でも相談できる、身近にいて頼りになる医師を指すでしょう。「かかりつけ薬剤師」も考え方は「かかりつけ医」と変わりません。大きく違う点は、「かかりつけ薬剤師」になってもらうには、同意書での契約が必要ということです。薬剤師を指名することで、専属の薬剤師として毎回同じ薬剤師が担当する制度です。

「かかりつけ薬剤師」を頼むメリットは3つあります。

「かかりつけ薬剤師」を頼むメリット



1 薬を管理してもらえる
一人の薬剤師が服薬状況をまとめて管理してくれるので、飲み合わせや重複の確認をしてもらえる。薬だけでなく、健康食品やサプリ、生活習慣についても確認やアドバイスしてもらえる。

2 薬局が開いてない夜間・休日も薬の相談ができる
24時間いつでも、電話で薬の使い方や副作用、薬に関する相談に応じてもらえる。

3 医療チームのサポートを受けられる
処方内容を確認し、必要に応じて医師への問い合わせや提案をしてもらえる。

「子どもがアレルギーを持っていたり、薬で下痢などの副作用が出やすかったりする場合でも、いつでも相談できる安心感があります。かかりつけ薬剤師は、研修認定薬剤師を取得した豊富な経験を有する人だけがなれます。すべての薬剤師が対応できるわけではありませんが、通っている薬局で、『この人なら信頼できそう』と感じた薬剤師がいたら、かかりつけ薬剤師になってほしいことを伝えてみてください」

コロナ下で地域のつながりがさらに希薄になり、子育ての知恵や経験を共有することが難しくなっている今、薬剤師は子育て世代にとって頼れる存在です。

「今回紹介したような質問事例を通して薬剤師とコミュニケーションのきっかけをつかんでほしいと思います。健康や子育てに関する相談相手として、もっと薬剤師を頼ってください」

伊藤希美さん
薬剤師。東京大学大学院 薬学系研究科にて修士課程修了後、大手コンサルティング会社に就職。厚生労働省をはじめとする官公庁とともに、 医療保険財政の継続性に関わる研究調査などに携わる。その後、夫の転勤に伴いチェーン薬局へ。薬剤師として店頭業務を経験した後、本社勤務。2018年、薬局を健康情報発信の場にしたいとの思いから、調剤薬局向けサービスの開発・提供を行う会社、カケハシに参画。ユーザー支援業務やコンテンツ制作を担当。

(取材・文 中島夕子)

[日経DUAL 2021年1月15日付の掲載記事を基に再構成]

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